SMというカテゴリーを知ったきっかけ - ナナとカオル Black Labelの感想

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ナナとカオル Black Label

4.104.10
画力
4.00
ストーリー
3.80
キャラクター
4.30
設定
3.80
演出
4.20
感想数
1
読んだ人
1

SMというカテゴリーを知ったきっかけ

4.14.1
画力
4.0
ストーリー
3.8
キャラクター
4.3
設定
3.8
演出
4.2

目次

SMへの偏見

あなたはSMと聞いて何を想像しますか?と問われたとしたら。間違いなく昔の俺は(なんか嫌だな、まぁ聞かれたからには答えなきゃなぁ。鞭で叩いたりロウソクを垂らしたりって感じだしな。そんなものが流行るのが理解できない。)「一種のプレイではないでしょうか?(苦笑)」と答えているだろう。

それに対して深くも知りもしないで俺にはそんな遊びはしないだろうと。

この作品「ナナとカオルブラックレーベル」は著者甘詰留太の「ナナとカオル」のスピンオフである。

主人公の杉村薫と千草奈々の関係を描くもので、薫がSMに目覚めるきっかけとなった人物の話というもの。勿論本作より過激な描写が多いのが特徴でより性的な展開。作者の意図するものを想像するとSMに対してというよりは人との関わりでSMを利用しているといった感じと受け取った。

俺個人の要望としてはもっと言葉で責めて、焦らして、一気に山場を迎えてもらいたいと思ったのだが、そこはもはや俺の趣味趣向なのだろう。

俺の価値観はというと女性コミックでのSMと成年コミックのSMがごっちゃに混ざってそこにソフトなSM風味をつけたようなそんな感じ。

書いていて偏っているなぁと自覚する。

兎に角、SMへの偏見は間違いなくあった。

何より縄で縛ったり、ロウソクを垂らしたり、目隠しをしたりする意味をまるで解っていないのだから。

この作品の良いと思った点はSMが必要な人種がいるという点に着目し、SMをする人の気持ちを描いているところだと思う。

縄での拘束

縄での拘束がどうして楽しいのかと理解できなかった俺が思ったのはある意味生きていることそのものが縛りのようなものだということ。

本作では本当の縄を使ったSMによって痛みを感じそこに生きている価値観を見出すナナと、ナナを縛ることで自分と向き合う薫の話。

俺が思ったのはニコニコ動画で実況プレイヤーが縛りプレイをするのを何度か拝見したことがあるがそれと縄での縛りは同じ意味なのでは?ということ。

実生活でも同じようなことが言えるのでは?と疑問を抱く。

俺は男である。

つまりは男という概念をもって、言い方を変えれば男というしがらみを持って生まれてきたとも言える。

世の中でオネエ系、オナベなどといった性同一性障害の方がいるのがこの疑問に至った。

SM=プレイなのだが、一様にしてどのようにして「生きている」と実感するかを考えさせられた。

他のSM作品を少し拝見してみて

自分自身少しSMというプレイをしてみたいと思ってしまったので、SMプレイが主のエロ動画やビデオ、エロゲーなど色々と少しづつ齧ってみた。

まず思ったのが楽しく行えるか、というところに起因する。

本作でも同じような内容を言っていたと思うが、SMプレイとは危険な行為で相手を思いやることができなければ成り立たないということ。

相手がいるから楽しめるのだが、他の作品は相手を思いやるというより本当に虐待をしているのでは?それはDVになるんじゃないのか?といったことを想わせるような過激なものがあった。

自分自身が嗜虐的な一面があるのかと思うとSMを題材にした作品を軽蔑したくなる気持ちにかられた。

やはり偏見はそう易々と覆ることはなかった。

本作を通して感じたものはSMが悪い訳ではなく、その行為を誰が行うか、誰が受けるのかという点に絞られると思う。

俺自身がどういう人間性をしているのか広げられた作品でもあるし、嗜虐的な一面がある人間だというのも発見できた作品でもある。

完結後の後書きに著者も言っていたが弱さが出てしまった作品だけど書けて良かったという。

俺もこの作品と出会えて著者の甘詰留太という人間に作品を通してどこか通じたものを感じた。

他の作品との比較はやはりどこまでいっても作者の影響を強く受けるのが漫画や小説の在り方であって、多くの方が関わるとその作者の人物像が薄れていくのかなという点かと思う。

これだけのことを考えたり、感じたりした作品は出会えてなかったと思うから。

ただ題材はやはりSMなんだよなって(笑)。

もし今後SMプレイをする機会があれば縄やスパンキング、ギャグ、なんかは無理でも目隠しや言葉責め、後は大人のオモチャなんかはやっても良いかなって思う。

それから作品のことにほとんどふれていない内容の感想になるのはそれだけ色々と考えたり、感じたりしたからかもしれない。

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