男女の新しい在り方を示すハートフルラブコメディ - 全開ガールの感想

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ドラマレビュー数 1,147件

全開ガール

4.174.17
映像
3.67
脚本
4.17
キャスト
4.17
音楽
3.83
演出
4.00
感想数
3
観た人
4

男女の新しい在り方を示すハートフルラブコメディ

4.04.0
映像
3.5
脚本
4.0
キャスト
4.0
音楽
3.5
演出
3.5

目次

弱い男性の魅力をまざまざと

この作品の一番の見どころのひとつとして

個人的に忘れられないのは、

優男「山田 草太」の魅力、かな。

男女を逆転させたような、「弱い男」の魅力を

最大限に演じてくれたのが 錦戸 亮クン。

これはかなりハマリ役、だと思った。

とにかく印象的なシーンがあったんだ。

第7話。

草太が自分の弱さについて若葉に語るシーン。

「僕はいい人でもイクメンでもない。

 ズルい大人なんです」

って、はらはらと涙を流しながら言うの。

これがサイッコーーーーに、カッコよかった!!!

かつての時代だったら、

「男なんだから泣くな!」

って、世の男性たちはそうそう人前で

涙なんか流せなかったよね。

そういう価値観をこの「山田草太」は

在る意味くつがえしてくれてる。

自分の弱さをさらけ出して、はらはらと泣ける男って・・・

こんなに強いことは、ないよね。

また美しい涙なんだ、コレが。

錦戸クン、こういう役やらせたら天下一品だわー。

男には男の弱さや繊細さや優しさがあるよね。

泣きたいことだって、当たり前にあると思う。 

でも、「男は泣くもんじゃない」みたいな価値観が

女性側にもあったりすると、

「すぐ泣くような男は男らしくない」って、

受け入れられなかったりして

そうするとますます男は泣けなくなるんじゃない?

だけど、錦戸クン演じる「草太」のこのシーンは

「男の涙って、優しい男って、なんて素敵!!!」

って思わせてくれたと思う。

そういう意味でも、新しい男女の在り方、

特に男性の新たな魅力への開眼に、

一役買ってるんではないでしょうか。

いやー、ハートにズキュン♡ でしたわ♡

「やまとなでしこ」との比較

本作品は2011年放映のドラマで、

男女の在り方を逆転させたような

痛快子育てラブコメディーなんだけど、

2000年に放映の「やまとなでしこ」と

基本設計はほぼ同じで、

比較しながら観てみると面白い。

当ドラマの主人公「鮎川 若葉」は、

幼少時父親の借金による極貧生活をしていたので、

親のようにはなるまいと必死に勉強し、

東大を経て司法試験にも一発合格、主席で卒業し弁護士へ。

恋愛経験は一切なく、将来は大金持ちと結婚するのを夢見ており、

男性は「査定対象」としてしか見ていない。

まずこの主人公設定、

「やまとなでしこ」の主人公「神野桜子」ほぼ同様。

 

