面白くないわけではないが、何かが足りない
ドラマシリーズから人気が出て、映画化となったこの作品。面白くないわけではないが、なにか物足りない。「ドラマを観て面白かったから」という理由で足を運んだ人も多かったと思う。では、「ドラマ版」と「映画版」の違いはいったい何だったのだろうか。
このタイプの作品は、「好きな人」と「嫌いな人」がはっきり分かれてしまう傾向があると思う。ドラマでは「好きな人」を喜ばせるような展開がいくつもあり、さらに好きになっていくという好循環がマニアックなファンを獲得した。 映画を作る際にそこを極めれば、「好きな人」たちはついていったのだろう。しかし、スケールアップの必要性もあり、豪華なキャストや撮影現場、ストーリーの複雑性を取り入れた結果、「好きな人」を喜ばせるような展開はむしろカットされた。よく言えば「一般受けする作品」、悪く言えば「中途半端な作品」に仕上がったのではないだろうか。
「何度も観てください」という舞台挨拶での櫻井翔の言葉の意図は図りかねるが、何度も観てほしいなら、むしろ「好きな人」をターゲットに絞った方が良かったのではないだろうか。その方向性なら、パート2作成の可能性もあったのではないかと思う。「好きな人」代表として、とても残念な作品であった。
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