急展開やハラハラするシーンが多く、退屈しません。
キャラクターが持つ超能力の多様性
このドラマは超能力を題材としているので、超能力を持っているキャラクターが多くいます。空を飛ぶ、時空間を操れる、未来を見ることが出来るなど、一般的にイメージされる能力に加えて、主人公のピーターは他人の能力を自分に移すことが出来るという変わった能力の持ち主でした。その為さまざまな能力を使うことがあり、それが面白い点であるともいえます。また、サイラーのように、能力を持つ人間の脳を観察することによって能力を理解し、自身の能力として会得するといったものまで存在します。サイラーとピーターは同じように他人の能力を会得することが出来ますが、サイラーが物事のしくみを理解することから会得するのに反し、ピーターは近くに能力者がいるだけでも吸い取ることが出来るという違いもまた面白いなと感じます。
グローバルなキャラクター達と個性的なキャスティング
世界各国から集めました、と言わんばかりのさまざまな国の出身のキャラクター達が多く脇を囲んでいます。また彼らはそれぞれ状況が違い、個性的です。こういったキャラクターの多様さが、このドラマの一番の特徴といっても良いのではないでしょうか。中でも人気のキャラクターといえば日本人であるヒロ・ナカムラだと思いますが、彼が超能力を使ったあとに叫んだ日本語での「ヤッター!」は海外でも話題になったとされていますよね。日本人から見てもキュートなシーンだったと感じました。キャラクターはそれぞれの出身国の母国語をそれぞれ話すので、1つのドラマの中で他のドラマでは類を見な様相になっているところも魅力の1つだと感じます。また、面白いのは、日本人として出ているアンドウというキャラクターを韓国出身の日本語を話せないジェームズ・キーソン・リーさんが演じていることです。アンドウ役の為に日本語を勉強したとのことで、初めのほうは日本人から見ると完全なカタコトだったので非常に面白いなと思ったものです。ですが話が進んでいく毎にアンドウの日本語がどんどん上手になっていくのでそこも興味深く思って観ていました。日本人にも二重の人がいたりと西洋風な顔立ちの人も多くいますが、世界から見た日本人のビジュアルイメージを表すのにヒロ・ナカムラ役のマシ・オカさんとアンドウ役のジェームズ・キーソン・リーさんの二人が適しているというのは、何となく分かる気がします。
さまざまな場所から物語の展開を見ることが出来る
さまざまな環境のキャラクターがいるので、キャラクター達が行動している場所も違ってきます。そういった違った場所でそれぞれが何をしていたのかということが、同じ時系列でもシーンを分けてそれぞれの観点から明確に映し出されます。そのおかげで世界観に具体性を感じていた気がします。主人公以外のキャラクターの視点で物語を観ることが出来るのは非常に興味深いです。また、時空間を操る能力を持つヒロ・ナカムラというキャラクターがいるおかげで、遠い未来や過去などさまざまな視点から、それも未来や過去を知るというだけではなく実際は"現在"に存在しているヒロが"その空間を体験し変える"といったやり方で物語を辿ることが出来るので面白いです。また悪役でもあるサイラーの視点からも物語は展開され、サイラーの過去も具体的に知ることが出来ます。主人公のピーターだけではなく、さまざまなキャラクターの視点からもこの物語の世界観を感じることが出来るのが魅力にもなっていると思います。
構成の素晴らしさ
このドラマではどうなるか分からないハラハラドキドキの展開が多く存在するのですが、特にシーズン1ラストの展開は度肝を抜かれました。ヒロが時空間を操る自分の能力によって今いる場所から消えてしまい、どこへ行ったのか分からなくなってしまった時もどうなってしまうのかなぁと思っていました。そのまま物語は進んでいき、ヒロ不在のまま主人公のピーターはサイラーを倒すべく決死の覚悟でサイラーに挑みますが、ピンチが訪れます。その時現れたのは行方不明になっていたヒロで、突然突拍子もなく超能力で現れたかと思いきや、サイラーの前に立ちはだかり、ピーター達を助けます。このシーンが私は本当に大好きで、まさかこのタイミングでヒロが現れると思っていなかったので本当に驚いたのを今でも覚えています。颯爽と現れたもののサイラーの抵抗に遭い、吹っ飛ばされた影響でまたこの空間消えてしまうという、何とも謎の多い展開を見せたところも驚きでしたが興味深かったです。とても目が離せないシーンでした。そして、「わぁ~!」と吹っ飛ばされてしまうヒロのキャラクターがとてもかわいらしく見えたシーンでもあったと思います。こういった次にどうなるかが全く読めない展開が多く、常にハラハラドキドキといった要素が含まれていて、これらは構成の素晴らしさからくるのだなと思っています。この構成の良さが大きな魅力になっていると思いました。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)