こち亀の魅力って?
ずっと変わらない、個性豊かなキャラクター達の安定感
こち亀には主人公両津勘吉はじめ、個性豊かなキャラクターたちが数多く登場する。中でも中川、麗子、大原部長、寺井、本田はレギュラーで登場している。こち亀を多く読んでいる読者は彼らのキャラクターが完璧に出来上がっており、作品の中でも我々読者の持つイメージが壊されることはほぼ無い。彼らのキャラクターは長いスパンで見るとわずかながら変化を加えてはいるものの(堅物キャラの大原部長が孫のだいすけ君の登場によって人間らしさを出し始めたのは良い例であろう。)、キャラクターの設定に変化はない。稀に中川が両津によってとんでもない目にあわされることもあるが、それを面白いと思う読者はあまりいないのでは無いだろうか。それは、良い意味で私たちがキャラクター達に対してキャラ設定どおりの行動をしてオチまでもっていってほしいと思っているからであり、読み手の期待通りのオチ(大抵両津が痛い目をみる)で終わることで満足感を得られているのでは無いだろうか。この漫画が一話読み切りで次の話と関連が無いのも良いところで、話の中でキャラ設定がブレまくっても(両津がトリになったり、派出所が爆発して消滅したり)次の話で修正して元通りになると分かっているから読み手は安心してハチャメチャな話でも読めるのである。
古き良き下町を描く、感動ストーリー
こち亀には両津の幼少期を描いている感動ストーリーが挟み込まれている。勝鬨橋の話やパイロットになった旧友と再会する話は有名だ。こち亀はジャンルで言えばギャグ漫画であり、多くの話が両さんのドタバタ劇を見て終わるだけなのだが、こち亀の魅力にこの古き良き下町を描いてるシーンが多く登場している。話として成立していなくても、ボーナス争奪戦の中で出てくるプラモ屋の親父なども結局両津のことが憎めないのであり、下町の人情のようなものを感じることができる。潰れそうな駄菓子屋が出てくるあたりも作者の秋元氏が古き良き下町を愛していることが読み取れる。
男心を惹きつける美女たち
こち亀に登場する女性は例外なく美人で魅力的だ。麗子をはじめとして、纏、小町、直子、ジョディー、乙姫右京、早矢みなそれぞれ性格はバラバラ、タイプもバラバラであるが見事に美女ばかりである。これはこち亀のターゲットが主に男性であることを顕著に表しており、もちろん読んでいて悪い気はしない。そして不思議なことに彼女たちの一人として彼氏や恋人の存在をちらつかせない。男心をよくわかった設定である。最近ではセクシー路線があまりにも顕著に出すぎていて読者としては複雑な気持ちになることもあるが、女性が皆目の大きな未婚の美女というのはこち亀の魅力の一つではないだろうか。
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