様々な場における主人公
このドラマを見たときの衝撃というものはすごかった。松嶋菜々子演じる三田さんは表情ひとつ変えない、もちろん笑わない、それなのにひとつのドラマが成り立っているということに驚きを隠せなかった。
簡潔に説明するならば、長谷川博己演じる阿須田恵一の妻が亡くなっている阿須田家に三田さんがやってくるのであるが、その家の様々なことに関わっていくうちに三田さんの心にも変化が生まれてゆくというストーリーである。
このドラマはそれぞれの登場人物の抱える問題に焦点をあてながら描かれている。特に忽那汐里の演技は当時、実際の歳とはあまり離れておらず、高校二年生の長女という設定であったがあどけなさはありながらも少しずつ大人に成長していき、家族の問題を解決していく姿を十分に演じきれており、大いに評価できるものであった。
そしてこのドラマのもうひとつの見せ場は斉藤和義がこのドラマを意識して作った主題歌ではないだろうか。その主題歌やさしくなりたいの歌詞はこのドラマにとても合っており、ドラマのエンディングで流されるこの曲はとても感慨深いものであった。
このドラマの魅力的なところとしては、一見主人公が三田さんのように思われるがそれぞれがどの場面においても主人公のような役割をになっているところだとおもわれる。
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