仄暗い水の底からの感想一覧
映画「仄暗い水の底から」についての感想が9件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
寝れなくなってしまいました。
今まで観たホラー映画で一番怖い映画でした。一人で観てしまったため、この齢になって夜に寝れないというのに久々になってしまい「アホ過ぎる…」と思いながらも、映画の映像が思い出されてゾワゾワしてしまい、なかなか寝付けませんでした。音楽、怖いのが出てくるタイミング、何であんなに上手に怖くできてんの!?ってくらい怖いです。怖さってタイミングなのかなぁと少し思ったりもします。めっちゃ怖いの観たいなぁって人は是非!!観てください。もう二度と観たくないですが、ホラー映画としては一番凄い映画だと思います。これだけ怖いのは他には無いのではないかと思います。
リアルな恐怖・・・
原作を先に読んで、映画を観たのですが、原作の良さも壊さずそれでいて映像でリアルな恐怖感も出ていて、素直に面白かったです。 私も住宅に住んでいるので、水を飲むのがちょっと・・・って感じです(笑) ちょっとした演出がすごく怖くて、赤いキャラクターのポシェットやエレベーターが通る瞬間の女の子の顔や、観終わった後に思い出してゾクッとしてしまいました。 最後にお母さんがあんな風になってしまったのが、分かるような気もするし、すごく寂しくて切ないし・・・ただのホラーというより心にグッとくる映画だと思います。 でも・・・、そんなことをいっても、恐怖で精神的にジワジワやられますので気を付けてみてください・・・ 同じ鈴木光司さんで、貞子の映画の方が有名ですが、それよりもこっちの方が怖かったです!
恐怖でしかない映画
ホラー映画っていうのはこうゆう事なんだよ!って中田秀夫監督が言っている様な作品で本当に怖いです。ホラー映画ですから映像的な怖さも勿論あるんですが、中田秀夫監督特有のそこらへんにあるちょっとした小物でも怖く思えてしまう現象が起こります。この映画だと赤い手提げバックとか。この手提げバックの「赤」が暗い映画の中で生えすぎて怖くなっちゃうんですよね。キャストも実力派揃い!小日向文世 、良い味出してました。そしてこの映画の最大の特徴はホラー映画なのに人間の本能が強く込められていて出てくる登場人物に思わず感情移入してしまいます。中田秀夫監督のホラー映画の中で一番好きな作品です。
これぞホラー
ものすごい怖い映画だと思う。とても怖いけれども最後はきちっと終わるのがいい。中途半端に終わって続編をだして、どんどん核心が曖昧になっていくホラー映画も多いけれど、この映画はそうではない。水のタンクに人が落ちて死んでいる、という事件は実際にもあったと思う。身近に起こりそうだからこそ、怖い。水道から水にまじって髪の毛が出てくるシーンは独特の気持ち悪さがあった。とうぶんの間、水道を使うたび、髪の毛が出てきたら・・・と考えてびびっていたぐらい。正直、リングよりも面白いと思う。脚本・設定がいいからか、アメリカ版もとてもいい作品に仕上がっていた。
よくありそうな怪談をうまくまとめている良作
リングでおなじみ原作鈴木光司、監督中田秀夫のコンビが送る和製ホラーの傑作。離婚調停中で娘の親権を夫と争っている主人公は、生活を立て直すため、娘と一緒に新しいマンションに引っ越してくるのだが、なぜか母娘の周りで奇怪な現象が次々と起こるのだが・・・という物語。演出の面ではさすが和製ホラーといった感じで、見せ方を心得ている印象です。じわじわーっと迫ってきて、くるのか?くるのか?と思わせておいて実はきませんでしたー、みたいな。そうと思えばいきなりドバーンと出してくる感じ。和製ホラーってこの緩急の使い分けが素晴らしいですよね。出演の黒木瞳さんも素晴らしい演技を熱演してくださっています。正直少し消化不良に感じる面もありますが、私としては好きな作品の一つです。
描写がこわい
わたしはこの映画、一度見てから観ていないのですがとりあえず怖い印象ばかりが残っています。突然どん!とくるホラーではなくじわじわと怖さがにじみ出てくるようなホラーでした。まさに日本のホラーという感じ。水周りを怖いと感じている日本人の感覚をうまく利用しているのかなとも思いました。やはり独特の気持ち悪さがあるので外国のホラーみたいなものを求めている方にはお勧めできません。私はホラーが苦手なので面白い印象は一切ありませんでした…観た後のトイレとお風呂が怖くなることは間違いありません。それでも観たいという方は一度見てみてください。後悔しても知りません!
美しい
怖いというか・・・美しい映画じゃないですかね。娘を守りたい母親と、母親に笑顔を見せ続けようとする娘。主に母親が追い詰められていく中、果たしてこの母娘はどうなってしまうのだろうか?と。化け物がわらわらと出てくるものではなくて、静かに怪奇現象が忍び寄ってきます。原作の怖さ、感動、家族愛等のメッセージが十分伝わって来ないので、薄い内容に感じられました。どしゃぶりの雨、川沿い、雨漏り、給水塔、足音と金属的な効果音など。映像は凍りつく表情など次に来るなというのがわかるのがいいです。まあ、役者が上手くないとダメですけれど。小説、コミック、映画と見てきましたが、映画のラストが一番悲しいです。
沼の底に引きずりこまれるようだ
ストーリーは離婚調停中から始まる。不安定で神経を苛立たせている設定が自然だ。娘の親権を夫と争っている淑美は娘と一緒に新しいマンションに引っ越した。そこは雨漏りや湿気がひどく、彼女は不穏な気配も感じる。この展開は女にとって不安な生活状態だ。まさにじとじとと水気の多い環境の状態は、彼女の心が糜爛している様を見せてくれる。病み爛れてじとじと湿り気を持つ傷口のように湿っていて、涙のように膿を出す。そんな気配の漂う映像だ。何のことは無いマンションの廊下を歩く彼女は湿っているのだ、自分に子供があるが、誰かの子供も可愛いと抱きしめてやりたいと願うのは、自分も誰かに抱きしめて欲しいと願っている事の裏返しなのだ。これは独り者やマンション暮らしの人は見ていけない、心が病むような映像なのだ。
鈴木光司原作のホラー映画作品
鈴木光司さんの作品が好きなので楽しみに見ました。これは、他のホラーとはちょっと違うと感じました。怨念とか恨みといった感情でなく、助けを求めて女の子の霊が行動を起こしているのです。ですが、水を使った演出はかなり怖かったです。よくある日常の中での恐怖なので、それがとても怖さを増幅しています。ただ、ラストを感動系にもっていったのはちょっと疑問ですね。ホラーとして見ているので、私の希望としては、どうせならとことんやって欲しかった。悲しい物語としては良かったけれど、結局、ホラーっていうより、家族のいざこざの方が目立っていたせいですかね。結果的には十分怖さを楽しめた映画でした。