ダラダラ続いている企画なのか!?
変化・進化している点
本編を観ながら一生懸命探してみましたが、特に、前作シリーズから変化・進化している点が見当たりません。
また、視点を変えて、出演しているキャストなどにも注目してみました。
ただ、この点においても、ほぼ変更されておらず、そのまま突っ走って制作されている印象が強い作品です。シリーズ化されているアニメ作品においては、どこか変化をさせながら、改善を図っていくことが多いのではないでしょうか。
しかし、一切の変化・変更をしている様子が見受けられないのです。
逆説的に考えてみれば、改善する必要もなく、完成されたスタイルのアニメ作品であるといえます。ただ、悪く考えてしまうと、ダラダラと続いてしまっている企画と受け取れなくもありません。どう捉えて、どのように考えるか、それは視聴者に委ねられている部分だといえます。ただ、当コンテンツのシリーズは、好評で当シリーズ「Evolution」の後にも続いています。
また、企画としては、他企業とも連携して独自の広がりをしていることも特徴的です。
SONYと連携してプレイステーション3の販売PRをしているシリーズ、桃屋と連携して関連商品の販売PRをしているシリーズ、他アニメ作品とのタイアップを実現しているシリーズなど、他作品では見られない広がりをしています。そういった他企業との連携をみせるようになったのは、当シリーズの後の展開です。
どちらかといえば、ダラダラと続いている企画ではなく、完成されたスタイルのアニメ作品と考えることが自然なのではないでしょうか。
ダラダラ続く企画というのは、どこかで打ち切られ、淘汰されるものだと考えられます。このシリーズの後の展開や反応をみると、個人的な見解ではなく、客観的な評価としても高いコンテンツだと考えるべきでしょう。
「職員室に呼び出し」編の考察
先生と生徒をテーマに描いており、シリーズ初のシチュエーションといえます。
それだけに変化が見当たらない当作品の中でも、新しい企画・取り組みと捉えることができます。この関係性で面白い部分は、本来は、生徒を導く先生の発言が、突拍子がない内容が多いという点です。しかも、生徒が職員室に呼び出されており、当初のシチュエーションからツッコミどころが満載なのです。
授業中に消しゴムを切って遊んでいたことで、先生が生徒に注意をしています。
しかし、それは、授業中に集中していなかったことを怒られている様子ではありません。消しゴムが勿体無い、消しゴムが可哀想という理由で延々と怒られているのです。すでに、話の開始時点で不思議な展開だと考えられます。そんなことで、注意して怒られる展開が現実社会で在り得るのでしょうか。消しゴムの使い方は、所有している個人の自由であって、そもそも先生に注意・指摘される筋合いがないと考えられるのです。
こんなことで、先生に怒られた経験のある方が、実際に存在するのでしょうか。
ゼロとは言い切れませんが、存在したとしても、極少数の方なのではないでしょうか。
まず、冒頭から注意されている内容そのものが、突拍子のないもので不思議なことなのです。先生に注意される筋合いではないことで、わざわざ職員室に呼ばれて注意・指摘されていることがおかしいと考えられるのです。
すでに、与えられているシチュエーションそのものが理不尽なものであり、無茶振りの内容と考えられます。また、生徒も友達の名前を出して責任転嫁しようとする場面や、「練りケシ」という存在を持ち出すことで、先生からの注意されている内容を更におかしな方向に導いています。
当コンテンツにおいて、ツッコミ役が存在しません。そのことから、一度、変な方向に向かうと軌道修正が効かないのです。
結果的に、話の冒頭から最後まで、視聴者は心の中で「おかしい」と繰り返してツッコミ続けることになります。大笑いできる内容ではありませんが、それぞれの登場人物に与えられた無茶振りが面白さの真骨頂なのだと考えられるのです。
「オタクくん幻のフィギュア発見」編
当作品の最終話という位置付けであり、また、唯一として登場人物が一人の話です。
ただ、内容は締め括られておらず、最終回らしくない最終回とも考えられます。そして、ショーウインドウに展示されている美少女フィギュアに向かって、延々と独り言を述べているだけなのです。そして、オタクくんは、初代シリーズから継続して登場している人物の一人です。それだけ人気の高いキャラクターだと考えることもできるのではないでしょうか。
また、これまでは、自販機で「缶おでん」を買う話、フィギュア鑑賞会の話で登場していました。
フィギュアが扱われるのは二回目ですが、この回の話が、最もオタクくんの日常生活を描いたものといえるのではないでしょうか。前回の鑑賞会は、鑑賞会というイベントです。そして、イベントというからには、非日常だからこそのイベントなのであって、日常生活と呼ぶことはできないと考えられます。
そういった観点からすると、今回の内容は、オタクくんのオタクくんらしい日常生活だと考えることができるのです。そして、言葉遣いと引き笑いを強く打ち出すことで笑いを誘っており、全力で気持ち悪さを演じきろうとしています。ここまで役になりきれて、演じきれるプロの役者の凄さを感じられます。
オタクくんは常に一人の登場であり、独り言として話している量も、他の話と比較したら2倍近いと考えられるのです。そして、面白い話になるのか、つまらなくなるのか、役者一人に委ねられている部分が大きいとも考えられます。
登場人物が一人というだけで、確実に、他より高いパフォーマンスを発揮している話と考えることができるのではないでしょうか。
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