ヤンキーとアイドルのコラボレーション
ギャップを楽しむ作品!
視聴した感想としては、期待していたより面白かったです。
AKB48のメンバーが、ヤンキーに扮して抗争を繰り広げるという内容で、「アイドルグループに、よくやらせたな」と思いました。
セリフも「舐めんなコラ」とか「ぶっ殺すぞ!」みたいな感じなので、当時のアイドルとしてのAKBメンバーとのイメージとは全然違い、冒険した内容だと思います。
メイクも髪型も派手なギャルメイクや、スカジャンのヤンキーファッションで、ほとんど全員眉間にシワがよっており、柄の悪さ際まれりという感じです。
しかし、それが逆にギャップを生んで、面白いと思いました。
みんな似合っていて、妙にカワイイのもいいですよね。
放送していた時期も、AKB48の知名度が上がってきた頃のように思います。
主要メンバーはなんとなくテレビに出始めた頃でしょうか。
ですので、個々のメンバーの顔を覚えてもらうのには丁度よかったのかな、という印象です。
しかし、ただのアイドルのイメージ映像的にならず、ドラマの方も人間関係をきちんと設定し、作り込まれていると思いました。
頂点ヤンキー集団のラッパッパを始め、グループに属さない敵や、敵対校のヤバクネ高校、強者の潰し合いをもくろむネズミなどが入り乱れ、意外と「次回も見てみたい」と思えるような作品だと思います。
また、どんどん強い敵が出てくるのも面白かったです。
そのあたりを出し惜しみせずやっていたので、テンポも良かったと思います。
また、主役の「前田敦子」は、暗い過去を引きずっているキャラクターですが、それもいかにもヤンキー物の作品という感じで、王道の主人公という感じがしました。
このあたりは、AKB関係なく、ヤンキー物の作品をきちんと作ろうとしている印象を受けました。
また、今見返してみると、ほんの端役に今大活躍している人がついていたり、逆にもう卒業してしまってテレビ露出が減った人が、いい役で出ていたりします。
そういうのもまた面白いかもしれませんね。
だるまがいいキャラクター
まじすか学園シーズン1で、異様な存在感を醸し出しているキャラクター「鬼塚だるま」…。
最初に観たときに「この人もAKBなの?!」と思いました。(所属はSDNだったようです)
ちょっと大きいですよね、アイドルにしては…。
歌舞伎シスターズより、よっぽど乱獅子みたいな風貌なのですが。
でもこの人が前田敦子の一番近いキャラクターで正解だったと思います。
だるまは心を閉ざした前田敦子に、冷たくあしらわれてもめげず、舎弟としてくっついていきます。
時には前田をヤンキーの抗争に巻き込むまいと、自分一人で強敵に立ち向かっていくなど、強い男気のある人物です。
また、ちょっとバカだけど明るく、意外と人望があり、かつての強敵達と組んで共闘したりもします。
本来だったら、このキャラクターのポジションには、同じくAKBの人を据えてもよかったはずです。
現実のAKB48内で、よく前田さんとコンビになっていた高橋みなみさんでもよかったはずです。また、ファンの中でも「残念キャラ」だった指原莉乃さんでもよかったはずです。
しかし、やっぱりだるまでよかったと思います。
だるまのこのビジュアルだから、不器用ながら一生懸命やっている感じが伝わってくるし、助けてやりたくなる気持ちになるのだと思います。
あと言葉は悪いですが、クールで強い美少女が、クリーチャーを連れているというのも、インパクトのある画になるのかな、と思います。
また、ほとんど全話でだるまはボコボコにされてしまうので、現役のティーンのアイドルだとちょっと厳しかったですかね…。
だるまは心を閉ざした前田敦子に、ストレートに「自分は味方だ」「あなたは一人ではない」というメッセージを送ります。
前田が終盤までウジウジしているので、だるまのその真っ直ぐさが気持ちよく思えます。
また、かつていじめられていたシブヤに、タイマンを申し込む為に体を鍛え直したり、友情が一番強いことに気がついたりと、まるで主役であるかのような成長を見せており、もう一人の主人公と呼べるような存在だと思います。
なぜか手羽先を懐に隠し持つなど、お笑い要素も持っており、クールな主人公前田とのバランスを取ってくれた立役者だと思いました。
アイドルのギャップが面白い
この作品は、普段のアイドルの活動では見られないメンバーの表情を見ることができるのが見所です。
一番ギャップのあるキャラクターを演じたのは、まゆゆこと渡辺麻友さんではないでしょうか。
渡辺さんの演じた「ネズミ」は、ヤンキー同士の潰し合いを目的に暗躍する、狡くて卑怯なキャラクターです。
ふいに見せる悪い笑顔や、人を見下した表情は、清純派で売っていた渡辺さんのイメージとは真逆のものでした。
また、血を見ると興奮するサイコパスキャラの「ゲキカラ」は、松井玲奈さんが演じました。
この作品のAKBメンバーの中では、松井さんが一番自然に演じているように見えました。
人を殴りながらケラケラ笑っているようなキャラクターですが、セリフも少しだけあって、それがきちんと重く響いていたと思います。
また、ゲキカラは中々倒れないので、殺陣も沢山あったのですが、きれいにこなしていたと思います。
色白の松井さんが、返り血に染まった顔でニヤリと笑うとゾッとさせられました。
他にもまだまだ魅力のあるキャラクターが沢山いて、面白く視聴できました。
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