一絃の琴のあらすじ・作品解説
『一絃の琴』は宮尾登美子原作の時代小説で、テレビドラマは2000年3月27日から7月31日まで、全18回で放送されました。制作局はNHKです。 主人公の沢村苗を演じるのは、田中美里で、苗は幕末の土佐藩士の家に生まれた娘でした。当時は男子の習い事であった一絃琴に魅せられた苗の半生を描いています。琴の師匠に弟子入りし、腕を磨き、その師匠との別れを迎え・・・その後苗の結婚、姑との確執、一絃琴塾の設立・・・が物語のおおまかな流れです。小説では前半が苗、後半(終盤に近いですが)が弟子の蘭子を主人公にして話が進行していますが、ドラマでは苗の方に重点が置かれて語られています。田中美里演じる苗の、武家の娘としてのプライドの強さ、時代に翻弄されながらも品格を失わないように凛として生きる強さが感じられる物語として、人気がありました。 また、NHKエンタープライズから2005年11月25日にDVD-BOX(全5枚セット)が販売されました。
一絃の琴の評価
一絃の琴の感想
土佐の伝統の琴を廻る女性たちの物語
粛々としたしきたりの中で生きる人々ドラマをみたきっかけは、ドラマの内容がというより主演の田中美里さんがとても好きだったという単純明解な動機でした。今見直すと、皆さんお若い!原作は宮尾登美子さんの「一絃の琴」です。明治維新の後の混沌とした、しかしまだ幕府の頃の風習と文明開化を推し進める新政府のごちゃ混ぜになった時代の物語です。中央からは遠く離れている土佐、明治維新の立役者を多く輩出したところでもあります。主人公は二人の女性の生涯一弦の琴の主人公は二人の女性です。一弦琴の先生をしている市橋苗と弟子の蘭子です。一度嫁いだものの実家に出戻った苗は、妹が出産のとき亡くなった後添いとして再婚します。再婚先の夫は弁護士で苗の塾への理解も深く幸せな再婚をしています。私は一弦琴の伝承を巡ってやがて袂を分かつ師匠と弟子のエピソードよりも、愛情に恵まれず傷ついた最初の結婚生活から出戻った後、一弦琴を支持して...この感想を読む