地球人vs???
時代が時代なので、現代の高い技術、素晴らしいプロの声優さんや録音スタジオなどから成るハイクオリティなアニメとは正直土俵が違うと思います。
セルの管理環境のせいで変な線が入ったり、同じカットの連続だったり…今のアニメだったら正直高評価は得られないでしょう。しかし、私は時々この作品が見たくなってしまいます。
科学によって発達した未来の地球、侵略を目論むジュラル星人。彼らと戦う少年、それがチャージマン、泉研です。
基本的には研たち地球人が”正義の味方”、ジュラル星人たちが”悪者”なのですが、時折その構図があやふやになることがあります。
研に命を救われたジュラル星人が、彼の寝首をかくことを躊躇ったり、地球人と触れ合う中でジュラル星人の思想を改めようとしたり、と本当に彼らは倒されていい存在なのかが怪しくなります。それに、もともとジュラル星人は、地球人によって生態系を破壊されたことを恨んで地球を侵略しようとしているのです。
一方、地球人は蝶を絶滅させたり、世界を滅ぼそうとしたり、となんとも言えないような残酷さも持っています。きっと現代の我々に時たまみられるように、人間の、自分の暮らしの豊かさばかりを求めた結果なのでしょう。
環境破壊、世界中の紛争、などは現代でも問題視されていますし、放送当時は第四次中東戦争やそれによる第一次石油危機、高度経済成長による公害問題が世間を混乱させていたので、このチャージマン研で問いかけている問題は人類が昔から抱えてきて、未来へと繋げていくであろうものなのではないでしょうか。
本当の豊かさ、平和、発展とは何なのか、このアニメによって深く考えさせられます。
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