若さと無知は無敵「女帝」になるための復習劇
復習を決心
「女帝」は銀座でホステスをして這い上がっていく、1人の女性をえがいたお話です。熊本で暮らしていた身寄りの無い女子高生が母の死をきっかけに大阪に行き、女帝になるために必死で努力をしお店のナンバー1になります。その後、銀座に拠点を移し女帝に登りつめて行きます。ここまで女子高生を「女帝になる」と思わせたきっかけは、復習心です。
恨み、妬みで殺人までも起きる世の中で、その怒りや込み上げる感情を自分自身のベースアップへと矛先を向けることは本当に素晴らしいです。近年の若者は闘争心やプライドという感情から遠のいている傾向でありここまで目的を明確に持ち、自分の体までも犠牲にできる根性には圧倒されます。そこまで本気で何かにのめり込み目的に向って走り続けることができるなんて羨ましいとさえ感じさせられます。
若さと無知は無敵
これは女子高生、ティンネイジャーだからこそ成し告げられたことでしょう。というのも、人間は年齢を重ねれば重ねる程、腰が重くなり、スタートさせる前から諦めてしまう傾向があります。もしも、主人公である「綾香」が女子高生のときでなく、26歳になってから母がなくなり、自分と母をすてた父親の存在がわかったのであればここまでのストーリーが出来上がっていたでしょうか。
また、若さ以外に大切なことは無知であるということです。社会人になると学生のときに抱いていた想いも現実を目の当たりにして夢を諦める若者を大勢います。社会に揉まれ潰され、自分の無力さや挫折を味わったことのある大人はたくさんいるでしょう。しかし、女子高生という社会も現実も何も知らないときの綾香だからこそ、復習と目的に向って走り出すことができたのです。
若さと無知なことは人間を無敵にし、恐れや不安を消し去ることができます。というよりも、無知なことにより恐れや不安という感情はそもそも無いに等しいとも考えられます。
「弱いからこそ逃げ癖をつけない」
大阪に出た頃の綾香はまだ挫折も知らず絶好調に走り続けていました。周囲からすると「綾香は強い」「逃げない」という印象が強く、関心さえされることもあります。しかし、綾香は自分はとても弱い人間、だからこそ1度逃げると逃げ癖がついてしまうので絶対に逃げてはいけないと発言します。これはとても心に響くシーンです。
社会人、学生に関わらず、嫌なことから逃げたい、好きなことだけしたい、嫌いな人とは絡みたくない、などと自分を甘やかすことは多々あります。しかし、綾香は復習のためならと意気込んでおり絶対に逃げずにがんばります。目的やきっかけはどうであれ、何をするにもこの「弱いからこそ逃げ癖をつけない」ということは心を打たれます。
辞めたいとか逃げたいとかおもうことは誰でもあります。人間は弱い生き物なのでメンタルが折れてしまうことだってあります。その弱いということを自分で理解しているからこそ、強くなるために弱い部分に立ち向かうということが大切だと考えさせられます。
母の想い
最初のエピソードで出てくる綾香の母ですが、世間からは娼婦扱いを受け厳しい風を受けています。娘の綾香でさえ母は体を売っているのではないかと勘ぐってしまうこともあります。しかし、母は「女の幸せは好きな男に抱かれること」であると娘の綾香に断言します。母は男にすてられ、結果、女手1つで綾香を育てていき貧しい生活の挙句、まだ女子高生である娘をこの世に残しながらも若くしてこの世を去ります。正直、あはれであり悲しい人生とも感じます。
しかし、母は愛した男性の子を身ごもり出産をし、育てていくことに不満を抱いていたとは感じられません。女の幸せはすでに手に入れていたのです。そんな母の想いはさて置き、綾香は復習にとらわれ自分の処女を父親ほどの年齢のおじさんに目的のために差し出したのです。こんなことを母が望んでいたのかと考えると悲しい気持ちでいっぱいになります。
親というものは娘の幸せを1番に考え、自分の苦労などいとみません。決して娘に自分を犠牲にしてまで復習を望んでいるとは考えられません。「女帝」とは子どもを持たない方がみたときの印象と、子どもを持つ母が見る場合とでは感じ方や見方が大きく異なるドラマであります。
格差社会
お金があればお金を生むことができるということは事実です。何をするにも資金が必要です。資金が大きければそれだけ大金を生める可能性が高まります。一方、資金がなければ身1つでお金を生まなければならずできることはお金がある層に比べると限られます。こうして格差社会ができていきます。資産家の家に生まれたことが持って生まれた運であり、生活に困ることもなく生まれ持って贅沢を手に入れらるということです。
しかし、スナックの家に生まれた綾香は贅沢はおろか、地位も権力もないと学校では同級生に嫌がらせを受けます。同じ日本の中でこのような格差に対する醜い嫌がらせに関して本当に腹立たしく感じます。いくら格差があるといってももっと広い目で見れば、発展途上国の国々に比べれば日本の底辺の暮らしは素晴らしく豊かで充実しています。誰もが教育を受けられる環境も整っています。
地位や権力を持っていてもそれを自分よりも下の人間と見比べて自分のポジションに満足しているような上層部はいくらお金や権力があっても人間としての魅力は全くなく、惹きつけられる要素がありません。復習という形ではなく、憧れという形で下の層もがんばって登りつめたいと思えるような社会であってほしいと感じるドラマです。
心理営業
ドラマ女帝はクラブ、ホステスの世界を描いたストーリーです。女性は太いお客を捕まえるために美貌を磨き、知識をつけたりあらゆる手段で男に気に入られ認められようとします。これはお色気作戦だけでなく自分自身を売り込む営業ともいえます。一般的なサラリーマンの営業職とは商品のアピールや会社の紹介をして契約を取ります。
しかし、ホステスの世界では契約書というものは存在せず、心で契約を交わすところが面白いです。相手の心を掴むために心理的な営業をかけて相手の心に忍び込むのです。女性は好きな男性を捕まえるためにメイクをしたり自分を少しでも綺麗に見せて恋愛を楽しみます。そういう点でいえば、ホステスの心理営業はある意味、恋愛におけるプロフェッショナルと言っても過言ではありません。好きな男性を振り向かせるための参考にもなるドラマです。
まとめ
ドラマ「女帝」は一見、復習に狂った女子高生のお水のストーリーですが、深く考えて見ると若いということは素晴らしいとも思わせられます。若いというだけで恐れや失敗に怯えないでまっすぐに想うがままに進むことができることが多いです。そして、若いということはそれだけ新たなことを吸収する力もあります。
大人に比べ子どもはばかなこともするし無茶もします。でもときにはその無茶な行動も大きくなるためには必要であります。自分の人生をがらっと変えて全く違う世界に飛び込むことは簡単なことではありません。守るものや失うものがあればある程、難しくなります。
これらのことから何でももう遅いと決め付けずにやると決めたときにすぐに行動に移すことが大切であると感じさせられます。世間体や他人の意見よりも自分の心を1番に信じる力が行動力となり全ての源になります。このドラマはとても奥が深くこれから独立して企業する人や世間の波に逆らって歩いている人にもとても参考になるポイントが多いです。あらゆる角度から見ることで思考も広がります。
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