スパイシリーズ第4弾 - バーン・ノーティス 元スパイの逆襲 シーズン4の感想

スパイシリーズ4作目

本作でバーン・ノーティスシリーズも4シリーズ目になりましたが本題である主人公マイケルの解雇についての話があまり進んでいないのが気になるところですがドラマシリーズが好きな方にとっては良いところもあり、悪いところでもあるのだと思います。1話ずつが簡潔にまとめられてシリーズとしての構成が確立してきた頃ですがシリーズ2にて組織と、シリーズ3では警察といった敵対組織の変化によるマイケルの心情や行動の違いなどがとても興味深く、スパイという仕事の過酷さなどがよく描写されていて良いと思いました。

スパイとは普段は私たち国民の目には触れることのない場所での仕事が主となっているイメージがあり、映画や小説の中の物語のような仕事だと思っていましたが本作においてスパイのイメージの幅が広がったと思います。本作におけるマイケルはスパイを解雇されたとの設定で街の便利屋のような仕事で描かれているのがスパイに必要な能力がいかに多いのかを物語っています。そんなスパイという仕事をこなしてきたマイケルの才能や能力の高さを表していて言わば前作にあたる同社20世紀FOXにて製作された24-トゥエンティフォー-やプリズンブレイク

にあった主人公たちの天才性とは別の種類の天才であり、今後の展開も含めてとても興味深く視聴が出来ると思います。

本シリーズから新しい仲間とのことでマイケルの本意でないとはいえマイケルと同じ境遇に陥らせてしまった新キャラクターの登場により、そんな超一流のスパイであったマイケルの人間らしさといった描写が多く描かれる様になりましたが前シリーズまでに描かれていた主人公マイケル像が大きく変わってしまったのが少し残念でした。180度変わったのではなく、90度ほどの方向展開ではありますがドラマシリーズとして製作する上では必要なことだと思いますが私としてはなんでもできるスーパーヒーローのような主人公らしいマイケルであって欲しかったのですがドラマシリーズ特有の人間関係や人間臭さといった面を表現するのには無理矢理な脚本かなとは思いました。

シリーズ4作目となるのにマイケルやその周りの人物についての話がほとんど語られていないのが少し気になるところです。3シーズンのサイドエピソードとしてサムの海軍を辞める経緯に至ったエピソードは良かったと思います。この調子でマイケルやフィオナ、ジェシーといった主要な人物のサイドエピソードや過去のエピソードなどを導入していただければよりキャラクターについての見識を深め、より深く物語に入り込むことが出来、キャラクター達に感情移入し、バーン・ノーティスという世界をより楽しむことが出来るようになると思います。

ですがそれらのまだ語られていないエピソードが物語の本筋に深く関わって後に全ての物語が上手く繋がるような構成であれば現状で評価を下げてしまった方にも良い結果として認識を改めることになるので大いに期待したいところです。

映像の構成

最近ではスマートフォンを始め、タブレット端末やPCといった映像作品を気軽に視聴出来る媒体が増えてきましたが私はレンタルショップにてDVDをレンタルしての視聴が好きです。

なぜかというとDVD作品では本作のシリーズだけでなく他の海外ドラマシリーズの第1話や映画の予告編といった特典映像があるからです。海外ドラマシリーズが好きな人にとっては本シリーズが完結した後にも他作品の視聴も考えているので後の楽しみを得られるからです。

本シリーズのDVDには収録されてはいないのですが本作の予告編の映像の出来はとても良かったと思います。私は本作を視聴後の他作品を視聴した際に本作予告編を視聴したのですが各シーンの魅せ方、構成や映像の切り出し方といった編集がとても秀逸でまた観たくなるような作品への引き込ませ方が非常に良く出来ていると感心しました。

海外ドラマシリーズの魅力

ある程度の海外ドラマシリーズを視聴していると出演されているキャストの方にも興味が湧いてきます。本作の製作会社でもある20世紀FOXの作品だと良くあるのですが異なる作品に出演されている俳優さんや女優さんの演技にはとても感心します。私は海外ドラマシリーズだけでなく映画などを視聴する際には必ずオリジナルの音声から作品の視聴をします。吹き替え版では分かりづらい俳優さん達の声のトーンや感情といった視覚以外から得られる情報は意外と物語を楽しみ、深く理解する為には必要不可欠であると思います。

現代社会では誰しもが利用したことのある電話が良い例だと思います。電話では相手の顔が見えず、相手の声から感情を読み解くことが重要となってきます。特に仕事などで面識のない相手ならば尚更です。

そういったただ作品の物語や映像演出といった面だけでなく、普段とは別の視点から作品を楽しむことで新しい発見や魅力を感じ取ることが出来ます。そういった視聴の仕方からでしか物語の重要な部分についての情報を得られないことも多いので気を付けて視聴すると良いのではないかと思います。