何度見ても泣いてしまう
いつまでも忘れない
『ワンピース』は、キャラクターそれぞれにドラマがあり、そのエピソードを知る度に涙が止まりません。特に一味の船医となるチョッパーのエピソードは、何度見てもその度に泣いてしまうのです。高熱でナミが倒れなかったら、ルフィ達はチョッパーに出会う事はなかったでしょう。当初は「何て可愛いトナカイ」という印象しかなかったチョッパーに、まさかこんな哀しい過去があるなんて想像も出来ませんでした。「ヒトヒトの実」を食べてしまったが為に、チョッパーは人からもトナカイからも仲間外れにされます。そして、そんなチョッパーを助けてくれたのがDrヒルルクだったのです。このシーンではもしかしたらハーフの方への差別が意識されているような気がするんです。チョッパーは、完全な人でもなければ、トナカイでもありません。人間からは「化け物」だと攻撃され、仲間だったトナカイ達も人の姿となったチョッパーをもう仲間とは認めてくれません。元々、青い鼻という事で仲間外れにされていたチョッパーとしてはダブルシヨックです。これってハーフの人が日本でも海外でも「外国人」と差別されている状況に良く似ている気がするんです。原作者の尾田栄一郎先生はチョッパーを通して子供達に差別という物がどういう物か教えたかったのかもしれません。そして、Drヒルルクのように優しく手を差し伸べてくれる人もいるんです。Drヒルルクは人々からは「ヤブ医者」と言われていますが、誰よりも健康を願う医者です。彼の「桜を咲かせたい」というのは、健康は心からというメッセージなのではないでしょうか。Drヒルルクがチョッパーの取って来たアミウダケを見て、その優しさがどんなに嬉しかった事でしょう。例えそれを食べたら自分の命がないと分かっていても、食べずにはいられなかったのです。そして、Drくれはから真実を聞いたチョッパーはどれだけ辛かったんでしょう。『ワンピース』に出てくるエピソードはどれも感動しますが、チョッパーのエピソードはその中でも特に感動的です。ルフィがワポルを倒しドラム島を出発する時に、満開の桜のようなピンクの雪が降ります。それがDrヒルルクがチョッパーに残したメッセージだったようで涙が止まりませんでした。そして、このエピソードはいつまでも忘れないと思います。最近のアニメではここまで感動的な物は少ないと思うんです。これからも大人から子供まで一緒に見れて感動出来るような作品が増えると良いな、と思います。
なぜ、居るんでしょう?
この映画は、尾田栄一郎先生が企画協力していて、映画のオリジナル要素も加えられています。それは良いのですが、なぜロビンさんやフランキーが居るんでしょう?だって、原作でもアニメでもこの時点ではまだ「アラバスタ編」の途中だったはずです。船だってゴーイングメリー号だったのに、サウザンドサニー号に変わっているし。いくらパラレルワールド的とは言ってもこれは無茶苦茶です。確かに、原作やアニメを見てる人にとっては「またこの話し?」と思うのかもしれませんが、なんだか人気をあげる為のような気がして私的には抵抗があります。このままではチョッパーはビビと会う事すらないのですし、アラバスタの話がなかったらロビンさんが居る事の説明にもなりません。せめて原作やアニメの通りに映画にして欲しかったですし、それが無理だったら初めからオリジナルストーリーにすれば良かったんだと思います。チョッパーの過去は回想シーンのようにすれば、見ている人には十分に伝わります。作画もテレビシリーズよりも雑な気がして、内容は満足はしたもののどこかスッキリしない気持ちになってしまいました。日本では映画の興業成績は海外から比べると低いらしく、確かにわざわざ映画館に行ってまで映画を見る人は減りました。だから人気作を映画化するのでしょうが、人気だけを意識している気がしてしまうのは私だけでしょうか。
もうルフィとしか思えない
テレビシリーズがスタートしてから、もちろんルフィの声はずっと田中真弓さんが担当されています。元々元気が良い少年役に定評があった田中さんなので、ルフィの声も最初から違和感はありませんでした。でも、今までのイメージは「少年」というもので、正直こんなに男らしい声とは思っていませんでした。普段の明るくて活発なイメージはもちろんあったのですが、敵を前にした時の、あの低い声は本当に田中真弓さんなの?と思ってしまうぐらい男らしいです。今では時々テレビ出演される田中さんを見る度に、「あっ。ルフィ」と言ってしまうので、もうほとんど同一人物ですよね。それに、チョッパー役の大谷育江さんは当初の役は幼い頃のサンジでした。その時のイメージもあったので正直チョッパーの役はどうなんだろうと思ったのですが、いざ放送がスタートすると全く意識はしませんでした。「これがプロの声優なんだ」と改めて思いました。
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