日常に潜むサスペンスをゆるやかに - ようこそ、わが家への感想

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ようこそ、わが家へ

3.503.50
映像
4.00
脚本
3.13
キャスト
3.50
音楽
3.38
演出
3.25
感想数
4
観た人
13

日常に潜むサスペンスをゆるやかに

3.53.5
映像
3.5
脚本
3.5
キャスト
3.5
音楽
3.5
演出
3.5

目次

他人事ではない日常に潜む事件

平凡な日常の中で、予想もしなかったことが原因で、

「家族全員が何者かに狙われ被害者になる」ということが、

確かに誰にでも起こりうるかもしれない、と感じさせられるドラマ。 

善良に生きているつもりでも、

ふとしたことから誰かを傷つけたり

不快な想いをさせてしまってることは

誰にでもあることかもしれない。

とにかく余計なトラブルを起こさないようにと、

日々、目立たず、余計なことは言わず、

事なかれ主義を貫く健太が

たまたま勇気を振り絞って公衆の面前で声をあげたことで

家族全員がストーカー被害の被害者になってしまったわけだけど・・・

「じゃあやっぱり声なんてあげない方がいいじゃない」

と思わせない描き方になっていたのはよかったと思う。

そこは、人間ドラマに定評のある池井戸作品ならでは、かもしれない。

事件を通して、家族を守りたい本能が目覚め、

悩みながらも己の弱さを克服しながら犯人と立ち向かっていく健太の姿に、

そして最後、犯人と直接対決したときの健太の潔さに、希望を感じた。



やさしいサスペンス

このドラマを見て、終始一貫して感じたのが

「やさしいなあ」

ということだった。

いろんな意味を含んだ「やさしい」なんだけど、

何がどう「やさしい」のかというと・・・

なんていうのか、見えざる犯人への対策とか、

それらを推理していく詰め方が、

全体的にゆったりしてて、ゆるい、というか。

「研ぎ澄まされる」という感覚があまりない、というか。 

例えば、犯人をおびき出す作戦を立てようとするときも

盗聴器を逆手にとれば簡単なのに、そこまではしない、とか。

ええ~~~、なぜ、なぜ利用しない!?

普通気付かないかなあ・・・?

だいぶたってから気付いて採用するんだけど、

そのテンポ、ゆるいなあ。。。と。

打ち出そうとしているサスペンス感は

結構ヘヴィな感じなんだけど、

犯人とのやりとりが、結局最後までやさしかったような。

主人公が相葉君だから、というのもあるのかな。

私が普段好きで見ているサスペンスが

もっと追い詰め追い詰められる感がエグくてシビアだから

余計にやさしく感じたのかもしれないけれど。

というか、見ながら

「なんだよそれ、手ぬるくない?・・・(不満)」と

思ってしまっている私自身が、

エグくて容赦がない、ってことなのだろうか・・・と

少々不安になったりもして(汗)

効果音がかなりホラーでドキドキさせられるんだけど

内容は意外にものんびりやさしいので、

どこにも余裕がなくてギリギリの息が詰まるようなサスペンスとは

一味違うゆったり感が、ある意味新鮮だった。



犯人、誰!?

ドラマ冒頭から、ニット帽の男による嫌がらせが始まり、

日に日にそれはエスカレートしていくんだけど、

実は犯人は一人じゃなくて、

え、この人が!? という意外な人物が次々と現れる。

その辺の展開と演出はなかなかおもしろかったんだけど、

問題は、最後、一番の真犯人ですよ。

えええ!? アナタ、誰ですか!!??

と思った人、結構いるんじゃない?

犯人に対して伏線が無い、ってパターン、私的には初めてで

正直個人的には、「それ、どーなん?」と思ってしまったけど・・・ 。

最終回で初めて顔が出るんだけど、

冒頭のニット帽の男、だったんだけどもね。

犯行の事情とかは、なるほど納得、ではあるんだけど

物語としては、例えば、

沢尻エリカと顔見知りだった時のエピソードを

最初にうっすら伏線で入れておく、とかしてくれてた方が、

「ああ!あのトキのあの男だったのね!!」

って、盛り上がると思うんだけどさ、

面が割れても、

「え・・だ、だれ?(キョトン)」

ってのは・・・オモシロサ半減、って感じてしまうのは

私だけでしょうか。。。うーーん。。。

それか、むしろそれが狙いだった、とか・・?

未だにそこが不思議で、思いだすともやもやしてしまいます。

池井戸潤テイスト

これ、原作が池井戸潤というのは、後から知ったんだけど、

言われてみれば納得、と思ったのが、

健太のお父さんの務める会社でのやりとりの部分。

会社の営業部長の悪事や嫌がらせに対して、

お父さんは同じ経理部の部下と協力して

最終的にコテンパンにやっつけるんだけど、

その一連の展開は、半沢直樹とか下町ロケットでおなじみの

あの勧善懲悪の感じがよく出てて面白かった。

けど、本筋の、家への嫌がらせ犯人と何か関連があるのか・・?

と、思いながら見てたけど、結局直接関連はナシ、で、 う~ん・・・。 

まったく別のストーリーが並行して走ってるような感じで

なんだかなあ・・ ・。

もう少し、わが家での事件解決と、お父さんの会社での事件解決が、

間接的ではあるけどどこかリンクする、という関連性が

もう少し感じられる描き方の方が、

より立体的で面白いんじゃないかなあ・・・という気はした。



全体的に比較的平面的な物語、という印象ではあって

立体的な演出やストーリー展開が好きな私としては

若干物足りなさは感じた部分もあったけど

テーマが「身近な日常のサスペンス」というのは

リアリティがあって好きでした。

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1つの事件だけでも背景には違う問題隠れてます

今の時代に起きている犯罪の中で実際にありうるストーカーをテーマにしているのは大きいなと思います。ストーカーする方もそうですが、何事にもそれをする原因となるものがあります。それが双方に思い当たる物があるかないかの認識の違いもありますが、今回の最初の長男健太さんのケースは完全な逆恨みであって実際注意したが為に暴行受けたニュースとかも現状あるだけに明日香さんがいなかったら健太さんは逆上した犯人に言いくるめられて謝罪ですめばいいなという展開になっていたかと思います。ですがこの後に日を跨いでの設定かは分かりませんが電車に乗った健太さんと明日香さんホームから走り去っていった犯人でしたが、健太さんと犯人が同じバスに乗車するというのは偶然なのか短時間に健太さんの周りの事を調べられる程健太さんは仕事人として名をはせている人ではないですし、ですが確実に健太さんを認識してバス降りた後追いかけてきてその後の嫌...この感想を読む

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