ただの猫漫画、ねことの生活漫画ではない。生きる事を書いた漫画だと思う - グーグーだって猫であるの感想

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グーグーだって猫である

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ストーリー
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キャラクター
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設定
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演出
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感想数
1
読んだ人
1

ただの猫漫画、ねことの生活漫画ではない。生きる事を書いた漫画だと思う

4.54.5
画力
2.5
ストーリー
4.5
キャラクター
5.0
設定
4.0
演出
4.0

目次

超有名女性漫画家の猫漫画…と思いきや、猫の描き方はけっこう雑?


猫耳つけた美少女、にしか見えない「チビ猫」が出てくる、超有名漫画の「綿の国星」。その作者である大島弓子さんの猫漫画というわけで、読んでみました。グーグーだって猫であるより前にもサバという猫との生活を書いた漫画もあったのだけれど、それは、サバという猫は、やっぱりほとんど人間の姿をしていて、「猫です」というわけで、これはもうファンタジーすぎて受け入れられない人も多かったのでは?と思うのですが、グーグーだって猫であるの「グーグー」は、ちゃんと猫の姿をしています。普通に。アメリカンショートヘアの猫らしいのですが、絵の描き方も気が抜けているというか、そんなに力入ってない様子です。でも猫へのありあまる愛情は十分に伝わってくる作品です。グーグーと1人と一匹の生活だったのが、ビーが加わり、クロが加わり、どんどん賑やかな生活になっていく様子が面白かったです。きっと猫飼っていると、野良猫?捨て猫も「うちの猫もよその猫もみんな同じ猫」ってことで可愛くなってきて、心配になって保護しちゃうのかな、と思います。そしてホームレスから譲り受けた疥癬だらけのタマまで加わって、すべての猫が飼い猫だったらいい!と、まで言える大島弓子さんだからでしょうね、中途半端に野良猫に餌をあげていたりする猫おばさんにはちょっと困ってしまいますが、別格に感じます。


猫があまり出てこない!ところもある


2巻では大島さんが卵巣腫瘍の手術をするのですが、その最中の内容は、さながら闘病記であって、全然猫漫画ではありません。たまに外泊した際に猫が出てきて、久しぶりに帰ってきた飼い主への対応が猫によって違うと、そんなことくらいしか猫が出てこなかったりします。闘病中も、手術、抗ガン剤投与と治療の描写が続きますが、抗ガン剤の作用で気持ち悪い時には吹雪のイメージを描いて乗り越えるなど、どんなときでもマイペースでおっとりとした前向きさを感じさせる姿勢がすごく伝わってきます。病室にやってくる鳩、病院内の散歩で見つけた実験動物の慰霊碑に手を合わせるなど、大島弓子さんらしい慈愛に満ちた視点が優しい。
ついにたくさんの猫とゆっくり暮らすために?一戸建てにお引越し!からの野良猫ハナちゃんとの出会い
これまでマンション住まいだった大島さんがマンションから一戸建てにお引越し、この辺りも結構猫漫画とはかけはなれているんだけど、引っ越して以降は、庭に現れる野良猫のハナちゃん、そのハナちゃんの彼氏?猫なのかオス野良猫も現れるし、ハナちゃんは子猫産んで、増殖するはいっぱいいっぱい猫が出てくる!猫好き、多頭飼いにはたまらないです。こんな猫が!とか、あるあるーと言いながら何回も読んでしまいます。狸まで現れて、狸にも餌をあげちゃってるのは、おっとっと、ダメなのでは?と思うけど、動物愛ってことで大目に見てよいのでしょう。


大島さんが猫のおばあちゃん状態。子猫の保護と里親探しに奮闘


ハナちゃんが産んだ子猫たちを保護し、貰い手を探して引き渡す大島さん。素敵なことに、大島さんの家の猫をもらってくれた方はみんな優しい人で猫を大事に育ててくれて、その後の猫の情報についても教えてくれるのでした。大島さんも、今まで過去の愛猫、サバを譲ってくれた方に、なんの報告もしていなかったことを思い出し、もっと報告すればよかった、と思うのでした。自分も猫を里子に出すようになって初めてわかる、そんなものなのかなーと思いました。その後も、ハナちゃんの子猫で、保護できずそのまま野良猫になってしまった、でも、子猫のころから大島さんが見守って育てていたちょびひげが出産した猫を保護したり、大島さん宅は猫いっぱい。途中からはワンちゃんもいました。保護犬の里親になっては見たものの、猫は犬に距離を置くし、犬の飼育は猫よりも手がかかり、一人暮らしの大島さんには結構な負担のようでしたが、愛情もって接していて、その後の里親を熱心に探しているところは感動しました。庭にやってくる猫の産んだ子猫を保護して世話する大島さんは、本当に孫の育児に奮闘するおばあちゃんそのもの!でした。ハナちゃんの産んだラテちゃんという子猫が免疫不全症だったのか、亡くなってしまったのが本当に悲しかったです。


グーグーだって…生きているから、いつか別れが。


最終巻は、グーグーの死という悲しいラストなんですが、大島さん家の飼い猫、みんなに好かれた大黒柱猫であるグーグー。猫みんな大好きで、優しい気のいい猫。グーグーが最後に大島さんと1人と一匹で過ごした描写は何度読んでも心温まる。悲しいというよりも心温まるのです。これは、死も誕生もひとつの自然の流れとして受け入れていくことなんだなと思いました。これでもう、大島さんの猫漫画見られなくなっちゃうのかなーと思ったら、「キャットニップ」として続編がありました。これからもずっと読んでいきたいです。

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