ヅラ刑事矢部、再び主役に! - TRICK番外編 警部補矢部謙三2の感想

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TRICK番外編 警部補矢部謙三2

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ヅラ刑事矢部、再び主役に!

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脚本
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キャスト
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音楽
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演出
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目次

今回も器の小ささ全開!それが矢部謙三である!

「警部補矢部謙三2 」を視聴した感想です。
この作品は、テレビ朝日系で放送されたドラマ「トリック」シリーズの名脇役、矢部謙三を主人公とした、スピンオフ作品となっています。 
矢部はトリック本編でも、刑事としての捜査能力は全く無く、賑やかし的な役どころとなっています。
主人公となった今回も、警視総監の娘の御手洗未来に助けられてばかりいます。
しかし、小学生に手助けされても全く負い目に感じず、むしろ堂々としている矢部は、トリック本編同様の器の小ささを、今回も見せつけてくれました。

第二シリーズに入って良かったと思うのは、事件の解決を小学生の未来が担当するようになったことです。

「警部補矢部謙三」は、シリーズ1では貫地谷しほりさん演じる桂美晴と、鈴木浩介さん演じる桜木健一郎を相棒としていました。
しかし、この三人の体制では、タイトルには「矢部謙三」と入ってはいますが、矢部の活躍が少なかったように感じました。

二人が事件を解決し、体を張る所は矢部が担うという感じだったのですが、 矢部の主な仕事は、推理力のある晴美に、「どういうこっちゃそれは」と合いの手を入れているだけに見えました。
せっかく主人公になったのに、まるで主役は晴美と桜木のように見えてしまい、矢部は脇役くらいの存在感しか無いように見えて残念でした。
正直、トリック本編よりももっと脇役感があったかもしれません。
晴美と桜木で成立する話に、無理矢理矢部を入れ込んでいる感じです。
観ていて「これ矢部謙三いる?」という印象です。
矢部の部下の秋葉原人に至っては、更に必要あるのか?と疑問に思ってしまうくらいの存在感でした。

そんな中、第二シリーズでは晴美と桜木をばっさりと捨てて、メインキャラクターに未来を据えたのが良かったと思います。

未来は、毎回鋭い推理で事件を解決に導きますが、やはり子役とあって、矢部を食ってしまうような存在感はありません。
また、未来にはできなくても、矢部にできることは沢山あるので、主人公として充分に活躍することができたと思います。
ストーリーも、矢部をフルに生かした内容が多く、未来はあくまで補佐役に見えました。

また、秋葉が穏和なキャラクターなので、未来と相性がいいと思いました。
ちゃんと子供の面倒を見ていて、二人でいるところもほほえましく感じます。
矢部が未来を構わない分、秋葉がフォローするので、秋葉の存在意義も第一シリーズより明確になって良かったと思いました。

ここまでやって、ようやく「警部補矢部謙三」という感じがしました。

小学生の手柄を独り占めする男。それが矢部謙三である!


また、単純に貫地谷しほりさんのような若くてきれいな女優さんとは、矢部謙三は食い合わせが悪い気がします。

矢部の主なコメディシーンは、部下への暴言暴力や、上司への媚びへつらい、仕事をさぼってヘラヘラする、そしてカツラをイジられるという感じだと思います。
そのどれもが晴美が相手だとしっくり来ません。
暴言暴力は女性には振るえませんし、上司でもありません。仕事をさぼっていれば怒られるし、若い女性からのカツラいじりは観ていてちょっと可哀想な感じになります。
結果的にトリックの山田奈緒子がやるような、「おいっ、矢部!やめろ!」みたいなやり取りに終始してしまいます。
結局トリック本編とやっていることは変わらないという感じがしてしまいました。
だったら仲間由紀恵さんを出して欲しいですよね。
晴美はセリフだったり、立ち居振舞いが山田のキャラクターの焼き直しのようになってしまっていて、そこも残念でした。

第二シリーズでは、そうした残念さが改善されたと思います。
冒頭から警視総監の弱味を握って揺さぶったり、駄菓子屋の菓子を勝手に食べたりと、第一シリーズよりも自由奔放な感じがしました。
やっぱり調子に乗っている矢部の方が、面白いですし、本編のキャラクターらしい気がしました。

また、未来がメインキャラクターに加わったことで、「小学生に翻弄される矢部」という笑いの引き出しも加わったように思います。
小学生に事件の謎を解かせて、手柄は全部独り占めという所も、矢部らしくていいと思いました。

スピンオフでも、全力投球


最後に、未来のキャラクターも良かったと思います。
未来は頭脳明晰なスーパー小学生ですが、同じ年頃の友達はいません。
そんな未来の初めての友達が矢部です。
未来の「矢部くん」と呼ぶ感じも、見下しているのではなく、本当に親しみを込めて言っている感じがしていいな、と思いました。
矢部も事件を通して未来を認め、「ツレ」と称しているのがいいと思いました。
スピンオフ作品のみのキャラクターですが、家族構成など、人物の背景もきちんと描かれていて、感情移入しやすくなっていたと思います。

前作では、トリック本編に近いことをやろうとして、逆に「ここが本編と違うから嫌だ」と思ってしまいがちでしたが、今回はこうしたキャラクターを含め、この物語だけで満足できるように作っている姿勢がいいと思いました。

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