結末の読めない高クオリティードラマ「魔王」 - 魔王の感想

結末が最後までわからないハラハラ感

大体のドラマ（主に恋愛ドラマ）は、中盤ですでに結末が目に見えてしまうものが多い印象を受けますが、「魔王」は違いました。

何せ、主人公（大野智）が何を考えているかわからないミステリアスな一面を持っています。彼は、少年時代に自分の弟がいじめで殺されてしまうわけなのですが、その見返りとして弟をいじめた人たちに復讐を始めます。そこからがこのドラマの始まりです。彼の復讐劇は見事に叶うのか、それとも失敗してしまうのか、それは最後までわかりません。本当に恐ろしくて、また人間関係が絡みに絡んで複雑化しています。弟を失い完全に人間性を失った主人公ですが、徐々にいろんな人と関わっていくたび人間らしい一面を取り戻していきます。そして彼は復讐劇をしてよかったのかと自分の誠意を疑うまでに心が移り変わっていく様子も見事に表現されていて見どころです。

個人的に印象強いのが、ドラマ「昼顔」で見事なゲス女を演じた吉瀬美智子さん。彼女は「魔王」でもゲスイ不倫妻を演じています。彼女が「昼顔」で起用された一因かもしれませんね。

オープニング曲　嵐の「truth」

みんなご存知であろうこの有名な曲ですが、「魔王」のオープニング曲だったのは知っていましたか？

「truth」はそのまま曲として聴くのも良いですが、「魔王」で流れる「truth」は格段と違います。

緊迫としたタイミングで流れる「truth」。あまりにもかっこよすぎました・・・！！

曲として聴くのとまた違った、映像との見事なコラボレーションが感じられます。もはや感動します。

本当に「魔王」は曲の入るタイミングも完璧な、何一つ抜き目のない（最後の最後は如何なものかと思いましたが・・・）ドラマなのです。

今まで私はオープニングの入るタイミングとかそんな気にしたことがなかったのですが、そういったところも気になって思わず感動してしまうほどクオリティーの高いドラマでした。

ちなみに、私は嵐ファンでもなんでもありません。

結末は思わぬ感動・・・！！

はっきり言ってしまうと、この結末に泣かない人なんかいません！！断言できます。

人間性を失った主人公が心を取り戻した瞬間がこの時より明確に表れたかなと思います。

一方の復讐劇の対象となっていた生田斗真の方も、昔は人殺しというとんでもない過去を持っていますがその過去を改めて、実りある正しい人生を送っています。彼の責任感や正義感も生田斗真に合っていて、個人的に自然な演技に見えました。彼の人間性が主人公の人間性を取り戻したとも言えます。

先ほど言ったように、結末が最後まで見えないドラマなのでこんな風に終わってしまうのか・・・！と思い、それがあまりにも感動的でした。本当に。私はここまで感動したドラマはないですし、今まで見た中で最も優れたドラマであったと思っています。

ちなみにキャストのみ評価３にしたのが、ジャニーズの独占キャストという感じがしたからです。生田斗真は演技が自然で好きでしたが、正直主人公は大野くんでなくてもできたかと思います・・・。しかし、大野くんは演技が上手なので最終的に感動を呼び込みましたね、本当に。素敵なドラマでした。感動作です。