ゲーム好きなら楽しめる - ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~の感想

理解が深まるドラマレビューサイト

ドラマレビュー数 1,147件

ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~

3.003.00
映像
3.00
脚本
3.00
キャスト
4.00
音楽
3.00
演出
3.00
感想数
1
観た人
1

ゲーム好きなら楽しめる

3.03.0
映像
3.0
脚本
3.0
キャスト
4.0
音楽
3.0
演出
3.0

目次

まったり観られます。

この作品の印象は、「地味だけど面白い」です。

ドラマの内容は、主人公の礼治と親友の木戸の思い出を、当時流行したゲームと共に回想していく流れです。

二人の出会い、そして別れのストーリーはありきたりなもので、特にひねった所もありません。

やっぱりゲームのアーカイブが見所なんだなと思いました。

思い出のゲームの映像に、おまけでドラマが付いているような印象です。

なので、全くゲームに興味がない人には、このドラマは面白くないんじゃないかな、と思いました。

個人的には、それでも俳優さんの安定感のある演技で、安心して観ることができたし、深夜にまったり観られるので好きでしたが、どうしても続きが気になるとか、独創性のあるストーリーではないので、途中退場する視聴者もいるのではないかと思いました。

私個人的としては、ベタベタな展開でも楽しめるので、最後まで楽しく視聴しました。

ゲームはとても上手いけれど友人のいない木戸が、明るい礼治や美人の高野と友人になっていくストーリーは、マンガやドラマで嫌というほど使われているのでしょうが、それでも面白いと思えました。

また、後半に格闘ゲームブームが起きてからのゲームセンターのバブルや、その後の衰退していく様は、自分もこの当時小学生だった懐かしさが甦るようで、胸がきゅんとしてしまいました。

最後の現代でのストーリーでも、自分の会社のデータのロックを、木戸が「ゼビウス」にしているのも切なくなります。木戸が最初に礼治と友達になるきっかけとなったゲームですからね。

派手な演出や突飛なストーリーはありませんが、懐かしい気持ちにさせてくれますし、最後はハッピーエンドに温かい気持ちなる作品でした。

なぜ野々村はキッドをハメたのか

中では、木戸のビジネスパートナーであった野々村が、礼治のゲームセンター買収に積極的に関わっていたことが、後に判明します。

しかし、なぜそんなことをしたのか、理由は特に語られていません。

思えば会社が成長していた20代の頃から、野々村は木戸に対して「そんな所に行くな」と反対しています。

そして挙げ句の果てに、そのゲームセンターそのものを潰してしまいます。

野々村に関しては、本編では詳細に語られていませんが、その行動の裏には、木戸への嫉妬心と執着心があるように思えます。

野々村には天才ゲーマーで、次世代のカリスマプログラマーになった木戸への嫉妬心がずっとあったのかもしれません。

木戸にずっと勝ちたいと思っていたのか…しかし、結局最後まで野々村は木戸に勝つことは出来ませんでした。

汚ない手を使って木戸のノートを手に入れてさえ勝つことは出来なかったのです。

また野々村と木戸は、大学時代は友人関係でしたが、一番の親友にもなれませんでした。

ゲームに関しての腕前や知識は、二人とも同じくらいで話も合ったかもしれません。

しかし、結局木戸がずっと信頼し、一番の親友としていたのは、それほどゲーム好きでもない礼治だったのです。

何度邪魔をしても、結局友情には勝つことは出来なかった。

そこがいいラストだったなと思います。

ファンになりました

キャストはあまりパッとしないというか、知っていたのは田中圭さんと佐藤二郎さんだけで、浜田謙太さんと波瑠さんはこのドラマで知りました。

でもこのドラマでメインの役者さんはみんな好きになりました。

主演の田中圭さんは、他の作品では脇役が多く、「よくテレビでは観るけど名前は知らない」という感じでした。

しかし、高校生から40代まで演じるにあたり、高校生の時にはそれにふさわしいバカっぽさを、40代ではすっかりくたびれた中年感を見事に演じ分けており、驚かされました。

礼治は木戸や高野がそれぞれに自分の道を決めていくのに対して、ずっと「自分は何がしたいんだろう」と焦っているキャラクターです。

結局実家のゲームセンターを継ぐのですが、家庭用ゲーム機に押されて経営は悪化、妻との関係も冷えきっているという、辛い境遇にいます。

その青春期からの中年期の礼治は、役者は一人なのに確実に歳を取っているように見え、演技力の高さを感じました。

一つだけ文句があるとしたら、中年の礼治の私服。あんならくだシャツ、おじいちゃんしか着ないんじゃないでしょうか。

お金がないのを表現しているんでしょうが…ちょっと無理があります。しかも奥さんまで全身肌色。それはちょっとやりすぎです…。

木戸役の浜田さんも、話し方といい、佇まいといい、昔のオタク感があって良かったです。
不器用だけど一生懸命な木戸がだんだん可愛くみえてきました。

波瑠さんも透明感があって良かったです。

波瑠さんは、このドラマ放映の数年後に、民放各局で主演、準主役を勤めるなどの活躍を見せており、テレビで見る度に「こんな深夜枠のドラマに出ていたんだなあ」と思ってしまいます。

これを機に、チェックする役者さんが増えたドラマです。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

関連するタグ

ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~を観た人はこんなドラマも観ています

ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~が好きな人におすすめのドラマ

ページの先頭へ