平成狸合戦ぽんぽこの感想一覧
映画「平成狸合戦ぽんぽこ」についての感想が12件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
緑葉を食い尽くす芋虫が人間なんだとお叱りを受ける映画サルカニ合戦
高畑勲監督の魅力宮崎駿監督とは違い、物語の本筋を初めから示してくれています。言うなれば高畑勲監督は一人称での進め方で、宮崎駿監督は三人称の描き方だと私は思います。今回の主役は狸であって、自然破壊を進め自分たちの世界を広げようとする人間と敵対する映画です。しかし、人間界のリサーチをしつつ、ハンバーガーを美味い美味いと頬張ったり、人間を滅すると意気込んでいたものの、人間がいなくなった世界の不便さにも憂いを馳せたり、狸らしからぬ人間のような気持ちが描かれていて、作中数人の死者が出ている映画なのに、どこか安心して観れる映画になっています。環境保護や自然との共存は宮崎駿監督もナウシカやもののけ姫で描いています。しかし、宮崎駿監督が作品を手がけると、観る側も若干の覚悟のようなものを持たなければいけないようなきもちになります。作品の流れとしては、悲惨な出来事が人間側で起こって、それは何故か原因を追求...この感想を読む
たぬきは可愛いけれど
何だろう、地味だなぁ…初めて観た時に思いました。それなりに、たぬき達は可愛いような気はするんですが…特に印象に残ることもなく、もう一度観たいと思うこともないまま、今に至ります。他のジブリの作品に比べて何か地味で、パワー不足な気がします。書いているうちに、茶色の率が高いからだと気がつきました。でもたぬきだから仕方ないし、しょうがない。一度観ただけなので、たぬき達は可愛いぐらいしか印象に残っていません。もう観ることはないかなぁと思います。自分の中でこんなに他のジブリ作品と差のあるものになってるとは、レビュー書くまで気づいていませんでした。
ドキュメンタリーを見たような感覚
ナレーションでその時その時の状況が分かり易くなっています。狸が化けることを、まさかぁと思いつつも、いや…あり得る…? とも思わせるのが面白いです。人間と狸の飽くなき抗争を描いている作品ですが、人間にしてみれば特別狸と戦おうと思って戦ってるわけではないんですよね。様々な動物が絶滅していったりするのも、人間には不本意で、本当なら絶滅なんてさせたくないから保護という形で努めることをしたりもしています。が、それと狸が自分の里を追われてしまうこととは別の話で、人間の無意識なエゴを再認識させられました。…とはいえもちろんユーモアも満載の本作。某3人の爺様が諸々乗り継いでやってくる、その派手さがたまらない。他でもないジブリがこのテーマで作って観せてくれることに物凄い意味を感じた、そんな映画です。
たぬきの奮闘
いままでたぬきがすんでいた山を開発してマンションをたてようとする人間。開発をやめさせ、人間をおいだそうとするたぬき。たぬきが一方的に対抗心剥き出してる感じが滑稽。たぬきは本気で戦っているから、もちろん、仲間が死んだりもする。しでの旅にでるところがめっちゃ切ない。動物は人知れず戦い苦しむんだなあ、と。最後、カメラに向かって、語りかけてくるたぬき。ギャグなのか本気なのか。わからんけど考えるきっかけにはなると思う。音楽がとてもよい。エンディングの曲はめっちゃかっこいいし、歌詞もすばらししい。ベースがきいててノリもよいのでぜひ聞いてみてください。
見る時によって受け取り方が変わる
大人になると、うんうんと素直に見ることができるけれど、やはり少し説教臭さが気になる。幼児くらいであれば純粋に狸のかわいさを見ることができ、大人であれば伝えようとするメッセージを素直に受け止めることもできるけれど、思春期だと説教臭さにつまらない、となってしまわないだろうか。伝えたいことは分かるけれど、伝わらなければ意味がない。そうは言っても、本当は狸が人間のように生活しているのかもと考えることは素直に楽しい。街を歩いていても、もしかしたら尻尾が出ている人がいるかもしれない、などと考えると通勤電車も少しだけ楽しくならないだろうか。ゴミを捨てることをためらうようにならないだろうか。結局、伝えたいことは十分伝わった。
考えさせられます。
たぬき達が本当にこんな生活してたらとっても楽しそうだな~!と前半はとても楽しく見られます☆よく、たぬきやきつねは化けると言われますが、とっても楽しそうに化け学を学んでいたり、化け学を活かして遊んでいたり!とっても可愛いです♪しかしながら、人間が豊かな暮らしを望むばかり、森林を伐採し、自然の生き物が生きづらい環境を作ってしまっています。邪魔ものは排除する。とばかりに、たぬきを捕まえて殺したり、また、今までは森だったところを切り裂いて道路にした為に事故に、動物達が事故にあってしまったり。動物達も必死に生きている。という事を忘れてはいけないと思います。人間と動物が仲良く共存して暮らしていける世の中になるといいなぁと、とても考えさせられました。
