月とサンダルの評価
月とサンダルについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に漫画を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
月とサンダルの感想
淡々と食べたり笑ったりする、よしながふみのデビュー作
よしながふみの商業デビュー作品です。フツーの高校生・小林は世界史の先生・井田に好意を持ちますが、彼には同棲する仲の恋人・橋爪がいます。成さぬ恋、井田をあきらめた後に紆余曲折の末結ばれる鳴海東洋との恋、井田と橋爪の関係…いくつもの恋を、作者はかぎりなくやさしく、見守り続けるように描いています。よしながふみといえば目下「うまいもんを語らせたらページがつきない」漫画家となっていますが、この話にすでにその片鱗が伺えます。井田の恋人・橋爪の職業は板前、小林の趣味は料理で、井田に夕食を作ってあげたり、自分と東洋の弁当を作ってしまったりしています。ホンワカムードはさることながら、登場人物たちの悩みは現実的なことばかりで、一読よしながふみの「ぶれなさ」を実感する、ヤるだけじゃないBLの骨子がしっかりしたお話です。