幼少時代の極貧生活がトラウマで、

将来は大金持ちと結婚するのを夢見て

努力の末、客室乗務員へ。

普通の恋愛経験はほぼなく、

やはり男性は「査定対象」としてしか見ていない。

2人とも、

目的のためには努力を惜しまない完璧主義者で

目的のためなら一直線。

思った事はハッキリと言う性格。

唯一違うのは、

「桜子」が「玉の輿」を目指しているのに対し、

「若葉」は自分も

キャリアウーマンとして

社会的にも成功しようとしている点だ。

この辺に、時代背景の違いが現れているのかなあ、と思う。

その他共通点はというと・・・

自分の理想とは真逆の男性に出逢い、最初は毛嫌いしているものの

その触れ合いによって、凍結していた自分の本心が融け、

やがて惹かれていき、最終的にゴールイン、

という、王道パターン。

しかも、自分の理想の男性をゲットして結婚式まで駒を進めたのに

その当日にまさかの逆転、、てなトコまで同じ。

「やまとなでしこ」の相手役は、

数学学者の夢に破れて家業を継いだ貧乏人の「中原 欧介」

気が優しく純粋だけど、その分打たれ弱く受け身で逃げ腰。

そんな弱みを「桜子」に突っ込まれ、辛く当られるのだけど 

そんな「桜子」の強さに惹かれ、自分自身を取り戻し、

最終的には数学学者としても成功する。

かたや「全開ガール」の相手役は

家庭の事情で料理人の夢をあきらめ、前妻の連れ子を育てながら

小さな小料理屋で働く貧乏人の「山田 草太」。

やはり気が優しく純粋だけど、その分打たれ弱く受け身で逃げ腰。

そんな弱みを「若葉」に突っ込まれ、辛く当られるのだけど 

そんな「若葉」の強さに惹かれ、自分自身を取り戻し、

最終的には料理人としても成功する。

はは・・・書いててほぼ同じだよ(笑)

その他登場人物の構成もよく似てる。

「欧介」と常に行動を共にする男友達が3名いて、

「若葉」の手ひどい仕打ちに腹立てながら、「欧介」を擁護し、

なんだかんだいいつつも、ドタバタのコミュニケーションを取っていく。

「草太」にも、常に行動を共にする男友達が3名いて、

・・・・以下同文(笑)

その他は・・・

「欧介」や「草太」に恋をする存在が現れ、猛アタック。

「欧介」は「桜子」への想いを、

「草太」は「若葉」への想いを、

それぞれあきらめるため、

その猛アタック女子と一時的におつきあいしちゃう、

というすれ違いパターン。

その恋の相手は、いずれも、「桜子」&「若葉」の同僚、ってヤツ。 

これも同じだね~。

ラブコメディのお決まりのパターン、かな。

でも、王道だから、ある意味安心してヤキモキしながら

楽しめるんだよね。

個性的な脇役俳優たち

これも「やまとなでしこ」との共通点、とも言えるけど、

とても個性的な脇役が見どころのひとつかな。 

当作品では、佐藤二郎さん演じる「モーリス 佐古田」。

鮫島桜川法律事務所所属の弁護士なんだけど、

音もなく現れては、「○○というのはねえ?」が口癖で、

得意の雑学をひたすら延々と、誰も聞いていないのにしゃべり続ける。

その滑稽で個性的な役どころ、佐藤さんならではだよなー。

出てくるとついつい楽しみで見入っちゃう。

「やまとなでしこ」で言うなら、

筧利夫さん演じる「粕屋 紳一郎」かなー。

「欧介」の友人で信用金庫に務めるサラリーマンだけど

身体能力が異常に良くて、注意してないと見逃してしまうくらい

細かな演出なんだけど、「うわ、すげー!」と思うくらいの

身体さばきが絶妙にヘン(笑)

そんな個性派俳優さんたち演じる個性派わき役も

作品を大いに盛りあげて楽しめる作品でした。

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他のレビュアーの感想・評価

可愛いラストだった

最初は出会うことがないような出会いの仕方で、酔っ払って公園でキスしてしまったのは私も急すぎてビックリしました!それからの2人の関係は目が離せなくてずっと意地張ってばちばちしてた2人なんですが段々距離が近くなってくるのがキュンキュンで。泥遊びに巻き込まれてキス寸前の距離になるところとかもキュンキュンだったし、子供がいなくなって探すところも、新垣結衣ちゃんが素直じゃないけれどちょっと素直になったシーンだったのかなって思いました。抱き合って泣くシーンもウルウルしたし。それでもまだ距離があってぎこちないのとかもキュンキュンしたりして。やっと好きって気付いたときには気持ちがすれ違ってしまって、断ってしまったのもなんでーってなったし。すれ違いの中最後にちゃんと結ばれてよかったなって思いました。最後の結婚式のシーンのキスシーンとかもすごいキュンキュンして、それを見る子どもたちがまた可愛くて。子どもと一...この感想を読む

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  • 274view
  • 526文字

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