グラゼニの感想一覧
漫画「グラゼニ」についての感想が3件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
プロ野球選手って儲かるの?
野球マンガの印象このマンガはプロ野球選手を主人公としたマンガである。この「野球」というジャンルのマンガは、年表に出来るほどの数が生み出されている。野球と一言に言ってもジュニア・シニア・高校野球・大学野球・社会人野球(草野球)・日本プロ野球・メジャーリーグなどたくさんの舞台がある。日本人に人気のスポーツと言えば今やサッカーなのかもしれないが、昭和生まれの人間にとっては、「テレビで中継されるような誰もが知ってる国民的スポーツと言えば野球」で間違いない。昨今は日本人のプロ野球離れなどと言われ、その人気がJリーグなどに取って代わられそうだといっても、やはり戦後から続く野球人気は根強いものである。それ故にマンガの題材としても多く使われ、マンガが大好きという人種でなくとも、一つくらいは野球マンガを知っているものである。試しに周りの知人や家族に聞いてみると、妻からは「タッチ」、会社の上司からは「ドカベ...この感想を読む
夢を返してください(笑)
日本男児の永遠のあこがれ職業、野球選手の漫画!しかし、もしこの漫画が小学校の図書室の本棚に並べられていたとしたら、どうなるだろうか。主人公はダサいし、わくわくドキドキするような魔球も無い。なんと言ったって、夢が無い。野球少年たちはグローブを捨て、モテるサッカーに転向するしかない!グラゼニはコンセプトからして、自分の息子に読ませたい漫画ではないが、大人の私は面白い漫画だと感じた。新鮮さがあり、若干タブー的な題材もギャグっぽい表現で読みやすい。遠い存在である野球選手が、お金という共通の話題とても身近に感じられる。ダサい主人公の青年漫画が流行っているが、グラゼニもそのひとつだと思う。リアルさに吸い込まれる。少なくとも私はそうだった。良い一巻目だと思う。つい二巻も買ってしまった。
グラウンドには何が埋まっているのか
グラウンドには銭が埋まっている、それが彼、凡田夏之介のポリシーである。26歳にてプロ野球チーム、テンプターズの1軍に所属する彼の年収は1800万円。一般人と比べれば高いものの、プロ野球選手としては低い方なのは言うまでもありません。それでも高いお金をもらっているのだから良いのではないか、私も以前はそう考えていました。しかし、この作品を読んでいるとどうやらそういうわけでもないようだ、ということが分かってきたのです。高いお金をもらって引退までプレイ出来る、というのは一部のスター選手にのみ許される条件。凡田のようないつ首を切られてもおかしくないような選手にとってみれば、1800万円という年収は決して安心できる数字ではないのです。だから彼は自らの生活のために、将来のために年収を下げられないよう、2軍に落とされないよう、クビにならないように頑張っているのです。野球作品といえばもちろん野球で活躍することを...この感想を読む