紅の豚の感想一覧
映画「紅の豚」についての感想が13件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
あらゆる意味での積み重ねに思いを馳せる
アニメへの子供の期待初めてみたのは、小中学生くらいの時で、映画館で上映が封切になったばかりの時でした。母と親戚のお姉さん(おそらく20代後半くらい)と行ったのですが、彼女たちの感想があまりピンときませんでした。何を言っているのかわかりませんでした。そして、何を言っていたのかも思い出せません。ただ、好評だったということが印象に残っています。私は、正直つまりませんでした。でも、ジブリ作品を観たぞ、という満足感だけがありました。ジブリの映画は面白くて深みがあって何かしら良いものに違いないのだ、と何となく思っていました。アニメだ、というのも子供にとってはポイントが高かったように思います。その実、つまらなかったのですが。よくわからなかった、豚の人間が気持ち悪かった、飛行機のロマンを知らなかった、ジャズが暗かった、戦争が怖かった、意味が分からなかった。そんな風につまりませんでした。解らなかったのだと...この感想を読む
飛ばねぇ豚はただの豚だ
呪い?魔法?で豚になった中年パイロットの活躍を描いた物語。ちょっと大人向けですよね。主人公が豚のおじさんてとこからして子供の頃は全然興味持てなくてちゃんと見たことなかったなぁ。。。ジブリ作品の中でもこの紅の豚は男性に支持されている感じですよね。豚だけど二枚目。キザなセリフがなんでか似合っちゃうのはやっぱり声がステキだからでしょうか?森山周一郎さん。もう完璧!声の渋さ、その存在感!!さすがはプロの声優さん!見た目が豚でも生き方や振る舞いによってこんなにも男前になれるんだなーと。最後の決闘のシーンがなんとなく好きになれないのでそこだけ残念です。。。
ローストポークになっちゃえ
空を飛ぶ豚の話。なんで豚になったんだっけ。音楽がいい。加藤登紀子の、時には昔の話を は名曲。大人が貧しかった青春時代を思い返している歌。音楽そのものが映画や小説のようだ。久石譲の音楽もいいけど、わたしはこの曲が一番、映画のなかでよかったな、とおもう。CDをかいたい。全体をとおして飛行シーンはとてもかっこいい。この映画をきっかけに古い飛行機オタクになってしまった。それぐらい衝撃的で、印象的で、すばらしい映画。強くたくましい女性の姿を見ていても元気が出てくる。活気づくには女が必要なのだなあ、と思った。ああいう活気ある工場で働きたい。
昔と今で見え方の違うアニメ
子供の頃は、豚だよwww豚がしゃべってるよwwwくらいにしか思わなかった作品。それが大人になって改めて見て、今ではこの作品の深さの虜ですね。これまでジブリを見てきて、キャラクターで外れな事はそうそう無いと思いますが、紅の豚でも皆魅力的だったので★5ストーリーが良いのは言うまでもありませんが、この作品の良さは言葉、時代背景にもあると思います。マルコがカーチスに打ち落とされ行方不明になった際、ジーナが探しに行こうとした直後、マルコから電話があり、そこでの一幕。ジーナが凄い心配してたのに、マルコはアメリカ野郎が店に来たら宜しく言って置いてくれ、とジーナが心配していたことなんてお構いなしな態度。そんな亭主関白?な態度が、時代背景を物語っているな、と思い、これこそ後世に残すべき一作だと思った瞬間でしたね。また、そのシーンでの最後。「今にローストポークになっちゃうから・・・私嫌よ そんなお葬式」とい...この感想を読む
素敵な豚
紅と言うだけあって、赤い色がいっぱい出てくるイメージがあります。「飛行機かっこええなぁ」と子供たちは言います。最後、豚から人間に戻れたのかだけが気になります。全体的に、男子が好きそうな作品だと思います。私よりも、主人の方が好きですし、子供たちも(二人とも男の子です)飛行機にキャッキャッ(σ≧▽≦)σして楽しそうに観てます。スパゲッティがすごく美味しそうで、子供たちも観るたび「食べたいなぁ」と言います。飛んでいる時の気持ち良さそうな風と青い空と海と全てがええなぁって感じです。殴りあいのシーンはとてつもなく男臭いです。
大人のための上質なアニメ
大人のためのアニメってこういう作品を言うんだと思います。ちょいワル親父のマルコや艶っぽいマダム・ジーナの関係を見ていると、本当にひしひしと伝わってきます。自分だけでなく相手のことを労わっていて、少し距離を置いている関係。子供だったらもどかしくて、何で飛び込まないんだろうと思ってしまうけれど、それが大人流の相手のことを考えているということなんだろうな。そんな大人っぽいアニメなのに、マルコの機体に届けられたエンジンは「Ghibli 」製だったりと、遊び心までセンスを感じてしまうところが魅力。隠れ家のようなマルコの基地や生き方は、憧れてしまいます。大人のためのアニメに、大人のためのおもちゃが溢れている作品。
大人が観る映画
子どもの時に一回観ましたが、その時は何のこっちゃあまりわからず、 大人になってからもう一回観返した時に、号泣しました。 宮崎アニメは、みんながあたたかくて、悪者も憎めなくて、でもずるくて、本当によく人間の心理がわかっているな~と思うのですが、今回は豚だったので、ちょっと心理がわからないところはありましたが(笑) 最後、マルコとジーナがどうなったのか、マルコが人間に戻ってジーナとの恋が実ったのかわかりませんでしたが、二人はきっと幸せになったのだろうなあと思います。 特に、最後の加藤登紀子さんの「時には昔の話を」は、すごくすごく心に沁みて、物語のための歌だとは思うのですが、「あの日のすべてが空しいものだと、それは誰にも言えない」のところで、本当に泣けてきて、色々思い出しました。 この映画は、自分自身の過去を見つめなおし、それを浄化していくというか良い思い出にしていくための映画なのかなあと思い...この感想を読む
主人公が豚?
