アニメ制作された意図が!? - いっしょにとれーにんぐの感想

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いっしょにとれーにんぐ

3.553.55
映像
4.50
ストーリー
1.00
キャラクター
4.00
声優
4.50
音楽
4.25
感想数
2
観た人
2

アニメ制作された意図が!?

3.63.6
映像
4.0
ストーリー
1.0
キャラクター
3.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

トレーニングメニューの考察

本編において、物語性と呼べるものは一切ありません。

潔く、一切のストーリー性が省かれて制作されているアニメーション作品です。

ただ、10~15分という時間のトレーニングに絞った内容といえるので、映像を流しながら筋トレするのに適しているのかもしれません。

しかし、その内容の割には、トレーニングメニューは、腕立て伏せ、腹筋、スクワットの3種類のみで構成されています。そして、回数設定も基本的には12回の設定であり、男性向けの内容としては物足りないメニューなのではないでしょうか。

女性向けであったとしても、主人公「ひなこ」のナイスバディーぶりを強調する映像は受け入れられるものではないと考えられます。

本来のターゲット層として、ナイスバディーの主人公「ひなこ」を押し出した内容は、男性向けのものなのだと考えられます。しかし、回数設定が軟弱過ぎることから、本気でエクササイズやトレーニングに取り組む方ではなく、ライトユーザー向けのものだと考えられます。

もしかしたらですが、男性でありながら、太った体型で12回の腕立て伏せや腹筋、スクワットも困難な視聴者層に向けられたものだったのでしょうか。

しかし、「ひなこ」の身体を強調した映像は、トレーニングとは別の感情を呼び起こすものと考えられます。

本当に、テレビや画面の前で視聴者がトレーニングすることを想定して、映像が制作されているのかも疑問に思えてきます。特に、「ひなこ」の大きく揺れる胸、ずれ落ちている肩紐、股関節にズームアップした映像は、トレーニングを阻害する要因でしかないようと考えられます。

アニメーション映像におけるカメラワークは、お色気要素が強く打ち出されており、トレーニングという目的と映像の内容に整合性がないとも受け取れます。

「ひなこ」は画面の前で視聴している私たちに直接、話し掛けています。

そして、一緒にトレーニングをすることを前提に本編が進んでいきます。実際にトレーニングをしないで、映像だけを観てみましたが、苦痛に感じられるのは間違いないです。

6W2Hに分解して考察

改めて、6W2Hに分解して考えていきましょう。

WHY(実行目的)

⇒トレーニングにより、ダイエットや肉体を引き締める目的。

WHAT(実行目標)

⇒12回を1セットとして、3セットをこなす。

WHO(実行者)

⇒主人公の「ひなこ」

WHOM(対象者)

⇒画面の前に居る視聴者

(※男性視聴者を想定している)

WHEN(実行期間)

⇒視聴者に委ねられている。

WHERE(実行場所)

⇒ご家庭

(※ただし、自分の部屋に限られる)

HOW MUCH(実行予算)

⇒OVA作品のDVD本体価格

(※レンタルすることもできる)

HOW(具体策)

⇒腕立て伏せ、腹筋、スクワットの3種類

⇒主人公「ひなこ」が一緒になってトレーニングする。

⇒回数を数える

⇒「ひなこ」がコスプレをすることで、映像に変化がある。

⇒回数を数えず、ただ吐息を漏らしている場面もある。

以上の分解が成り立つと考えられます。

これは、トレーニングという目的があるため、まず繰り返し視聴されることが想定された本編なのだと考えられます。

そして、実行場所の想定ですが、必ずご自身の部屋で誰も入ってこないことが前提でしょう。ご家族の集まるリビングで、これを観ながらトレーニングをしていたら、ご両親や奥さま、兄弟、姉妹は、目も当てられない状況になることは容易に想像できます。

画面の中で胸を揺らしている主人公「ひなこ」と、画面の前で、トレーニングをしている視聴者本人の姿はシュールである以外の何ものでもないでしょう。どんな声を掛ければ良いのか、分からない状況になります。

そのことから、必ず誰にも見られない状況でトレーニングするべきなのです。

そして、具体策に記載している「吐息を漏らす場面」ですが、回数を数えてくれる「ひなこ」はトレーニングするのに便利です。しかし、回数を数えるのを止め、一緒にトレーニングをしながら吐息を漏らしている場面があり、画面の前でトレーニングしている視聴者のメリットを損なっています。それだけなら良いのですが、音声だけで聞いていると濡れ場を想像するもので、トレーニングしていると複雑な気分になってきます。

謎の体操が始まる!?

トレーニング目的であった体操から、本編途中から、主人公「ひなこ」が謎の行動をとります。

腕立て伏せ、腹筋、スクワットの3種類のみで構成されていたトレーニングメニューから逸脱して、回数に合わせ、大きな胸を揺らすだけの「ひなこ」は目的を果たすものではありません。また、ベッドの上に寝そべり、回数だけを数える「ひなこ」の姿もありました。

回数を数えてくれているだけ、吐息を漏らしているより、画面を観ずに黙々とトレーニングを続けていれば良いとも考えられます。

しかし、アニメーション映像としては、急にトレーニングとは違う行動に走る「ひなこ」に驚かされ、突拍子のない行動に笑ってしまいます。あまりの突拍子のなさから、視聴者に対しての「ウケ狙い」という要素も意図されていたのだと考えられます。

本編の登場人物は「ひなこ」一人なので、誰もツッコむことはしません。しかし、画面の前の視聴者がツッコむことを前提として、制作されている場面なのだと考えられます。

以上のことから、トレーニング目的であることが本分なのです。

しかし、トレーニングとは全然違った方向性である、笑いを狙ったギャグ要素も意図的に取り入れられていると考えられます。そして、それは、繰り返し観ることを想定されている本編を、視聴者に飽きさせることのないようにする工夫と考えることができます。

本当のところ、自由な行動をする「ひなこ」は、どのような意図があったのでしょうか。

制作スタッフだけが知るところなのでしょうが、皆さんはどのように受け止められますか?

アニメ作品とは別定義

一般的なアニメ作品と比べることが無意味な作品と考えることができます。

それは、制作された目的が、トレーニングにあると考えられる為です。

他に、そんな目的で制作されたアニメ作品を知りません。ストーリー性を重視したり、笑わせることや泣かせること、感動させることを目的に制作されているのではないいでしょうか。

比較対称として挙げるべきなのは、エクササイズ動画と呼ばれるものが良いのかもしれません。

以前に流行った「ビリーズブートキャンプ」や、実物の女性が体操・運動している映像が、当作品の比較対象として望ましいのだと考えられます。

そして、それらと比較した際にいえることは、アニメ作品であるということ、主人公「ひなこ」のお色気要素と考えることができます。アニメ媒体の映像を好む層、さらに、「ひなこ」というキャラクターを好む層に向けられたコンテンツなのだと考えられます。

トレーニングやエクササイズ動画として、当作品を捉えたとき、異質な存在であるのは間違いありません。

しかし、意図的に独創的な企画を打ち立て、ファンを取り込もうとする狙いは理解できます。

ただし、女性キャラクターに惹き付けることが世間一般に受け入れられると考えているなら、主人公が、「ひなこ」以外のバリエーションもあって良いのだと考えられるのです。

男性による女性像の好みというのは、人それぞれで分かれるものです。もっと、「ひなこ」とは別タイプの女性キャラクターを打ち出したものが必須だったのだと考えられます。

企画そのものが、中途半端に終わってしまったように感じられ、その後に進んだ方向性も違っていたのだと考えられます。

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