視点一つで評価が大きく変わる作品
ジブリという会社にどのような映画作品を求めるかによって、この作品の評価は大きく変わってくるでしょう。特にこの作品へエンターテイメント性を求める時、狸達の变化や百鬼夜行のようなお祭り騒ぎはとても楽しめる一方、随所随所で語られる自然破壊に関する台詞が、どうしても胡散臭く聞こえてしまいます。考えるべき問題ではあるんですが、そこで言うべきことなのか、そもそも狸が語る言葉なのか、疑問視してしまう点が目立ちます。もののけ姫のように、その世界観に溶け込んだ上で発する言葉なら深みがありますが、狸達が語るには、(この世界観の)彼らも独自の文化を持っちゃっていますし、人間の次には自分達が偉い、とか思ってそうな中で、自然が云々というのも、なんだか首を傾けたくなります。少しばかり説教臭さが目立ちますが、それを差し引けば及第点かな、と思えます。
親子で見て考える作品
スタジオジブリ作品の中で珍しく社会風刺のような内容がストレートに描かれている作品のように感じます。子供の頃は「タヌキかわいいな」ぐらいの気持ちで見ていましたが、大人になって見直してみると山を切り開き開発を進めていく人間と自然を奪われて住む場所を失っていくタヌキとの戦いなんだと感慨深く見ることができました。実際、人間が住みやすいように開発を進めるために住む場所を失っている動物がいるし、よく「街でクマが出没」というのも今まで住んでいたところに人間が入ってきたから起こるという話も聞きました。絵がかわいいので子供も見やすいので、親子で見たい作品の1つです。
子供の頃に何度もみた作品です
他のジブリ作品や映画でもビデオで録画する程度だった両親が、珍しく購入してくれた作品でしたそれゆえ子供のころに何度も見た作品です基本的にはコミカルな作品なんですが、人間たちに追いやられていくタヌキたちの悲哀と頑張りをテーマにした作品で見ているとなんだかタヌキたちに申し訳なくなってしまうものです特に人間を見返すためにタヌキたちが百鬼夜行を起こして人間たちを怖がらせるシーンがあるのですが、心無い人間がそれすらも自らの手柄であるかのように横取りしてしまう展開が非常に物悲しく感じられてしまいますそれでも最後は笑って終わらせてくれるので、子供の教養としては最高の部類に入る作品でありましょう
たぬきの生態
たぬきの性分は、だらだら、お気楽というふうに描かれている。それゆえの一喜一憂がとても滑稽で面白い。高畑勲の作品はどこか説教くさいと思う。四国の山はたぬきがまもっているから開発が進んでいない、というブラックユーモア。ただ単に田舎なだけなのに、たぬきのおかげだと信じている。また、食べ物のために人間を残しておきたいという意見や、妖怪になって驚かせば人間が出て行くと思うあたりもとても面白い。妖怪大作戦のシーンはよくみていると、魔女の宅急便のキキや紅の豚の飛行機、トトロなどが一緒になって飛んでいる。細かい見所がたくさんある作品であると言える。
小学4年生の時の父との思い出のアニメ
幼少期に見た宮崎さんの映画で自然をもっと大切にしなければと思わせる映画でした。たぬきが大好きになったのもこの映画の影響といっては過言ではないです。たぬきが食べ物を取るために命懸けで人間のフリをして里を離れ死んでゆくものもいて、自然が人間のせいでどんどん破壊されて、どうにか阻止しようと立ち向かう動物側の気持ちが全面に出ていて大人になってみても感動や考え方が変わった作品でした。たぬきの歌も小さいときの私にはとっても面白くてすぐに覚えて良く口ずさんでました。たぬきが人間になるための特訓とか考えられないことだらけで小さい頃の私はたぬきは本当に化けれるんじゃないかなと思わせてくれるようなそんな思いをさせてくれたさくひんです。
多摩ニュータウン
ジブリにしては珍しく、社会風刺・問題提起とも受け取れるような表現が色濃く出ているこの作品。その内容は高畑勲監督らしくもあると思います。ストーリーは、多摩の自然で暮らしていた狸たちの土地に人間が自分達の都合で多摩ニュータウン開発を始め、抵抗するためにタヌキ達が試行錯誤していくといった内容です。狸側の視点で描かれており、人間は敵です。子供の頃初めて見たときはよく意味が分からず、大人になって見た今もあまりピンとこなかったというのが正直なところです。同じように今の子供が見ても面白いと思えるかは微妙なところだと思います。大人にしても、舞台である時代を知っている団塊の世代以上の年齢の方には楽しめる人も多いのかもしれません。