不死鳥の騎士団で明かされるハリーが選ばれし男の子となった訳 - ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(上下巻)の感想

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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(上下巻)

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不死鳥の騎士団で明かされるハリーが選ばれし男の子となった訳

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目次

不死鳥の騎士団

アルバス・ダンブルドアがヴォルデモートの時代に対抗する勢力として創立した闇払いの組織です。創立メンバーの中にはハリーの両親とネビルの両親もいました。「炎のゴブレット」で復活したヴォルデモートに対抗するため再結成されました。グリモールド・プレイスにあるシリウスの生家が本部としておかれていました。「秘密の守人」にはダンブルドアがなっており、メンバーの中にはセブルス・スネイプもいます。不死鳥の騎士団のメンバーは成人で組織されており、ハリーはすぐにでもヴォルデモートと戦うため入りたがりましたが、モリーやルーピンたちに反対されます。

ハリーは自分ひとり何も知らされずにダーズリー家に取り残されたことに対し、とても怒っていました。しかしダーズリーの家にいさせたのは血の護りの持続を強化させるためだったようです。ハリーがダーズリー家を自分の家として認識している限り、この護りが持続するようにダンブルドアが魔法をかけたようです。ペチュニアおばさんはそのことを知っていて、ハリーを引き取ったということでした。ハリーを愛していないようにみえて、やはりリリーの忘れ形見としてハリーに愛情を抱いていたのかもしれません。

ダンブルドアはハリーを守るためにずっと避けていたと言っていました。それはヴォルデモートが傷によってできたハリーとの絆を利用し、ハリーが自分を犠牲にしてダンブルドアを攻撃することがないように守りたかったようでした。ハリーとダンブルドアの関係が単なる教師と生徒ぐらいでしかないと思わせることで、ハリーを利用してもダンブルドアを攻撃することにはならないと思わせたかったようでした。

ブラック家と「屋敷しもべ妖精」クリーチャー

ブラック家は「高貴なる由緒正しき」家柄です。多くの純血の魔法族と親族関係にあり、ポッター家とも親戚にあたります。ブラック家は代々「純血主義」の家系で多くのデスイーターが一族にいます。現時点でのブラック家の生存者はシリウスだけで、いとこにはデスイーターで、ドラコのおばでもあるベラトリックス・レストレンジと、ドラコの母であるナルシッサ・マルフォイ、マグルと結婚したトンクスの母であるアンドロメダ・トンクスがいます。シリウスの母ヴァルブルガの死後約10年間は放置されていました。

ブラック家にはクリーチャーという「屋敷しもべ妖精」がいます。クリーチャーは今では肖像画となっているヴァルブルガには従順に従っています。クリーチャーは、今はブラック家の主人となったシリウスに仕えてはいますが、家を出て行ったときに母に家系図から抹消され、マグル出身者や反ヴォルデモートを連れてきたため不満で仕方ないといった様子です。

ダンブルドアはシリウスにクリーチャーを丁寧に扱うようにと進言していたようです。主人であるシリウスの命令には背けないのが「屋敷しもべ妖精」ですが、ブラック家に仕えていることもあり考えとしてはヴォルデモートよりで、ぞんざいに扱えば痛い目にあることになると。その言葉通り、シリウスに出て行けと言われたクリーチャーはベラトリックスのもとに行き、ハリーが一番大切に思っているのはシリウスだということを教えてしまいました。そのため、ハリーにシリウスを捕らえ拷問している幻を見せておびき寄せることに成功しました。

予言に隠された真実

ヴォルデモートとハリーの因縁はホグワーツの教授でもあるシビル・トレローニの予言から始まりました。それはハリーがずっと疑問に思っていた「なぜ、赤ん坊の僕の命を狙ったのか」という問いの答えにもなっていました。ヴォルデモートが聞いた予言の内容は「闇の帝王を打ち破る力を持ったものが、7月の終わりに闇の力に3度抗ったものに生まれる」という最初の部分だけでした、そのためその子が大きくなり力をつける前に命を奪おうと思い襲ったようでした。しかし予言には続きがあり、「闇の帝王がおそった子には闇の帝王によって印がつけられ、生きるためには2人のうちどちらかがもう1人を殺さなければならない」というのが全貌でした。

ヴォルデモートは結局自分を倒す相手を、自らの手で選んでしまうことになりました。条件にある子どもはハリーだけではなく、ネビルもあてはまる子どもでした。しかし、ヴォルデモートがハリーを選んだのは自分と同じ半純血だったという理由からだったようです。ネビルの両親はどちらも魔法族の血族でしたが、ハリーの母リリーはマグル出身でした。ヴォルデモートは父親がマグルで母親が魔女の半純血です。そのためハリーを選んだのだろうということでした。ネビルがところどころで重要な役を担うのは、もう一人の選ばれし子となる素質があったからなのではないかと考えられます。ヴォルデモートは予言を聞いて実行したのにもかかわらず自分が滅びることになったため、内容の全部を確かめたいと予言を狙っていたようでした。



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思春期のイライラ

正直、今回の話はハリーが思春期でイライラしたり、人を信用できなくなり、友達や大人に反発したり、いつも怒っているような印象を受け、ハリーに対しては、ちょっと嫌だなと思っていました。読みすすめていくにつれ、そうなってしまったハリーの状況、人と疑うよう導かれてしまったり、そういったバックグラウンドもわかり、自分に反省しました。ただ、恋をしたり、友達と喧嘩したり、友達に救われたり、大人に反発したり、友達を疑ったり、仲間との結束を強めたり、まさに思春期そのものでした。私たちも昔はあったはす。思春期ゆえのイライラやもやもやした気持ち。それがすごく上手に表現されています。この巻から、例のあの人との戦いも本格化しはじめ、大切な人をうしなってしまいます。あまりの迫力ある描写に、ハリーの状況に言葉がでませんでした。次どうなるのだろう、ハリーはどうなるのだろう、気になって仕方ありません。この感想を読む

3.53.5
  • KOZYKOZY
  • 956view
  • 388文字

淡い初恋と大切な人を喪う深い悲しみ、そして友情の絆

『ハリー・ポッター』シリーズの第5巻です。魔法省では、ヴォルデモートの復活をあくまで認めない方針を貫き、情報操作によりダンブルドアとハリーを嘘つきと断じます。そして、ホグワーツに干渉するようになり、アンブリッチという冷酷で、自己中心的な女性を『闇の魔術に対する防衛術』の教師として送り込みます。彼女は、ヴォルデモートなどいないのだから、学校ではテストのための勉強をしていればいいと主張し、闇の魔術に対抗する実践を一切教えません。それに対抗して、ハーマイオニーとロンは、幾度となくヴォルデモートと対決してきたハリーを先生に、独自の集まりを開催します。そこで、ハリーは憧れていたチョウと急接近し、淡い初恋を体験するのです。しかし、恋を知り、少し大人になったハリーに、またもや悲しい運命が襲いかかるのです。ヴォルデモートと記憶や感情を共有することができることに付け込まれ、魔法省に誘い込まれたハリーたち...この感想を読む

5.05.0
  • 月読三葉月読三葉
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  • 555文字

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