タイトルの意味は分からなかった
監督のノリが好きなら楽しめそう!
視聴した感想としては、「この監督のこのノリが好き」という人は楽しめるのかな、と思いました。
内容はほとんど作中人物の会話劇で進んでいて、場面の切り替わりもあまりありません。
ドラマというよりは、舞台演劇、もしくはコントを見ているようです。
ですので、会話がつらつら続くだけでも見ている側は結構疲れますし、セリフが早すぎて聞き取れないところも散見されました。
厳しい言い方をすると、この時点で視聴者はある程度厳選されるのだろうな、と感じました。
世界観も、ドラマの作りも、年齢の高い人が観るのには、ハードルが高いように見えました。
また、他の深夜ドラマでもこのような作品はあるのですが、長ゼリフが続くのであれば、それなりに面白いことを言わなければいけないような気がします。
宮藤官九郎さんの作品もわりと会話劇の部分が多いと思うのですが、セリフ回しやキャラクターが面白いので飽きません。
そこに追随したい作家もいるのかもしれませんが、分かりやすいギャグをどんどん投下しないと厳しいです。
また、話のテーマも砲丸投げの記録更新をしよう、とか万引き犯に実は引きこもりの息子がいて…とか、話によっては「ヒキ」が弱いように見えました。
始めから終わりまでずっと視聴者が見ていられる程興味をそそられず、しかも場面展開も少ないので、最後まで観ているのが辛かったです…。
細かいことですが、女性のキャラクターも毎回似たようなキャラクターばかりで、「この人はボケなのか突っ込みなのか」だけで味付けされているように見えました。
ですので、毎回同じ事を見せられているような既視感があり、それが余計に最後まで観られない気持ちにさせていました。
それでも1話に関してはカット割りも多く、吹越満さんの表情に合わせてテロップを出していくのもテンポがよくて、面白く観ることができました。オチもきれいにつきましたし、演出もカッコいいと思いました。
ですので、他の話もこの形式でやればよかったのに、と個人的には思いました。
山田孝之さんの演技はさすがです
ただ、こういう世界観や設定の作品はある程度需要があるのかな、とも思います。
主人公の横山は映画監督志望のフリーターで、29歳なのにバカなことばっかりやっています。
周りの友達もそんな横山のノリが分かる人たちばかり。
この「いい歳した大人の部活のノリ」みたいな内輪ボケの世界観が、好きな人はすごく好きだと思います。
私も冒頭のノリは観ていて面白かったです。
正直、部屋から出ないで、30分ジェンガをやっても観ていられるんじゃないかと思うほど、主演のキャスト陣の掛け合いは面白かったです。
中でも主演の山田孝之さんは、この監督の作品を初めて観る人でも楽しめるような演技をしていたと思います。
2話では、頻繁に「ゲイモード」に入った場面が登場しましたが、本当にコテコテの、漫画のようなゲイを演じていて笑ってしまいました。
そもそも横山というキャラクターも、観ていて「29歳でフリーターで、バカなことばかり考えてる」感じがします。
本当に場面に求められる事を再現できる人なんだなあ、と感心しました。
また、私は個人的に安部役の中村倫也さんが好きなので、そこは楽しんで観ることができました。
同じく2話でゲイモードに入った中村さんと山田さんの絡みは、ファンとして面白かったです。
第2話は収束の仕方も、伏線が効いていていいと思いました。
ツッコミはボケより難しい…
ただ、脇役の女子高生達が口が悪すぎるのには、ちょっと引いてしまいました。
この監督は、若い女の子をツッコミに据えて、強い口調でツッコませるのが好きなんでしょうか。
同監督作品の「神奈川県厚木市茅ヶ崎コインランドリー」でも感じたのですが、女の子が無理をして大きい声を出しているのが伝わってきて、見ていて辛いです。
男口調とか、軽薄なノリとか、想像上の若者という感じがします。
本来コントや漫才で男性がやる役回りを、無理をして女の子にやらせているように見えてしまいました。
それで面白いならいいですが、本来ツッコミはボケより難しいんですよね。
下手な人がやると、ただ大きい声を出しているように見えたり、乱暴に見えたりするだけになってしまうので、そこはコントのテンプレートに合わせず、キャラクターに合ったセリフ回しを考えてあげた方が良かったのではないか、と思いました。
せっかくかわいい人をキャスティングしているので、わざわざ男性キャラクターにもできることをやらせなくてもいいと思いました。
既に少し触れましたが、女性のキャラクターの引き出しが少ない印象です。
なんとなく横山が、いい歳をして女子高生達に「おい横山!」みたいに呼びつけられながらつるんでいる、そういう画がほしいのかな、とも見えました。
なので、四人も女の子がいても、全員同じような感じなのかな。
そこはモブキャラクターなのでいいとしても、ゲストキャラクターはもう少し個性があった方が良かったです。
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