やっぱり面白い - 相棒season9の感想

理解が深まるドラマレビューサイト

ドラマレビュー数 1,147件

相棒season9

4.504.50
映像
4.00
脚本
4.00
キャスト
4.50
音楽
4.00
演出
4.00
感想数
1
観た人
3

やっぱり面白い

4.54.5
映像
4.0
脚本
4.0
キャスト
4.5
音楽
4.0
演出
4.0

目次

やっと『相棒』らしくなった

警察庁からいわゆる「S」として特命係へと来た神戸尊が、上層部の思惑を知り、本格的に右京の相棒になる決意をしたのが前作のラストシーンだったので、このシーズンではかなり右京との連携プレーが見れるようになりました。タイプ的には右京によく似ていると思うんです。知的で、足で捜査するというよりは推理力を働かせて解決するとか、さりげなくイヤミな所とか。しかし、右京と違いまだ若い彼は時としてミスをしたり、感情に流されたりしているのがなんとも見ていて微笑ましいです。特にこのシーズンで印象的なのは、12話の「招かれざる客」でしょうか。ほぼ2人は離れ離れです。オーベルジュへ出向いた右京とは別行動な神戸ですが、それなのにちゃんと相棒としての仕事はこなしているし、まるで2人が阿吽の呼吸で捜査をしでいる感じがとても良かったです。最後の方のシーンで、右京が犯人をあぶり出す為に芝居を打つシーンでは神戸も見事にその芝居の片棒を担ぎます。右京を犯人として捕まえたのに、ちゃんとコートを着せたり、帽子を被せたり、荷物を運んだりとマメな相棒です(笑)。全てが片付いた後、何か食べたいという神戸に右京が、「君の好きなナポリタンでも」というセリフで、いかに2人が相棒として馴染んで来たのかが分かります。更に、13話の「通報者」では、普段はクールな神戸が感情的になるシーンがありました。妹を守る為に必死に嘘をつく少年と自分とを重ねて見て、少年の為にいろいろ奔走する姿に、彼の本質を見た気がします。いつもはクールぶっているけれど、本当は誰よりも優しくて、そして熱いハートも持ち合わせている事が分かるストーリーでした。少年が抱えていた秘密が全て明かされた時、神戸は少年を気遣います。母親の秘密を守ろうとした少年ですが、少年の事は一体誰が守るというのでしょう。神戸の言葉には誰もが頷いたはずです。事件を解決するだけではなく、時には人情に訴えかけてくるような、そんな「相棒」がやっぱり私は一番好きな刑事ドラマです。後、かなり右京がお茶目な一面を発揮して来た頃でもあるので、そういう意味でもこのシーズンはかなりお気に入りです。

個性を象徴する物

『相棒』で個性を象徴する物と言えば、やっぱり飲み物は欠かせません。右京の紅茶好きはかなりドラマにとっては重要で、そのこだわりもかなりなものです。例えば、シーズン4で右京は、「朝は濃いダージリン。夜はミルクたっぷりのアッサム」と言っています。おそらく彼がイギリスにしばらくいたという設定から紅茶好きにしたのだと思います。初代相棒の亀山はコーヒーでした。彼の服装からして、アメリカ好きなのかもしれません。二代目相棒の神戸は炭酸入りミネラルウォーター。この炭酸入りというのがポイントだと思うんです。彼の透明だが、一筋縄ではいかないという性格を表す小道具だとも思っています。三代目の相棒である甲斐は炭酸ジュースでした。これも、おそらくですが彼の子供っぽさを表現したかったのではないでしょうか。そして、現在の相棒でもある冠城ですが、彼も亀山と同じくコーヒーですが、彼の場合、こだわりが半端ないです。ここに彼の頑なさが出ている気がするんです。そして、オマケとしては自称特命係の陣川ですが、彼を象徴するのは紛れもなく酒ですよね。酒を飲むとグチる彼は平凡なサラリーマンのようです。こんな風にスタッフの方はそれぞれに個性を持たせたのではないでしょうか。そうする事で右京との関係もかなり明確になって来ます。飲み物でそれぞれの個性を表すというのも面白い発想だと思います。

意外な真実

神戸尊役の及川光博さんですが、彼は元々はミュージシャンです。その立ち居振る舞いの優雅さからファンの間では「王子様」と呼ばれるほどの人気で、いまだに「ミッチー」という掛け声が似合う方です。その及川さんが相棒になるというのは、かなり驚きました。もちろん、及川さんは歌手活動だけではなく、ドラマや舞台も経験されている方で、その演技力も俳優に引けを取らないほどの実力です。でも、なんとなく刑事役のイメージがなかったので、どうなんだろうと思いました。しかし、及川さん本人が語った裏話にはもっと驚きました。実は以前にも『相棒』からのオファーがあったらしいのですが、それは犯人役という事だったそうです。その時には及川さんの都合で辞退されたらしいので、その後のオファーも犯人役だと思った及川さんは、マネージャーさんから、『相棒』の話しが決まったと聞いた時には「どんな役?」と聞いたそうです。まさか右京の相棒役とは思っていなかったらしく、ご本人もずいぶん驚いたそうです。でも、これってすごい事ですよね。もし、最初の犯人役を引き受けていたら、及川さんが神戸をする事はなかった訳ですから。そう思うと、及川さんと『相棒』には縁があるんだと思います。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

関連するタグ

相棒season9を観た人はこんなドラマも観ています

相棒season9が好きな人におすすめのドラマ

ページの先頭へ