科学とオカルト
とある魔術の禁書目録のスピンオフ作品
本作はとある魔術の禁書目録のスピンオフ作品といることで一つの世界観を別の角度から描いた物語なのでより深く物語について触れることが出来ます。本作の題材として科学サイドである本作の主人公の美琴とインデックスとの出会いによって魔術サイドについた当麻の物語が同じ舞台で物語を紡ぐ様はとても興味深く面白いと思います。
魔術と科学といった一見正反対に位置している様に思えますが私は実は魔術も科学も似たような技術であると思います。
魔術とは現代科学では説明のつかないことを指すことがらであり、そんな現在では魔術に値することも近い未来には科学技術として根拠が証明されている可能性は高いと思います。なぜなら現代の科学技術を数百年前の人類が見たら同じ様にそれを魔術や魔法と表現するのだと思うからです。
他のアニメの様なひとり主人公の主観から語られる物語はひとりの主観から描かれている以上どうしても表現には限界があり、世界観について詳しく説明するならば物語が説明口調になってしまいアニメの魅力を半減させてしまうからです。そういった面からも本作のような作品はより物語を楽しむことが出来るので人気が出たのも納得が出来ます。
科学技術の学園都市
本作の舞台である学園都市で様々な最先端技術が登場します。1期は2009年製作ですが作中にはとても興味深い科学技術が数多く登場します。製作から5年以上経過し、自身の周りにある機械と本作に登場する機械とを比べてみても作品から実際に実現した物も数多くあるのではないかと思います。
例えば今、手にしている端末やPCといったコンピュータは性能が段違いに上がり、尚且つ、持ち運びやすさやサイズといった機能面からも発展が著しく、本作の黒子の使っている端末などは似たようなものが市場に出回っています。
他にも自動で運転する自動車や人工知能といった数年前では思いもよらなかったあくまでアニメ作品に出てくる空想上の技術だったものが現在では身近な技術になりつつあるのはとても興味深く何度見直しても新たな発見があり、飽きません。
そういったことから近い将来には宇宙エレベーターやパワードスーツなど現時点では思いもよらないような技術が見られるかもしれないと本作の今後の展開にも注目したくなります。
科学と超能力
本作の見どころのひとつでもある超能力ですが科学技術による根拠はなく、どちらかといえば魔術といった言わばオカルト寄りな技術についても興味深い点はいくつもあります。
超能力といっても一括りで表現ができる物では無く、美琴のような電撃や風や火を操るといった能力から黒子のような人や物体を移動させる能力、アニメではほとんど出番がありませんでしたが食蜂 操祈のような人の精神に干渉するような能力までとても分類できる物ではありません。
そういった多様で表現に際限が無い能力たちをどうやって物語に組み込ませ、ストーリーを描き、人を惹きつけるといった面について本作品のシリーズは本当に良く出来た作品であると思います。
となると禁書目録の主人公、当麻の能力については疑問が多々残ります。作中で描かれている様に美琴の電撃の様な超能力に分類される能力は防げるがラストエピソードで描かれた木原の使用した美琴の能力を解析して作った科学技術による電撃は防げるのか?といった由来の違う事象についてや禁書目録のエピソードにで描写のあったテレパスによる脳への意思伝達については幻想殺しの能力が発揮されているが当麻の左手では能力は発揮されないことといった疑問がありますがそういった言わば「特異性」が当麻を主人公たらしめている要因のひとつであり、また魅力であると思います。
ですがこういった能力の開発は設定上は投薬などで脳を人為的に変質させる、といったことや対象者が未成年の子供とのこともあり、倫理的な問題や言わば有志ではあるが不確かな臨床試験が行われていない人体実験とのこともあるのでこちらの実現は将来的にも無さそうです。
努力と才能
アニメ最初のクライマックスでもある幻想御手(レベルアッパー)事件についてのエピソードはとても深く考えさせられるエピソードでありました。
作中では超能力=才能との表現があり、子供たちの才能についての葛藤がよりリアルに描かれていると思います。
誰でも一度は才能の壁にぶつかった経験ごあると思います。学校の部活や運動、勉強などジャンルは幅広くありますが本作では超能力とひとまとめにして分かりやすく表現してあります。
私は才能とは有無で測るものではなく、どう伸ばすか、であると思います。本作の超能力の様に努力でもどうにもならないことは数多くあると思いますがその現実を受け止め、そのうえで自身をどうするか?どう在りたいかを決め、その為に努力することが何より大切であると思います。立ち止まって自身を見つめなおすことも大切だと思いますが少しずつでも一歩ずつ進んで行くことが自身の才能を輝かせる秘訣であると思います。
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