ひぐらしの森のあらすじ・作品解説
ひぐらしの森は、内田善美が集英社「ぶーけ」コミックスに１９７９年８月号に掲載した作品である。リボンコマスコットコミックスより単行本一巻刊行。 主人公萩志生野（はぎ・しおの）と星瀬沙羅（ほしがせ・さら）の真逆の性格で好意を抱いても上手く伝えられないもどかしい女子高生の物語である。 主人公萩志生野はクラス委員。正直で真直ぐな性格である。相対して星瀬沙羅は華やかで学校でも目立つグループに属しその美しい容貌は一際目立っていた。 沙羅は裕福だが幼少の頃母を亡くし、父はあまり家に帰らない環境の中育っている。他人をうまく受け入れられず思いのまま棘のある行動をとる沙羅を受け入れられず志生野は傷つき葛藤する。互いに好意を抱いてもうまく伝えられない不器用な様と、詩を静かに読み上げていくような作風が読者を作品の中に引きずり込み、穏やかで優美な西欧的な世界観が少女達を虜にした少女向けの漫画である。思春期の少女達の心の屈折と四季を描いた森の風景が魅力の作品である。
