学園ドラマの根底を打ち砕く一作 - 女王の教室の感想

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ドラマレビュー数 1,147件

女王の教室

4.004.00
映像
3.75
脚本
3.63
キャスト
3.00
音楽
3.88
演出
3.88
感想数
4
観た人
9

学園ドラマの根底を打ち砕く一作

4.54.5
映像
4.0
脚本
4.5
キャスト
3.5
音楽
3.5
演出
4.0

女王の教室は放送当時、賛否両論の大きく分かれる一作としても知られています。その理由としては従来の学園ドラマとカラーが大きく違う点にあるだろう。学園ドラマと言えば、3年B組金八先生、ごくせん、GTOといった不良たちを改心させ、成長を描いてきた熱血学園ドラマがイメージされやすい。しかし、この女王の教室はそれらと全く逆の性質で学園ドラマにアプローチしている。それは天海祐希演じる鬼教師阿久津真矢に要約されている。

阿久津真矢は勉強・スポーツ・音楽とあらゆるジャンルに精通しており、それらの知識や技術は他の教師の舌を巻くほどである。さらに6年3組の生徒24人全員のこれまでの経歴や秘密などを握っており、生徒に恐れられる存在である。彼女の主に行ってきたことはテストの成績により扱いを変えるだけでなく、最下位2名には給食当番や掃除などの雑用を全部行わせる、班を作り問題を起こした際は連帯責任を負わせるやり方、夏休みを補習にするなど厳しさの片鱗を生徒たちに見せつけた。これらのことが視聴者の中には問題視する人も存在し、抗議になった程でもある。しかし、物語を重ねることで阿久津真矢の本音を少しずつ解釈することができ、応援する声も増えてきた。私の中では、阿久津真矢という存在は熱血教師というものを従来のものとは全く違う形でアプローチしてできた存在と考えている。なぜなら、物語の中で厳しさの中にも優しさも備えており、生徒の一人である神田 和美とのやり取りの中でそれは伺える。作中でも神田 和美が悲観にくれている場面で真矢が登場し、叱責する場面があったのがそう思えるポイントでもあり、主人公を大きく成長させた部分でもあろう。他の生徒に対しても同様に試練を与え、ひとつひとつの困難に乗り越えさせていく場面を何度も作ってきた。本当の優しさがなければ、試練を与え、要所要所で登場しないのではないかと思う。それほどまでにこの阿久津真矢という存在はこの物語では大きな存在である。

作品を見る上では、鬼教師阿久津真矢もそうだが6年3組の生徒24人の視点で見ることが大きなポイントになる。前述した神田 和美を筆頭に24人の生徒の成長劇を見ることができる。神田 和美は阿久津真矢が見極めたクラスの中心人物であり、各エピソードを語る上では欠かせない存在になっている。なぜなら彼女との邂逅により大きな変化を見せたクラスメイトが何人もいるだけでなく、その家族をも変えていったのである。神田 和美が成長するにつれ、周囲の人間が成長していくのはこの作品の見所でもある。その他にもこの放送を通して、解決していく問題がいくつもあり、それを軸に見るのもまた楽しむポイントのひとつにもなるであろう。

この作品は共感できる部分も大いにあるが、逆に問題視される部分も少なくない1作になっている。しかし、この作品で取り上げられていることは現代社会で起きている問題でもあり、現代社会の縮図を見ている感覚にもなる。実際、これらの問題をこの作品を非難している人達は解決しているかどうかも怪しい部分もある。ひょっとしたら感情的に非難しており、理路整然としたものは少ないのではないかと感じている。この作品を通して、現実に起こりうる問題に自分はどう対処するのか、はたしてそれができるのかを考えさせられる部分も大きく、1度全話視聴してみるのもありではないかと思う。従来の考え方を大きく覆す1作にも仕上がっており、放送から10年以上経過しているが現在放送している作品と対等に渡り合えるものではないかと思います。

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他のレビュアーの感想・評価

あんな怖い先生見たことない

最高視聴率は25%だといわれるほど高視聴率を獲得するドラマでした。私はこの時生徒たちと同世代だったので、こんな人がいるのは怖いと思いながらびくびくしながら見ていました。志田未来ちゃんや福田麻由子ちゃんなど天才子役がたくさんいてそれぞれの演技が光っていたように思います。今みんな素晴らしい女優、俳優さんになっているところから、この時のキャスティングは間違ってなかったのかなと今になって感じます。阿久津先生のいうことは確かに怖いけど、でも的を得ていて大人になって改めて考えてみるととっても納得することを言っているんですよね。まぁ子供が聞いても怖いだけなのは確かですが。最後仰げば尊しを歌って先生への感謝を表していた生徒たちですが、あんなに怖くても心があれば信頼されるんだって改めて感じました。それなのに最後はドラマ内ではめっちゃ怖い先生がすごい笑顔でラフな格好で軽快に踊っているエンディングになっていま...この感想を読む

3.03.0
  • mikaponmikapon
  • 246view
  • 505文字

結局は...

女王の教室何度か見ました。雰囲気も暗く怖い感じでてて主人公の女の子いじめられたりと色々あり、先生も怖く、絶対こんな学校に通いたくないなんて思いながら見てました。根っから先生は悪い人ではないと思います。志田未来(神田さん)はどんくさくばかっぽいところが印象的です!(笑)先生が女王っぽく みんな逆らえない先生だったから、女王の教室というタイトルなんだなと思いました!自己判断ですが。(笑)あの、ばかっぽい男の子(名前忘れちゃいました)が持っているぬいぐるみ可愛くて欲しいレベルです。(笑)そして、先生は色々知っていてすごいなと思いました。権力というのかなんというのか、、、絶対こんな先生の元で勉強したくないとかなんだかんだ思っていましたが、最後らへんは、みんなを守ってくれていい先生なんだなと思いましたよ!あ!あと、なんといったも喧嘩強い!(笑)守ってくれて 権力あって最終私はあーゆー先生の元でもいいか...この感想を読む

4.04.0
  • あ
  • 282view
  • 548文字

見ごたえのある作品

私が小学校の時に放送されたドラマで、当時は天海祐希演じる阿久津先生を非常に恐れながら見ていた記憶がある。阿久津先生のやり方は間違っていると、心の底から考えたような記憶もある。また、神田さんの気持ちや、ユースケの気持ちに非常に共感していたような覚えもある。そんな小学生でも、このドラマはおもしろいと思えながら見ることができ、心にも非常に残った。それから時は経ち、私は社会人となった。ある日何か昔のドラマが見たいと思い、真っ先に思い浮かんだのが「女王の教室」だ。そして見ていくと当時感じていたような、恐怖や支配という感情は抱かず、共感や納得という感情を抱いた。阿久津先生の生徒を想う気持ちや、教師としてのプライドを持ち続ける姿勢は、今の日本社会には必要不可欠であり、足りないものなのではないかと感じた。結論、このドラマは、完全に大人向きであり、働くことへ真摯に向き合わせてくれる作品であることが、10年...この感想を読む

4.54.5
  • だいたかだいたか
  • 142view
  • 511文字

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