キサラギの感想一覧
映画「キサラギ」についての感想が9件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
何度も観れる舞台
箱舞台ビルの一室に集まった如月ミキのファンである5人の男たちが織りなす物語で、事件の証言ビュー以外はそのビルだけが映されていくワンスチュエーションものである。ワンスチュエーションものでも、カットを積み重ねていくタイプもある中で、本作は積み重ねていくというより、ビルの一室という舞台を様々な角度で描写するタイプで、映画というより舞台をみせられている感覚であった。特にそういう印象を引き立てたのはセリフ量であった。映像でみせていくのが映画的であると考えるならば、このセリフで紡いでいく手法は舞台的といえる。逆に生の舞台でこの5人の掛け合いを観てみたいものだ。それだけにこの5人の掛け合いは面白かった。こういったセリフがものをいうみせ方をする場合、役者の力量不足では単なる三文芝居になりかねない。しかし、本作はたまに芝居が極端すぎる粗も含めて、5人ぞれぞれの役割をパワフルに発揮し、成功を収めたから、面...この感想を読む
引き込まれるように観てしまう作品
簡単に言うとアイドル「如月ミキ」が亡くなり、その一周忌にファン5人が集まって彼女について語るだけ。なんだけど、サイトでしか交流のなかった5人が語っているうちに彼らの私的なことが出てきてお互いが「如月ミキを殺したのではないか?」と疑い始めるというお話。1室に男5人、それも暗い密室のようなところでアイドルについて語っている姿は正直異様です。みんな喪服だし、部屋は暗いし…腹の探り合いをしている姿もなかなか面白いです。ユースケ・サンタマリアさんや香川照之さんが出ていたので気になり映画を観たんですが、思っている以上に引き込まれてしまいました。
思ってた以上に引き込まれました☆
先に“大洗にも星は振るなり”を拝見して、舞台劇が映画になったようなものもとても面白いんだなぁ。と感じたので、こちらも拝見してみました☆“キサラギ”も、基本的に5人の登場人物が密室の中で、何故アイドルが死んでしまったのか!?とう事について、色んな説を出し合っていく。。というストーリー展開!大洗と似ていましたが、役者陣やシナリオも全く違うので、また違う形で楽しめました☆個人的には香川照之さんの演技が本当に素晴らしかったと思います☆ 掛け合いの中には笑えるポイントがいくつも交えてあり、一気に拝見することができました☆しいて言うなら、如月ミキは最後まで顔出し無しでよかったかも。。と思いました。幻想のままであって欲しかった。
基本的に5人だけで映画は進む
自殺と思われていたアイドルが何故死んだのかと、一周忌にファン達が謎解きしていくうちに、真実が見えてきて、アイドルは、ファンを大事にするあまり死んでしまったことを知る。自殺ではなく事故だったはず。面白く軽いミステリーで、暇つぶしにちょうど良い映画だと思います。お勧めです。出演している俳優さん達は演技が上手なので、これだけ面白いのかなぁと思ったり。特に、ユースケ・サンタマリアさんの役が面白かったです。やっぱ演技うまいなぁと思いました。ドランクドランの塚地さんはアイドルファンに居そうだなぁと思い、適役かなと思いました。面白かったです。
ワンシチュエーション映画の名作
なんと言っても、脚本を手がけている古沢良太の才能を感じさせる作品。同じワンシチュエーション映画と言える三谷幸喜の『笑の大学』に近い感じである。こちらは場所がちょっと移動してしまうが、基本的に同じ場所でやり取りが展開され、そこから登場人物たちの掛け合いから面白さが生まれる。本作も同じ場所が中心となって、それぞれ登場するキャラクターたちの回想で場所が移動するが、基本は同じ場所というのが特徴となる。ベースとしてはサスペンスだが、登場人物たちのコミカルな掛け合いや設定、テンポのいい構成によって気がついたら最後まで楽しく鑑賞している作品だと言える。例え、同じ場所であっても、脚本や演じる俳優の技量によって作品が面白くなる。それを見せつけてくれている非常に水準の高い構成や展開は邦画のトップレベルだと思います。
役者たちのキャラクターが光る
基本的に舞台をそのまま映画にしたような密室映画はあまり好きではない。舞台には舞台のよさがあるが、そのまま映画にしてはその良さが活かされないからだ。だからあまり期待はしていなかったが、次々に受賞していく本作に興味を持って鑑賞した。文句なく面白かった。大きな場面転換もない映画だからこそ、キャラや役者陣の演技力が試されるが、それぞれの力が存分に発揮されていた。特にアイドル的な役者だと、何を演じても同じと評されることも多いけれど、この映画の中ではみんなが「如月ミキを愛するオタク」だった。そしてスピード感のあるストーリーと、思わず嬉しくなってしまう程の小ネタ。様々な要素のバランスがいい。
アナログな仕上がり
情報徐々だしで、作り出されるストーリー。そして、マイナーアイドル「如月ミキ」の死の真相。一室の部屋で繰り広げられる討論型コメディー作品だ。おそらく10畳くらいの部屋に如月ミキのファン、男5人が彼女の一周忌に集まる。カメラのアングルと役者の動きだけが映像に変化をもたらす。あとは、会話のみだ。部屋でのシーンはCGもなければ、効果音などもほとんどない。(回想シーンにはある)しかも、男たちは喪服を着ているので、色合いも少ない。アナログな作品になっている。軽快でポンポンとリズム感のある会話に最初は楽しめる。如月ミキの事件の真相を話し合う場面あたりで少々飽き始める。映画館なら大画面に集中するしかないので見ごたえがあるだろうが、家庭で鑑賞するには、うーんという作品だ。1時間後には携帯をいじり、ゲームをしながらの鑑賞になるかもしれない。
イチオシの密室劇
いわゆる密室劇というタイプの映画で、舞台は如月ミキの一周忌会場からほとんど移動しません。それでもまったく飽きさせないのは、やはり5人の役者さんの演技の素晴らしさでしょう。会話のテンポが良く、展開もスピーディーで、本当にあっという間に感じました。ところどころに散りばめられている小ネタにも注目です。思わずニヤリとしてしまいますよ。私はまだ1回しか観ていませんが、もう1回観たら1回目には気づけなかった小ネタを発見できるかもしれません。機会があったらまた観たいですね。同じ密室劇で「12人の優しい日本人」という三谷幸喜さんの作品があるんですが「キサラギ」を面白いと思った方には、こちらもオススメです!
練りこまれた脚本!スピーディーな展開であっという間の上演時間
自殺したマイナーアイドルである「如月ミキ」の一周忌を気に、 ファンサイトを通じて集まった5人の男たちの物語。基本、5人が1部屋のシーンのみで進んでいくので演技がイマイチだとつまらないものになりますが、小栗旬さん、香川照之さん、ユースケ・サンタマリアさん、小出恵介さん、塚地武雅さんの5人がそれぞれ特徴のあるキャラクターを上手く演じていて演技力の高さを感じます。特に香川照之さんの演技は一見の価値ありです。面白すぎです!どれだけ「如月ミキ」に近い存在かという事が、5人の中の権力争いの覇権を握るのですが、スピーディーにその覇権が入れ替わり、あっという間の108分。脚本が「リーガル・ハイ」や「相棒」などでも人気の高い古沢良太さんだけあって、練りこまれている展開に自信を持っておススメできる一本です。