何がしたいのか、よく分からないアニメ作品
ようやく第0話をみて理解できた(笑
第1話から観始めましたが、全体的に何がしたいのか、どこに向かっていくのか、理解ができないアニメ作品でした。それで第0話という話を後付けで追加したようなかたちになっているのではないでしょうか。一般的に、第0話というナンバーをつけることはありません。補足説明や、本編に入る前の話として、後付けで第0話が作られることが多いのではないでしょうか。逆に中途半端な回から、アニメを観始めても意味が分からない方が多いでしょう。私の場合、第1話から観ても理解できなかったので、一般の視聴者でも分からない方が多かったように推察します。
しかし、前提条件が分からなくても、それなりに面白く感じて観ることができました。それは1話1話が完結されている内容で、物語の展開や、ガーネットの天然ぶり、クリスの冷静さぶり、その掛け合いが面白いからです。
これはこれで凄いことのように思いませんか?
そして、第0話を観て、ようやく話の本筋と前提となっていることが理解できました。
ガーネットとクリスは、宇宙の中でどこかに取り残されており、SOS信号として映像を発信して救援してもらうことに向かっているのです。そして、SOS信号の映像を楽しい作品に作り上げることで、救援される確率を上げていこうと考えているようです。
すでに、この時点で目的に対しての手法がズレており、面白い部分です。しかしながら、この前提の設定を否定してしまうと物語が始まりません。それを受け入れてから、観ていくと面白さが増していきます。特に途中から、SOS信号である前提すらも薄くなっていくので、そういう前提条件ですら、観ているとツッコミ要素となってきます。
オープニング曲
この曲、最近人気の声優、金田朋子さんが歌っています。声質が特徴的なので、簡単に気付くことができました。特に金田朋子さんは最近、バラエティー番組に多く出演されていますので、尚更なのではないでしょうか。
歌手に金田朋子さんを起用したことも意図的な部分なのでしょう。歌い方を聞いていれば、金田朋子さんの世界観がとても強く打ち出された曲となっています。元から音痴なのか、それとも狙って音痴のように歌っているのか、定かではありません。しかし、良くも悪くも、金田朋子さんらしい歌い方でオープニング曲から笑ってしまいます。なぜ、ここまで堂々と音痴に歌えるのか、そういった意味で感心させられます。
ガーネット
天然だけど、身体能力は常人を遥かに超えたレベルにあります。時速1200kmの投球をすることができるというのが面白いです。本編でも軽く触れられていますが、時速1200kmといえば音速と呼べるスピードであり、尋常ではない身体能力であることが伺えます。しかし、投球スピードは凄くてもコントロールは悪いようで、野球という競技においては、殺人ボールとなる点に笑ってしまいます。
また、精神構造は単純そのもので、クリスの口車に乗せられるかたちで、目の前の課題や難関に対して、猪突猛進に取り組んでいきます。そして、天然という要素は侮れず、クリスには即却下にされてしまいましたが、「ガンダム無双」をモチーフにした「ガンタン無双」という企画を立案するなど、発想の豊かさは素晴らしいものがあるように思います。
クリス
冷静沈着で大人しい女の子ですが、それとは裏腹に、相当な毒舌キャラであることも個性的です。そして、沈着冷静のようですが、彼女自身もガーネットと同様に天然キャラであることも否定できない部分なのではないでしょうか。時速1300kmの投球を、ガーネットがバッティングしますが球威が尋常ではない為、木製バットは簡単に破壊されます。木製バットで時速1300kmの投球を打てない理由に、真に当てないから、と断言する様子は天然キャラ以外の何者でもないでしょう。
彼女もまた独特の世界観をもっており、ガーネットとは相性抜群のコンビであることは間違いないように思います。
ガーネット一人では、救援を求める具体策を打ち出せないでしょう。しかし、クリス一人でも同様に具体策を打ち出せないように思います。役割分担としては、頭脳プレイのクリス、実行推進役に、ガーネットという図式で配置され、それぞれが良い仕事をしているように感じます。
ボルトくんの存在
第3話で登場するボルトくんに、とても懐かしさを感じました。今ではアラフォーと呼ばれる世代でしか、元ネタを知らないのではないでしょうか。
元ネタはバラエティーとして、大人気だったスポーツ番組「ビートたけしのスポーツ大賞」に登場した「カールくん」「小カールくん」が題材になっているのは間違いないと思います。当時は100m走で世界新記録保持者であったカール・ルイスをモチーフに、レールの上を走る人形が作られ、スポーツ自慢の芸能人と競う企画がありました。それを、現在の100m走、世界記録保持者のボルトにしているという面白いアイデアです。
このネタはどこ向け、だれ向けの笑いであるのか、理解できない部分があります。しかし、そういう要素ですら、ツッコミ要素となってしまい、ニンマリさせられてしまうのが悔しいです。
これだけではなく、あらゆる要素のパクリが入っており、ギャグアニメとして楽しめる内容になっていますので、なかなかの秀作といえるのではないでしょうか。制作スタッフのやりたい放題な部分が感じられ、好印象のアニメ作品だと思います。
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