『風と木の詩』の自分なりにとりあえずザッと書いてみた感想文 - 風と木の詩の感想

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風と木の詩

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『風と木の詩』の自分なりにとりあえずザッと書いてみた感想文

5.05.0
画力
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
4.5
演出
5.0

目次

サクサクとまず少し漫画の内容について書きますね。

少女コミックで連載されてました。juneとかサブの雑誌が流行っていた頃の人気漫画です。

寄宿学校でいつも同室のセルジュと揉めていて性格もルックスもまったく異質で相反する個性を持つキャラクターでした。対立は年中でしたが、ある日突然恋仲に・・・。つまり、ホモ関係になっちゃうんですね。その時は結構ぶったまげました。まあ、最初から何となくいづれそうなって行くんじゃないかっていう予感はあったけどまさか・・・!寄宿学校でも優等生だったあのセルジュが?!みたいな感じでした。

セルジュは寄宿学校のブロウという不良と付き合っていたんだけど、その交際内容は、もう滅茶苦茶といった感じでした。セルジュは、勉強が大嫌いなので、授業の点数を稼ぎたいために不良男子生徒に日々身を売る生活を送っているので、レポートを自分の代わりに書いてくれる男子生徒にはいつでも平気で身を売っているのでした。

『風と木の詩』の漫画の中では、ジルベールとブロウのセックスシーンもありました。それはあまりにもえげつなく吐き気がするようなシーンでした。いっちゃ悪いけどロマンもへったくれも無い感じでした。まさに、ただ獣に美少年が襲われているだけって感じですね。

でも彼はそういう放蕩した生活を捨てきれず、いつまでもダラダラと堕落に身を任せてブロウのような下品で野蛮なタイプの男性とも縁を簡単に切れずにうらぶれた日々を寄宿学校で送っているのでした。

また、セルジュは、ブロウだけでなくて他のレポートを書いてくれる男子生徒全員と関係があり、まるで男娼婦のような人生を送っていたのでした。

けれど、セルジュと恋仲になってからは、彼一筋みたいに一時的になって行き、何と、寄宿学校から脱走して駆け落ちまでしてしまいます。

叔父のオーギュストととも異常関係で、できてるし、オーギュストは何と本当は叔父では無くて実の父親だというとても複雑な関係なのです。

し、しかもジルはまだ幼い8才の時に大きな屋敷に住むボナールという彫刻家の男にレイプされたという悲惨な過去を背負っています。さらにその屋敷から飛び降り自殺未遂をしたこともありました。

すごい人生を歩んでいるか弱い美少年、でも気位はものすごく高い、そんな感じの性質の持ち主、それがジルベールです。

まさに漫画の中では日々、滅茶苦茶な人生を送っているジルベールです。セルジュの愛だけが彼を救ってくれるかも・・・ってそんな感じでしたね。

セルジュは高級娼婦の息子でした

セルジュは高級娼婦パイヴァの息子です。

だから母親似の情熱も持ち合わせています。

なので、ジルベールと恋に落ちてしまった時は、母親似の情熱的な面が出て、あんなに優等生としてテキパキと頑張っていた寄宿学校を平気で辞めることが出来たんだと思います。

でも面食いなんだなあって思いました。優等生なのに価値観が美に対して弱いのがモロ出しでちょっと
ガッカリな面もあるけど、ある意味それが青春時代ならではのピュアな感覚かもしれませんね。

なぜなら、ジルは、顔が美しい以外は全ての面において、常識的な論理間にかけていて野生そのもので本能の赴くままに行動し、思いやりにも欠けていて知性もそれほど高いとはお世辞にも言いようがない
人物だからです。

つまり、容貌以外は殆ど取り柄が無いと言っても過言では無いという意味です。

セルジュのお父さんはピアニスト志望者でした。

セルジュは、その才能をしっかりと受け継いでおり、ピアノ演奏の才能が抜群でした。

ただ、肌がとび色のため周囲から差別的な目で見られることが多くてちょっと不憫な面もありましたね。

また、お父さんはアスランという名前ですごくハンサムで、高級娼婦パイヴァと駆け落ちするシーンが
とても感動的でした。二人とも最後結核という病気になって死んでしまうところがちょっと悲劇でしたが、今、その辺のところを考えるとパイヴァは、お金持ちの侯爵のおじいさんのパトロンがいて一緒に屋敷で暮らしていたのでその人がプロの魔術師に呪いを依頼した可能性もあるんじゃないかと一瞬思いましたよ。

もう仕事を干されて廃人寸前まで追い詰められるのは女だけの時代は終わったと思います

少なくとも『風と木の詩』の中のジルベールの生き様を見ているとそのように感じられました。

男性が女性だけを見て反応したり情欲を感じる時代は終わりを告げたそんなイメージが強く感じられるのがこの作品の大きな見所だと思います。

たくさんの男たちが獣のようにジルの体の上を這い蹲って通り過ぎて行く、そして淫らな行為を遂げて行く、その反復活動が頻繁に実行されている、なのに優等生のとび色の肌のセルジュだけが本気になってしまい、その後色んな世間の荒波に揉まれて行くそんな感じの流れの漫画でした。

男性が男性の美しい女みたいな顔を見て欲情したりうなじや腰を見て色気を感じる時代に既に突入しているニューハーフを見ても分かるけど、男性にすごくちやほやされてモテテイルんだからそういう男性は気づかれていないだけで絶えずあちこちにたくさん潜伏していると思いますよ。

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