es [エス]の感想一覧
映画「es [エス]」についての感想が4件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
人体実験の恐ろしさ
esはスタンフォード監獄実験の実話を元にして作られた映画だと聞き大変興味を持ったのですが、グロ怖いと聞き一人で見るのは怖かったので友人と3人で見てみました。最初のうちは、看守役も囚人役も実験だから…とふざけていたのに対し、「この実験は看守側にかかっている、もっと注意しないとそれでは甘い」といった実験主催者の言葉に役を全うするだけ、これは実験だから役になりきって行動しなければ!と考えていたのに対して日が経つにつれあいつらがむかつく、なめられてたまるか。仕返ししようなど、みんなが役に飲み込まれていく…人間の心理は恐ろしいものだと感じました。映画なので多少話が盛られている部分があるとは思いますが実話を元にしたというところが一層恐さが増します。主人公の優しさと行動力は見ていてスカッとします。怖いと聞いていたので、いきなりビックリするようなシーンでもあるのかと思っていたのですが、特にそういったシー...この感想を読む
実際に行われた。
実際に行われた実験を再現、映画化したもの。ホラーなのか、ドキュメンタリーなのか、サスペンスなのか。実験のために高額で被験者を募る。被験者を囚人と看守にわけ、ロールプレイさせる。囚人はより、囚人らしく、看守はより看守らしく、どんどん人格が変化し、行動にも出てくる。立場・肩書き・権限が、いかに人間の心理状態・行動に関わってくるかがわかる。実際の実験は、途中で終わり、看守役はもっと実験を続けたいと言っていたらしい。状況に流される、人間の心理ってすごく怖いな、と思う。治験バイトって日本にもあるけど、未だにこういうのって行われているのかな。
人間とはここまで残酷になれるのか
あまりに凄惨な結果になってしまったため、心理学史上、禁断の実験となってしまった『監獄実験』という実際の実験を映画化した作品です。学生時代、心理学を学んでいたので『監獄実験』の内容も、結果も知っていたので、映画の演出上脚色され、強調されている部分が、実際に似たような行動を人間が実際に取ったのかと思うと、自分のことが怖くなりました。実験としては、報酬と引き換えに集めた人々を無作為に『囚人役』と『看守役』に分類し、囚人は囚人のように番号で呼び、看守には囚人を罰する権限を与えるというものです。その結果、囚人役の人は卑屈になると同時に復讐芯を持ち、看守役の人は傲慢で、残虐になっていきます。立場・肩書というものが、普通の人間を狂気に駆り立てる……それは、戦争にもつながるものがあり、本当に怖い話です。メンタル的に弱っている時は、観ないことをお勧めします。個人的には、『監獄実験』の細かい手続きを学んで...この感想を読む
精神崩壊、恐怖実験の真実。
この作品は、スタンフォード監獄実験をモデルにした実在のストーリーである。ある日、新聞の広告を見て集まった人々。彼らは2週間の人体実験参加と引き換えに、高額の収入を得る事を約束されていた。その人体実験とは、無差別に与えられた役職「看守役」「囚人役」を2週間全うする事。それは、あくまで擬似的な役職に過ぎなかったのだが、僅かなトラブルが火種となり、やがて双方は、ついに死者をも巻き込んだ大暴動へと発展するのである。目を覆いたくなるような、残虐きわまりない言動、異常な迄の執拗性。観てるこちら側までもが精神をやられてしまうかのような、惨劇。この作品は怒りを押し殺してみる事は、決して容易ではない。