内田先生はどうしてこんなにも男運が悪いのか? - 私たちは繁殖しているの感想

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私たちは繁殖している

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画力
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ストーリー
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キャラクター
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演出
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内田先生はどうしてこんなにも男運が悪いのか?

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画力
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ストーリー
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キャラクター
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設定
4.5
演出
4.0

目次

自身の出産・育児を赤裸々に綴った痛快エッセイ漫画

もう20年以上続いている内田春菊先生の大人気の育児エッセイ漫画だ。

最近はさすがに“繁殖”は無理なようだが、子供達のそれぞれの進路が明確になってきたりと、子供のいる人なら“共感”出来る内容で面白く、興味深い。勿論、子供の居ない人も楽しく読める内容となっている。

納豆やヨーグルトの作り方などの料理やちょっとした健康法なども紹介されているので為にもなる。

その「私たちは繁殖している」略して「わた繁」だが、読んでいるうちに驚愕の事実に気が付いた。

義父さんはアスペルガー症候群?

前夫の“ユーヤ”さんの父親なのだが、どうもアスペルガー症候群ではないか?と思うのだが、如何だろうか?

※ちなみにアスペルガー症候群とは高機能発達障害の一種で、学習能力や言語には影響しないものの、脳の障害により独特の思考パターンがあるので主にコミニュケーションに支障を来す障害である。

早いうちに発達障害対応の病院でカウンセリングやトレーニング等をそれば普通の人とほぼ変わらない考え方が出来る。

この障害の怖いところは本人は全く自覚が無く、周りの人間だけが迷惑したり混乱したりする事だ。

例えば

内田先生を見下したり年寄り扱いした発言を悪気も無く吐いたり

「オレがオレが」と何にでもしゃしゃり出る。

とどめに、内田先生の息子①くんに「おにいちゃん失格だな」などと平気で言う。

息子①くんが泣いていたシーンは今思い出しても胸が痛む。

余程、離婚歴のある年上女とその連れ子が憎たらしいんだろうな。しかし、それなら結婚を反対するなり縁を切るなりすればいいんじゃないか?

きっと作者の内田先生もそう思ったに違いない。

他にトンチンカンな事を言ったり自分が世の中で一番エライと思っていたり、誰も聞きたいと思っていないのに大演説を始めたり、典型的な尊大型アスペルガー症候群だ。

本人に悪気は無いとはいえ、これはさすがに作品内で叩かれても仕方がない。

内田先生も大変だし、一番の被害者は義父の連れ添いである義母だろう。

そしてその息子もやっぱり……

アスペルガー症候群は遺伝すると言う説が有力らしい。

別れる直前の前夫のユーヤさんも義父程は酷くないが、アスペルガー症候群の片鱗を見せている。

内田先生の言葉尻に食って掛かったり、浮気を疑ってみたり、子供みたいな駄々を本気で捏ねたり。

それまでは“良い夫”“良い父親”として描かれていたので、その豹変ぶりに驚いた読者も多い事だろう。

内田先生が我慢していたのか、本人に何か心境の変化があったのかは解らないが、やはりそれもコテンパンに叩かれている。

漫画の中とはいえ、役者がこんなに叩かれれば、その後の役者の仕事にも影響するだろう。

それなのに、漫画に描かれた事は何も言っていない所が不思議だ。

そう思う読者も多い筈だが、実はこれがユーヤさん親子がアスペルガー症候群である事を裏付ける決定的な証拠になってしまっているのだ。

アスペルガーは興味の無いものをスルーする

皆さんお気付きだろうか?

作中にはユーヤさんが内田先生の作品に対して何か意見や感想を述べたりする箇所が全くない。

子供達は結構内田先生の作品を読んでいたり、あまつさえ息子①くんはアシスタントまでやっていたのに。

そういえば、ユーヤさんは「オタクが嫌い」らしい。

オタクと言っても様々なジャンルのオタクが居るが、これは“漫画自体が嫌い”“興味が無い”と言う事ではないのか?と思う。

息子①くんとその友達を“オタク”と呼んで見下しているシーンもある。

アスペルガー症候群は自分の興味の無いものはスルーする。無いものとして脳内から抹殺する。

だとしたら、内田先生の作品を全く読んでいないとしても頷ける。

そうでなかったとしたら、一応会社の社長と言う地位のある義父や役者という立場上体裁を気にしなければならないユーヤさんが黙っている訳がない。

事実だとしても自分達のマイナス面を描かれて叩かれているのだ、名誉棄損で裁判になってもおかしくはない。そして、そうなったら先生が作中で描く筈だし。

それを踏まえての“叩き”なのか?

もしかしたら内田先生はこれに気付いていて、半ば憂さ晴らしとして描いたのかも……?

「言ったって解らない」

「どーせ読まないんだから」と、思う存分作中で叩きまくっていたのかも。

だとしたら、さすが苦労人の内田先生、やはりタダ者では無い。

こうした自身のエッセイを描いて(書いて)居る作者によく見られるが、こうして作品内で厭な事柄や人物を叩くのはたまに行き過ぎている感じがすることもある。職権乱用とか名誉毀損等と言い出す人もいるだろう。だが、正当な理由があれば、読んでいる方もすっきりするのでそれはありだと思う。有名な漫画家に喧嘩を売る方が悪いのだ。

それにしても、失礼を覚悟で言うが、前夫のユーヤさんといい、その前の夫といい、内田先生は何故こんなにも男運が悪いのだろうか?

今度こそ幸せになれるように。と、フアンの一人として願わずにはいられない。

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他のレビュアーの感想・評価

私たちの頭の中はダダ洩れている。

本作を語るにおいて、「内田春菊という人」に触れざるを得ない。「出産・育児エッセイマンガ」というジャンルにおいて、草分けとも言えるであろう本作。今でこそ育児マンガというのはコミックエッセイとして一大カテゴリがあるけれど、その昔、特に女性マンガ家がプライベートをさらすことも少なかった時代(少女マンガ家が実は男だった・・・とかよくありますよね)に、よくぞここまで手の内を、というか身内を丸出しにしたものだと感心する。自身のセックスについてはもとより、子どもたちの実名や夫、夫の家族についても克明に。そして特に不仲の人間については多分に悪辣に描かれている。それはもう、名誉棄損で訴える!とか法律的な生臭い話が頭をかすめるくらい書きなぐってくる。はっきりと言ってしまおう、育児マンガを求めている人間には不快だ。出産・育児マンガであるはずなのに、容赦なく織り込まれてくる「超攻撃姿勢」のおかげで、他のいらん...この感想を読む

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  • 中山今中山今
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