安心して読める、王道魔法バトルもの少年漫画! - エム×ゼロの感想

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エム×ゼロ

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画力
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ストーリー
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キャラクター
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設定
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演出
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感想数
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安心して読める、王道魔法バトルもの少年漫画!

3.53.5
画力
3.5
ストーリー
4.0
キャラクター
3.0
設定
4.0
演出
3.0

目次

魅力1.厨二心をくすぐる“主人公唯一の魔法”

※当レビューは、あくまで個人の感想や分析を書き連ねたものなので、気楽に読んで欲しい。

では、さっそく魅力その1について述べさせていただこう。この作品の大きな魅力の一つがタイトルにもなっている主人公の使う能力・エムゼロである。
作中では魔法の源となる「プレート」がキーアイテムとなるが、主人公が手に入れたプレートは他のそれとは少し異なる。魔法を「出す」のではなく、「消す」のである。
(この言い方だと少し語弊があるかもしれないが)超能力や魔法の類が当たり前に存在する世界観において、ただ1人の「それらを無効化できる“だけ”の能力」はとても魅力的に映る。他の魔法は一切使えないというところも作品のバランスを保つ役割を果たしているし、魔法による攻撃を発動できない主人公は頭と体を使い、必然的に周囲からすると意外な方法で戦いを生き抜いていくことになる。しかも協力者はいたものの彼が実質「魔法を使えない」ことを隠し続けなければならなかった。
この設定が、エムゼロのことがバレるかもしれないというハラハラ感、主人公的なオリジナリティ、そして主人公の成長を同時に描き出すことに成功しているのである。

魅力2.「魔法学園もの」らしさもしっかり完備

主人公は魔法を使えないが、学校では魔法を学び扱うのが当たり前の環境である。よって、魔法の関わる授業やイベントごとが盛りだくさんとなっており、ドタバタスクールライフとして面白い側面がある(魔法を使ったクラス対抗のイベントや文化祭など)また学園ものとして外せないのがラブコメ要素であろう。個人的にラブコメは作品開始の状態で分類できると考えており、作品序盤の時点でヒロインが主人公を嫌いor普通or好きな状態に分けられる。この作品は普通と好きの間、ヒロインは恋愛感情こそ無いものの好意的な状態から始まるので、この分類の好みから読む作品を選ぶのも一つの手たと思う。ちなみに、ラブコメの発展具合に関しては不完全燃焼エンドである。作者の画力は回を重ねるごとに上がっていき、ヒロインもどんどんかわいくなっていっただけに少し残念だ。とはいえ、徐々にヒロインが恋愛的に惹かれていく描写はあり、最終回で転校した主人公が戻ってきた後はくっつきそう…という未来を連想することはできるので、決してラブコメを楽しめない作品ではない。

魅力3.プレートシステムとM0プレート

上記の事実も含め、やはり「M0プレート」という作中では極めて異質な存在がこの作品のハチャメチャな展開、そしてワクワク感の演出に一役買っている。
魔法を駆使して課題をこなしていく世界観の中で「自分で魔法を出すことはできない代わりに周囲の魔法を無効化する」という能力自体はもちろん、M0はプレートの中で最下位に位置すること、プレートのランクアップに使うポイントを消費して魔法消滅の能力を使用できる、という仕組みも面白い。M0プレートは努力次第で魔法を使える通常のプレートへ書き換えられるが、魔法を消すたびにその機会が遠のくのだ。主人公は常々魔法に憧れている節があるため、M0プレートを捨てるor保持するという選択には注目していた読者も多いと思う。結果は王道少年漫画の主人公らしく、「このままでいく」となったが、別の学校へ編入し、通常のプレート所持者として最高位のゴールドプレートを目指す、という展開も個人的にはあり得ると考えていた(なおこの予想とほぼ同じ展開は最終回で成された)。
またもう一つ加えるなら、中盤でエムゼロが「1つだけ他人の魔法をストックし使える」ルールも、さらに主人公の戦い方の幅を広げていた。

魅力4.最後まで魔法を使えなかった主人公

魔法を消去する能力だけで困難を乗り越えた、それを描き切ったことは、この作品において僭越ながら評価したい点である。少年漫画・学園もの・バトルものということで、話が進むにつれ戦う相手は強くなっていくのは必然だ。そして多くの作品は主人公が新たな能力や技を手に入れて強敵と渡り合っていく。
しかしこの作品において、主人公の能力が進化したのはたった一度(前章の最後参照)であり、それも強敵を打ち破るようなものでない。これがバトル漫画によくある「能力のインフレ化」、つまり主人公があまりにも強くなりすぎることを防いでいたと思う。もちろん、主人公が作中最強になる展開は好みが分かれるので、どちらの方が正しいだとか言うつもりは全くない。しかし、インフレ化をあまり好まない人にとっては、最後まで展開を楽しめることは保証する。
また前章でも触れたが、最終回にして彼は(改めて魔法をを学び直す意味で)普通に魔法を使う道を選んだのだ。主人公が最後に読者に見せるのは、知恵と身体能力で魔法学校を生き残った彼が「普通に」魔法を学ぶ姿であり、10巻に及ぶストーリーのラストとして、なんとも感慨深いものである。

以上、偏見を多分に含んだ読後レビューを書かせていただいた。総括としてはタイトルの通りで、安定感のある王道少年漫画といえよう。読者の皆様が何かしらの参考にしていただけると幸いである。

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