男性心理について考える - AIKa ZERO アイカゼロの感想

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AIKa ZERO アイカゼロ

  • 声優
3.603.60
映像
4.00
ストーリー
2.00
キャラクター
2.00
声優
5.00
音楽
5.00
感想数
1
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男性心理について考える

3.63.6
映像
4.0
ストーリー
2.0
キャラクター
2.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

どの層に向けられたコンテンツなのか

お色気要素が、当作品の大きな特徴と捉えることができます。

そして、お色気要素の中でも、スポットを当てている点が非常に偏っており、制作スタッフや原作者の嗜好を強く感じられます。きっと、制作スタッフや原作者は、相当なお尻フェチなのだと思います。女性の身体を強調することで、お色気路線を突っ走るアニメ作品は多いです。しかし、お尻を描くことに偏っているのは明らかです。

OVA作品は地上波放送されるアニメ作品とは違い、お色気要素を強く打ち出せることが強みなのではないでしょうか。OVA作品であることの強みを活かしきった内容だと捉えることができます。

また、描写においては、お色気要素だけに限らずに血しぶきや、残酷・残忍な描写などの規制も弱く、大胆に描かれているものが多いです。刎ねられた生首や、腹が破れ、内蔵が飛び散る描写もOVA作品ならではのものといえます。

しかし、当作品においては、残酷・残忍な描写は、ほぼ見受けられません。

OVA作品による描写の強みの活かし方が、お色気要素に一点集中しているのです。

そして、無意味にお色気要素を打ち出しているようにも思えます。アニメ本編における物語性という観点では、お色気要素を強く打ち出すことに整合性がないのです。そんな描写がなくても、物語性には、ほぼ影響がないように思えます。不自然なかたちで、お色気要素を乱発させているように感じられます。

そして、お尻フェチさを感じる部分として、お色気要素の大半は、女性キャラクターのお尻やパンツを打ち出しています。胸が露わになる場面もありますが、圧倒的にお尻比率が高いのが特徴だといえます。

そして、アニメ本編の中で、下から上を見上げるようなアングルの場面が多いです。

明らかに女性キャラクターが穿くミニスカートを意識したカメラ目線の描写です。そして、ストーリーの序盤ではパンチラだった描画から、アニメ本編が進むことで、パンツをモロ出しする描写が増えています。パンツの露出具合が、物語序盤から後半になり、明らかに強くなっています。

この点には、観る側を映像に惹き付けようとする、制作スタッフの意図があると考えられます。

お尻フェチという方にとっては、良い作品なのかもしれません。

お色気要素を打ち出すアニメ作品においては、女性の胸や濡れ場場面を打ち出し、お尻に焦点が当ることは少ないように思えます。そこの部分は、当作品の揺るぎない特徴であり、象徴するものといえるレベルにあるのではないでしょうか。

そして、限られた一部の、尻フェチ嗜好の層に向けて制作されたOVA作品であると考えられます。

二転三転する展開

アニメ本編において、主人公アイカと敵対勢力、という図式が明快な内容です。

敵対勢力の目的もあまり明確にされず、誘拐された女性たちも、誘拐した理由は明かされないまま物語が締め括られました。

ストーリー性という観点においては、単調なものであり、主人公の優勢・劣勢が二転三転する展開が続いただけのように感じられます。また、物語において、メッセージ性のようなものは感じられません。そのことで、前述しているように、お尻フェチの満足度を高める要素が、どうしても強いように感じられます。

そして、投げっ放しになっている振りも多かったように思います。

思い返してみると、疑問が残ったまま、解説されていないことは多いです。

主人公を含め、女性キャラクターたちを襲った、光の線状のようなものは何だったのでしょうか。そして、主人公のアイカが攻撃を返すことで、光の線状のようなものは、どうして光を失い、黒くなったのでしょうか。

そして、女性たちを誘拐していた目的も分からないことも、釈然としないように感じられます。あれは、女性たちを売り飛ばすことを目的としていたのでしょうか。それとも、自分たちの仲間を増やそうと、手となり、足となる手駒となる存在を確保したかっただけだったのでしょうか。

アニメ本編の中で、消化不良なものが多く、観終わったあとに爽快感は味わえません。

明らかに、アニメ本編の内容は説明不足であり、お色気要素を強調している場合ではなかったように思います。時間配分の仕方は、明らかにアニメ作品として間違っているように感じます。

戦闘機による飛行戦

主人公アイカの愛機は、旧式の零戦を思わせるデザインで格好良いです。

また、飛行戦においても、強く打ち出されたお色気要素とは違う路線で、格好良い場面だったように感じました。自由に空を飛び、機関銃で戦闘する場面は、映像としても美しいものです。こんな場面をもっと増やせば、アニメ作品の印象も変わっていたように思います。

しかし、戦闘機自体の不調、正体不明の攻撃により出番は少なかったです。

これは、とても勿体ないことのように感じられました。特に、最後の見せ場で、戦闘機が敵対勢力の兵器を撃墜する場面は、CG技術との組み合わせも上手です。

男性キャラクターの存在

当作品の主要人物は、ほぼ女性キャラクターであり、男性キャラクターが活躍する場面がないことも特徴といえるのかもしれません。

そのことから、男女の恋愛要素が描かれていません。

それがあったら、物語として面白さが加わったのかもしれません。主人公たちの行動にも、観る側として感情移入できたものは強かったのだと思います。しかし、意図的に男性キャラクターの存在を省いたのでしょう。それは、恋愛要素を潔く切り捨てることで、お色気要素を強調する意図が感じられます。

決して、年齢規制されるような内容の作品ではありません。

しかし、凄く偏ったお色気要素を強く感じられるのも、男性キャラクターの存在がないことも大きいのだと思います。パンツの描写があることで、赤くなる男性キャラクターの存在があれば、観る側としての面白さは強いものになったように思えます。そして、見られて恥ずかしい女性の心理という要素も生まれたように思えるのです。

変な例えかもしれませんが、女子校のノリであるように感じられます。

現実社会の女子校においても、異性の存在がないことで、恥じらいという感覚は薄いそうです。スカートの中を、恥じらうこともなく下敷き・団扇で煽いでいる生徒が多いと伺ったことがあります。また、肌の露出なども、大胆になると聞いたことがあります。

まさに、このアニメ作品の印象が、そのまま当てはまるように感じられるのです。

もしかしたらですが、男性キャラクターを描くことで、一層に色気要素を強調させる結果になったのかもしれません。

そして、男性の視聴者を女性キャラクターに惹き付けようとした意図も考えられます。

もし、男性の視聴者が、お気に入りの女性キャラクターができた時、その女性キャラクターと男性キャラクターとの恋愛展開は歓迎するべきことではないでしょう。

女性アイドルが恋愛することで、男性ファンが離れてしまうことと同義だと考えられます。

女性キャラクターをアイドル化させることで、男性キャラクターを惹き付けようとしているようにも考えられるのです。

だから、恋愛要素を潔く描かなかったのかもしれません。

そして、これにより男性の視聴者は、お気に入りの女性キャラクターを「俺の嫁」と捉え、妄想を膨らませるのではないでしょうか。そういった男性心理をついた構成なのだと考えられるのです。

 

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