昔の自分に会う27歳のタエ子
子供よりも大人向けのジブリ作品。27歳のタエ子が小学5年生の自分を思い出しながら話は進みます。
ジブリ映画の作品ですが、今までの作品とは少し違い思い出を振り返りながら進む展開になっています。どちらかというと時代をいったりきたりするので少し内容を理解するのが難しい話だなと私は思いました。私が初めて作品を見た時は、内容に理解出来なくて途中で見るのを諦めたのを覚えています。私がただ理解力が足りなかったのか、この作品自体が難しい内容だったのかは分かりませんが、ジブリ作品を途中で見るのをやめたのはこの作品のみです。私には理解しずらかったという印象です。再度見た時は、以前よりは内容が頭に入ってきて無事に見る事が出来ました。おそらく、男子よりも女子向きのジブリ作品だなと思いました。私の小学生の息子は、この作品を見る機会がありましたが、途中から一切見ていませんでした。内容が入ってこないのか、分からないですが、本人が言うには『意味が分からない』とのことでした。やはり小学生で男子となるとこの作品にはあまり興味を示さないようです。六年生の娘は、一応最後まで見ていましたが、感想を聞くと、『あまりパッとしない、魔女の宅急便とかの方が全然好き』と、やはり不評でした。理解しずらいのかもしれないし、もしかしたらストーリー性があまり子供向きではないのだろうと私は感じました。逆に世代でいったら、何歳くらいの人に好まれる作品なんだろうか。主人公のタエ子が27歳という設定ですから、きっと20代後半から30代前半が狙いかなと思いました。この世代の人が作品と同じような体験を思い出したりするのが、1番楽しめるかなと思いました。27歳の女性が小学5年生の頃の自分を思い出して話が展開されていくという少し変わった内容は子供にはどちらかというと、分かりづらいは仕方ないだろうと思います。
タエ子は精神患者だったのかもしれません。
タエ子は、27歳なので、約17年前の自分を懐かしく感じ思い出しています。しかしただ過去を懐かしむのではない、その映像もきちんと描写されていることに気づきました。過去を思い出すという行為を懐かしむと同時に使われるのが精神病患者がカウンセリングを行う際に使われる方法でもあります。カウンセリングでは、目を閉じて昔の出来事を思い浮かべるのです。楽しかったこと、嫌だったこと、少しづつ思い出しながら過去の自分と向き合うということです。もしかしたら、タエ子は精神病患者だったのではないだろうかと思いました。病気のため、カウンセリングを利用したのではないだろうか。小学生時代に振り返りながら色々なことを思い出しタエ子の精神病を治そうとしている作品ではないかと思います。カウンセリングとまさしく同じ内容なのでビックリしてしまったくらいです。だとすると、タエ子はどんな病を抱えていたか気になるところです。小学生の頃を思い出しているのだからその頃、タエ子を変えてしまった何か出来事があったのでしょう。小学生のタエ子を良く見ていればそれが分かるかもしれません。
必死に自分探しを始めた27歳のタエ子
一体タエ子はどんな問題を抱えているのだろうか。過去を思い起こして小学5年生の頃に体験した様々な出来事を思い出すタエ子。タエ子は、現在の自分に何か問題があるのか、生きていくなかで人生の疑問点が浮かんだのだろうか。ただ普通に平凡な生活を過ごしていた27歳のタエ子は、日々過ごすことに活気を感じなくなってしまったのかもしれません。何かが足りないような、今の自分は、昔自分がなりたかった自分になれているのか、と考えていたのだと思います。だから、昔を思い出していたのでしょうか。タエ子は人生に迷っていたのです。
私もタエ子のように人生に迷いや戸惑いを感じた時に小学生の頃を思い出したことがありました。友達の名前、何を話していたか、転校生を好きになったことなど数え切れません。あの頃の自分だったら、どんな風に悩みを解決するだろう。私の人生はこれでいいのかなという問いに対して、どんな風に答えてくれるだろう。きっとタエ子は迷い、疲れていたのだと思います。改めて自分を見つめ直すために何度も過去の自分を見つめ直していたのだと思いました。タエ子の将来に対する不安が27歳という年齢に設定したことから良く伝わってきました。もしかしたら人生について1番悩む年頃かもしれません。タエ子はたまたま仕事の長い休みが入り、自分を見つめ直すためにまるで、精神科医にカウンセリングしてもらっているかのように、自分の過去を振り返っていったのでしょう。みんなが通る道でもあると思います。しかし、小学生にはきっと伝わらない部分が沢山あると思います。私のように大人になってから見ると、非常に救われるような気持ちになります。この作品を見て、少し休憩してみようかなと感じました。昔を思い出しながら、昔の自分を他人として改めて見ることで、何か重要な気持ちを思い出すかもしれません。
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