文明開化の妖怪ファンタジー
大正ロマンの時代背景に妖怪と人間が共存するファンタジーラブコメ。
星野リリィ先生ならではの、細かでやわらかな画風、大正レトロな装飾や着物もオシャレで女子心をくすぐります。
表紙やカラーページの色彩の鮮やかさ、描き込み具合は額縁に入れたくなるくらい綺麗です。
実際わたしも作中でヒロインが金平糖やラムネ、水あめなどの懐かしい駄菓子系を食べているのを見て影響受けて駄菓子を買いに走りに行ったり。笑
設定は、大正時代ものでヒロインの恋の相手が金髪の陸軍少尉とあって、大和和紀のはいからさんが通るを連想させます。途中、木から落ちてお姫様抱っこで受け止める…という名シーンのオマージュらしきものも。笑
でも、決して俗に言うパクリではなく、星野リリィ先生自体がはいからさんが通る好きなのかな…と感じる程度。
はいからさんが通るそのものを私も大好きなので、通ずるものがこの作品にあって、逆に楽しめます。
この作品の良いところは、キャラクターひとりひとりの個性が悪どくない程度に個性的なこと。
お転婆娘系、おっとり清純女子系、天然お嬢様双子…男性キャラは、金髪の王子様系、坊主頭の硬派男子系、背伸び傲慢少年系と、必ず読者の好きなタイプがいるはず!
ラブストーリーとしても爽やかで、昔の男女の関係で描かれているので、昨今のすぐにくっついてチューだのエッチだのに流れちゃう少女マンガと違って、ある意味安心して読める恋愛コメディです。
その一方で、妖怪バトルでは血潮が迸るというギャップも。
でも、そこが星野リリィの華奢なヒロインにミステリアスな妖しさを加えて、よりキャラクターが活きていると思います。
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