汚い裏切者どもに怒りの鉄槌
己に3つの掟「汚い金しか奪わない」「悪人しか殺さない」「仕事は完璧に美しく行う」を科しそれに準じて完璧な仕事を行う強盗パーカーは、強盗犯罪集団のメランダー一味と共謀しオハイオから150万ドルを盗み出すことに成功。メランダーから次の大きな仕事に誘われるがパーカーはそれを拒否。それにより、メランダー達から手痛い裏切りを受け、銃弾で撃たれた挙句分け前を奪われ逃走されてしまいます。瀕死の重傷を負い、道端に打ち捨てられたパーカーであったが偶然通りかかった農夫に助けられ一命を取り留めます。その後パーカーは自分を裏切り、パーカー自身が定める3つの掟から逸脱した悪人どもに復讐するべく、行動を開始するというクライムアクション。爆発やカーチェイスといった派手な演出は無いものの、己の肉体を使ったタフな格闘戦、特にメランダ側から送られたプロの殺し屋と、パーカーとの血にまみれた格闘戦は手に汗握る臨場感と緊迫感がありました。ただ、冒頭でのメランダー一味と車内でのもみ合いで車から路上に投げ出されたパーカーと、この殺し屋とのホテルでの格闘戦はやたらとパーカーの頭やら顔やらに血がビチャビチャ付いていて、血糊の量がやたら多くないかとも思いましたがおそらくそれは格闘戦での臨場感を底上げする演出なのだろうと思いました。物語中盤ようやくメランダー達の隠れ家を突き止め、夜メランダー達がピザを買いに行った隙をついて、アジトに忍び込み、隠れ家内に保管されていたほとんどの銃の撃鉄を壊す細工を仕掛けます。これが映画ラストでのメランダー達とのバトルに重要な影響を与える伏線になります。パーカーの類い稀な知略と、抜け目なさ先を見通す能力が際立っていますね。終盤のメランダーアジトでの決戦において、鮮やかな手口と強靭な身体能力そして前述の細工により敵の銃が作動せずメランダー一味の4人は、パーカー一人に潰されます。細工によって、敵の銃が無力化され完全にステイサム無双状態。ある意味お約束のようなものですがやはり胸がスカッとします。怒りの鉄槌を下したパーカーは、メランダー達が最後に強奪してきた宝石類を取り上げ、自分の本来の分け前だった金を回収し残りの大金を自分を助けてくれた農夫と、夫と離婚しその元夫の借金を肩代わりしながら、高級リゾート地の住宅紹介の仕事を苦しみながらもがきながらも懸命に生きるレスリーに対しての恩返しと、彼女の再起を与えるきっかけをメランダ一味への復讐という仕事の分け前として残りの大金を彼女に送った。金や利益だけでない、自分の中の掟と流儀を貫く男らしい生きざまを描いた作品に思います。
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