まさしくこの作品を見たときには、主人公が豚?という印象でした。でも子供心には、この人は豚だけど、もとは人間なのかな?とか思ってました。子供の時の私の印象で言えば、豚なのに綺麗な人にこいうをして、ライバルと戦って、かっこいい豚サンとか思ってました。紅の豚の歌も私はかなり印象がありました。あとブタさんが飛行機にのってるとか、なんだか考え得られないと思うような、印象でした。最初のタイトルはどうゆう意味だろうとか思いながら、見てました。戦争の話なのかな?とかそれとも何かあってこの人は魔法か薬かで、豚に変えられた人の話かなっと思いながら見てました。子供の時のジブリシリーズの思い出です。
豚がカッコよく見えてくる
あまり地上波放送されたりしないのが悔しい。ここまでかっこいい豚はこの世にないだろうというぐらいかっこいい。ジーナの色気に憧れる。真っ赤な飛行艇はとても印象的で、しかもかっこいい。憎めない感じの悪者は出てくるけど、本気の悪者が出てこないのがいい。空賊が、子供を連れ去って、子供の世話を焼くシーンがすき。ジブリの悪者って、形はどうあれ、完全に悪じゃない、というか、憎めない感じがして、とてもいい。飛行艇や飛行シーン、豪快な男たち、気の強い、しゃんとした女たち。宮崎駿作品の魅力がぎゅっとつまった作品。さくらんぼの実るころは名曲。この曲を起用したセンス。
大冒険の後日談って、きっと皆こんな感じ。
この作品の世界観において、主人公が最も活躍しドラマとして輝いていたのは、きっと豚へと変化してしまう直前であると思います。その中でこの作品自体が描く時間軸というのは、きっと一般的な冒険活劇で言う「後日談」に当たるもので、全ての行動・言葉に悲哀感が漂うのは、最も輝いていたのが「今この瞬間」ではなく、全てが過去のもの、だからなのでしょう。季節としてみれば、春や夏のように全てが輝き放つ時期ではなく、秋から冬へ暮れていく黄金の時期。全ての果実が熟し芳醇な匂いが立ち込めますが、その先、冬の季節には何も残りません。だからこそ輝き、だからこそ尊く、この作品には味わいがあるのでしょう。
すべてがかっこいいです!
戦後のイタリアを舞台にした飛行艇乗り達のアニメ。硬派で紳士な態度、飛行艇への愛情、マルコの生きざまがとにかくかっこいいです!森山周一郎さんの渋い声がハマりすぎ。飛行艇や銃の描写など、宮崎駿監督のこだわりがあちこちに感じられる素晴らしい作品です。また、他の登場人物も魅力的です。かっこいいのにどこか抜けているカーチス、素直で憎めない空賊たち、ホテル・アドリアーナの女主人ジーナなど・・・子供の頃見たときにはあまり感想がなかったのですが、大人になって改めて見ると登場人物たちの台詞がとても心に染みます。大人にこそ、ぜひ観てもらいたい名作だと思います!
飛ばねぇ豚は、ただの豚だ!
実はこの映画は大人になってから拝見しました。というのも、子供の時は予告編を見てなんともあのジーナの艶っぽさや、音楽の大人っぽさから見たいという気持ちになれなかったので。拝見してみると、まさに“大人の男のロマン”がたくさん詰め込まれてて、マルコが住んでいる入り江のアジトなんて、ちょっとした隠れ家的な貸切ビーチだし、飛行機、車、男性が好きなものがたくさん出てきます! 飛行機での一騎打ちや、男達の殴り合い!カッコよすぎした☆ ただ、マルコが豚になってしまった真相や、マルコとジーナのくっつきそうなのにくっつかない距離感には、実は過去の悲しいエピソードがあたり・・と、切ない男心も描かれている 大人が楽しめるアニメになっています♪
大人の娯楽を味わう、渋い豚オヤジ話。
『魔女宅』の次はなにかと思ったら豚だった!渋い声音の豚が真っ赤な飛行艇でぐいぐい空をかっ飛ばす姿が最高にカッコいいです。森山周一郎さんの声がほんと〜にシビれちゃいますねぇ〜(フランス版ではジャン・レノがポルコをやってるんですってよ!)マダム・ジーナの加藤登紀子も、ちょっと茶目っ気のあるジーナをよく演じていると思います。空賊のおっちゃん達がわちゃわちゃする、宮崎アニメのおなじみ乱闘シーンも楽しいです。登場人物の年齢層がなにげに幅広いアニメですよね。他の作品のような教条的な部分は少なく、「大人の娯楽」をたっぷり愉しませてくれる、いい作品だと思います。宮崎作品の中では自分にとってナンバーワンです。