ギャルになりたい、から読んでいたわけではない
ギャルの世界
当時流行っていた「コギャル」が主人公のこの漫画、私はギャルでは無かったし連載当時は小学生だった。だからこそ憧れたし純粋に読みモノとして面白かった。顔の描き分けは微妙だが小物や衣装が細かく、制服だけではなく毎回私服が違うので見ていてわくわくした。
ギャルの服装は露出が高いが絵柄の所為かエロさやいやらしさは無く、当時の女子が純粋に読めるものだった。ただ男性から見たら細すぎて怖い体型だと思われる。
ストーリー構成は時代劇
大まかなストーリーは主人公の蘭とその親友2人を中心に、学校や渋谷で問題や事件が起きてそれを解決する、という流れだ。最終的に蘭が問題の当事者を説教で成敗するという、時代劇のような構成になっている。
蘭のカリスマ性と正義感で周りに人が集まるが、当時自分が高校生でクラスに蘭みたいな子が居たら絶対に仲良くなっていないだろうな、と思って読んでいた。
だって怖い。
毎日遅刻してくるし頭が金髪で赤いメッシュも入っている。先生にもタメ口で廊下で友達と大きな声で笑っている。
漫画だから許される性格なのだろうが、蘭に説教される側のキャラクターが少し可哀想な時もあった。真面目と不真面目の境目が非常に曖昧なのだ。人間としてどうなの?というキャラクターに対しての成敗された!感は読んでいてすっきりするが、教師にタメ口を聞いたり授業中に舐めた態度を取っている事自体は褒められたものではない。
だけどやっぱり主人公。
主人公だから、と言うよりはこの性格だから主人公になった、と言えるキャラクターが寿蘭というギャルなのだと思う。
正しいだけが正義じゃない。
と言えば聞こえは良いが、実際はただの高校生の主張。だけど、だからこそ読者の共感を得たり話にのめり込ませるキャラクターになっているのだと思う。正しいだけの主人公はつまらないものだ。
少女漫画の恋愛要素
この漫画の恋愛要素はおまけ程度で、基本はギャルの生態を描いた漫画だ。
中でも一番じれったいのが乙幡とアヤのカップルだ。特に乙幡。お前は何なんだ。男ならはっきりしろ。何でアヤの方が悪いみたいな態度なんだ。
とずっと思っていた。しかし少女漫画に登場するモテる男というのは大体こんな感じなのだ。だから当時は「なんだこいつ」くらいの気持ちだったが、今見るととんでもないスケコマシ具合にびっくりする。他の男子がピュアなのもあるが。
最終回は主人公の蘭ではなくみゆの結婚式で終わりだったし、恋愛事になると主人公ではなく主人公の親友達の話の方が面白かったりするのだ。
ちなみに私はみゆがイチオシだ。ぶりっこ可愛い。
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