ハチャメチャ学園コメディーの結末にたぶんネットが騒然とした
久々に声出して笑った
この物語は、素行不良な品川大地と、クラスの委員長して奮闘するメガネっ子・足立花のハチャメチャなラブコメ…いや、もうコメディーのみ。タイトルが「ヤンキー君とメガネちゃん」ですけど、これは「ヤンキー君と元ヤンキーちゃん」です。メガネちゃん、なんていう生易しいもんじゃありませんでした。とにかく…花がぶっとんでいます。わ…わけがわからないんです、本当に。行動が明らかにおかしくて、くだらなくて、全然優等生じゃなくて…唖然としてしまうんですよ。こう来るだろうなというギャグの上をいかれてしまうため、久々に声出して笑っちゃいましたよ。奇想天外・予測不能のギャグがたっぷりとつまっているので、ネタが尽きない限りは飽きません。
まず、男子トイレのドアの上から普通に品川に話しかけるというこの始まり。いったいこいつは何なんだ?という興味をひかせます。そして、メガネキャラで真面目ぶりを装い、実はものすごいバカで成績はさぼりまくっている品川よりも下(というか学年最下位)。おごると言ってお金は持っておらず、キレたらだれもが恐れる格闘技でどんな屈強な相手ものしてしまう。常識の通用しない花を相手に、常識はずれで生きているはずの品川がとても常識人に見えてしまう。相手にされてしまう他校のヤンキーども、学校の生徒・先生たち、あらゆる人を巻き込んでいるのに、なぜか花の意見が通るこの不思議。おもしろいんですよね~…
わけが分からないお願いにも関わらず、なぜかどうでもいいことを切実に頼んできて、かわいい顔もちらりと見せてくる…そして結果的にお手伝いしてしまい、花の思惑通りに進んでいく。しかも狙ってそうしているわけじゃなく、すべて花の天然行動…すごい。ぶっ飛びすぎだ。
品川君じゃなきゃ本当にダメだと思う
花がとにかく毎度のことのように、
品川君じゃないとダメなんです
って迫っていく。あらゆる手段を駆使して…なんて不憫なんだ品川君。そう思わずにはいられない奇行の数々です。しかもメガネ外したらかわいかったりするもんだから、品川も単純よね~…実際には9割がた断っても断っても絶対に折れてくれない花のせいではあるんです。それがいつしか、話が進んでいくにしたがって、その原動力になっているものが透けて見えてきたり、花ががんばろうとすることが予測できるようになっていったり、乗ってやろうじゃねーかと思えてきたり。慣れというのは怖いね。でも品川君、君の素直さは嫌いじゃないよ。人にやさしくあろうとする、いい奴なんです。友達のいなかった二人がクラスに溶け込めるようになっていくのもまたちょっと嬉しく思いましたし、すごいバカでもいいかーって思えてくるんです。勉強よりも絶対にあきらめない不屈の精神を養うことのほうが案外と学校では大切なことかもしれません…ってそんな真面目なことを語れるような素敵なことは絶対に言ってない。無理くり学校生活を送るみんなへのエールになりそうな要素を考えだしてみたけど、序盤はまじでない。特に花。君は…やばい。怖いぐらいに狂っています。それに振り回される品川君や周りのみんながかわいそうでおもしろいわけです。品川君いなかったら君は生き残れていないよ、ほんとまじでね。
いい話系を盛大に崩すオチ
というか、全然いい事は言っていないんですよ。これは何度も言いますが、ギャグマンガです。たまにちょっと切なげな表情や、うまくいって嬉しそうな顔を拝めたりして騙されそうになるけど、善行をやろうとしてがんばり、結果目的は果たせていないというこの残念感。そして全然考えていなかったことなのに結果的に誰かが救われてしまったという事実。常にヤンメガはその状態で進んでいきます。奇行も熱き気持ちがあったら万事許されてしまいそうな…危ないワールドが広がっているのがヤンメガなんですよ。
でも救われただけで終わらないのが最低で最高の魅力です。特にテスト関連なんて…最高だよね…眠くならないように一生懸命あらゆる睡眠打破の努力をして勉強して、ちゃんとできるようになったっていうのに、翌朝は寝過ごしてテスト受けられない(花と品川両方)という残念さ。そして、千葉くんが一生懸命教えてくれたにも関わらず、結局テスト当日の朝は寝過ごして(いや、屍なみに寝て)、いったいこの時間は何だったんだろうと思わせる残念さ。なんか青春っぽい学生らしいことやったはずなのに、終わりが腑に落ちないこの残念なオチが最高です。やはり誰より熱く、誰よりバカじゃないとね、この二人。途中、まさかこの二人で恋が始まってどうにかなるんじゃないかっていう気もしたけど、それはあるようでなかった。うん、なくてよかった。こんなリア充怖すぎる!そしてここまできて甘いのやめて!
まさかの落ちこぼれ払拭ストーリーへ
初めはひたすら落ちこぼれ同士の残念な日常で長く続けていくのかと思っていたんですが、まさかの進級・生徒会編が待っているとは…!こんな展開は誰も予想できなかったでしょうね。今まで、花が学級委員長としてがんばってきた理由は、結局誰かの役に立ちたいと願う気持ち、学校生活を自分にとってもみんなにとっても最高のものにしたいという気持ちからでした。結局なんでも解決することができていたのは品川君がいてこそだったわけですが、まさか生徒会長にまで上り詰めていくとは…すごい展開です。品川君もまさかの生徒会副会長…。なんだこの学校…。引きこもりの千葉くんや、舎弟の凛風、謎の対抗意識を燃やす和泉岳などなど…わけありな奴らが集まって、バカだけど熱さほとばしる生徒会を作っていきます。それぞれが単独行動だったのが、だんだんまとまって学校行事や勉強に取り組めるようになっていく。ようやくいい話系要素が強まっていくわけですね。ただ、序盤が好きだった者からするとなんか物足りないかも。衝撃が少なくなった気がするんですよね、後半になるほど。品川君もツッコミだったのにボケができるようになっていくし、最終的に大学合格を目指して真面目に奮闘するところまで行くし。このままいい話系で締めてくれるんだろうね。終わりも近くなって、ついに終わりかー。というか花が忽然と行方不明になってるけど、どこで出てくるんでしょうね?そんなこんな考えていたら、ネットを騒然とさせる最終回がやってきました…。
恐れ入ったラスト…
みんな勉強をものすごく頑張って、最難関大学にみんな合格するわけです。うわー!!落ちこぼれ脱出おめでとう!!というか品川君はちょっとぐれてただけで、実際には超頭いいんだもんね!だからアホは花だけだったんだよ…それでも最初に推薦で合格を果たしていた花。なんか最近あいつ学校いないけど、大学に行けばいるんだろうと思って最終回…え?花は今までどこにいたの??
最後の最後まで、花の素性が全然わからない状態で、品川君が紋白高校の教師として・花がまたもや留年した女子高生として再開すると言う、意味不明な最終回を迎えてしまいました。このラストには読者たちは度肝を抜かれたことでしょう。あ、よく言えばです。そんな…なんだこの残尿感は。普通に花は消える必要なかったよね?というか素性は?大学でも同じように繰り広げてくれりゃーよかったのに、なんでもう1回繰り返すの?っていうか何回繰り返す気なの?というこの驚き。おもしろいストーリーなんですよ?後味がずいぶんとおいしくない展開となってしまったヤンメガでした。
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