サブキャラ3人の魅力 - ひだまりスケッチ×365の感想

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ひだまりスケッチ×365

4.504.50
映像
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ストーリー
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キャラクター
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声優
5.00
音楽
4.50
感想数
1
観た人
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サブキャラ3人の魅力

4.54.5
映像
5.0
ストーリー
4.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
4.5

目次

主役陣をしっかり支える脇役たち

本作は基本的に、ゆの、宮子、ヒロ、沙英のひだまり荘に住むメインキャラ4人のエピソードを中心として展開していく。しかし4人だけでは物語は成立しない。4人に関わってくる多くのキャラがいてこそ本作は成立しているのである。本作は、そんなサブキャラたちもとても個性的で魅力のあるキャラが多い。ここではそんなサブキャラから3人を取り上げて、その魅力を改めて確認していく。

 いろいろと言動に問題はあるものの誰よりも生徒思いな美術教師吉野屋

まずは、ゆの、宮子の担任の吉野屋先生。この人の魅力は何と言っても奇抜な言動だろう。この人本当に教師なの、と言いたくなりそうなきわどい行動や発言がかなり多くの場で見られる。学校に遅刻することがよくある。デッサンのモデルに自らがなろうとコスプレして授業に臨む。モデルにならなくても奇抜な服(吉野屋本人は身だしなみと主張している)で授業をしようとする。そのたびに校長のお叱りを受けている。その一方で、「将来向かっていくべき場所に後押しできることが幸せ」とまでに生徒のことを真摯に考えていて、教師という職業に対する自己認識も強い。次作以降ではあるが、ヒロの進路の悩みを丁寧に聞きアドバイスするシーンがとても印象的である。このような、いいところと悪いところを併せ持つことが、非現実なのに人間味を感じさせ、吉野屋先生をより魅力的にしているのだと考える。もちろん、バイタリティあふれる担当声優、松来未祐さんの熱演が吉野屋先生の人気の根底にあったことは言うまでもない。

 吉野家のいいところをきちんと評価する校長

その吉野屋先生の真摯な部分をきちんと評価している校長を次に取り上げる。やまぶき高校は私立高校であるから、人事の決定に校長が少なからずかかわっているものと想像できる。つまり、吉野屋先生がやまぶき高校で教師をしていられるのも校長先生が採用について前向きな判断をしてくれたからである可能性が高い。なぜなら、吉野屋先生のあの性格である。採用試験においてボロが出ないわけがない。そんな半分ふざけた言動に中にも校長は光るものを感じ取ってくれたのだと思う。それだけでも十分校長は魅力的なのである。今のは作中に触れられていない憶測の域を出ない事柄であるが、作中の言動から校長の魅力を考えると、やはり生徒思い、ということであろう。コンクールでは美術に順位をつけるものではないのだが生徒のやる気につながってくれれば、と語っているし、校長という立場上生徒とのかかわりが少ないことから学食に出向いて生徒と交流を図ったり、校内を見回っては生徒に話しかけている様子も見られる。常に震えているが優しい口調で話しかけていて、校長の人柄がうかがえる。吉野屋を叱る際にも時に優しい口調になることがあり、それかが逆に怖さを生み出している。

 なぜか神出鬼没のアルバイター大家

最後に取り上げるのがひだまり荘の大家である。大家のさばさばした性格と行動力があったからこそ、宮子がひだまり荘に入居してきたと言えるので、宮子ファンにとっては大家は神様であろう。これはどういうことかというと、ひだまり荘をリフォームした際、予算が足りなくなり大家自らが手を加えたが、なにぶん素人仕事であり、202号室のリフォームが完全ではなく、床下に湿気取りの乾燥剤が無数にあったり、雨漏りがしたりする。このために202号室だけ家賃が安く設定されており、貧乏な宮子やその家族がひだまり荘への入居を決める要因になったと考えられるためである。大家の魅力は神出鬼没でおいしいところを持っていくことであろうか。ゆのたちの行く場所の先々でバイトをしていることが多く、またバイトしてるよ、という感じで話題をさらっていく。そしてそもそもバイトする理由とはなんなのかを考えるのも興味深い。当人は「大きな買い物をした」と言っているのだが、それがひだまり荘のことなのかについては言及していない。これがひだまり荘なのか、はたまた別のものなのかについても想像がはかどるところであろう。また、変に上から目線でなく、ひだまり荘に下宿するゆのたちを本当に陰から支える縁の下の力持ち的なところも魅力の一つだろう。さらに、禁煙しようとしてもやめられないことが、人間味を感じさせる。大家のシンボルマークが禁煙マークというのも面白い。

 悪いキャラがいない

ここでは3人取り上げただけだが、本作には腹黒いキャラが誰一人として存在しない。それが、本作を安心して見られる大きな要因になっている。悪い方の事件が起きないということはゆのたちのほのぼの高校生活だけを追いかけていけばいいことになり、キャラの魅力をより強く感じとることができるのである。今取り上げた3人以外についても、作中の言動だけにとどまらず、描写がない裏設定、たとえば過去にあっただろう言動や、主要キャラの裏でのサブキャラの言動なども想像してみると面白いだろう。

 

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