ヒーローズ
世界中で同時に起こった奇妙な現象
ヒーローズは日本で海外ドラマブームを起こした一つの作品である事は間違いない。この作品あたりからレンタルDVDショップなどでアメリカやイギリスのいわゆる海外ドラマのラインナップが増えてきたと思います。主役級の役に日本人を採用したり戦国時代の話があったりととても日本人の心をつかみました。
この作品のテーマというかバックストーリーには世界は繋がっているんだ、人種や国境なんかは運命には関係ないんだよと言った印象が個人的には感じ取れます。
テレホンオペレーターからチアガール、数学役者や警官など様々な職種の人物からは考えられない様な能力が与えられて世界を股にかけての問題に発達していきます。
様々な国から同時に始まり複雑に絡み合ってくる世界観は見る人を引き込み時間を忘れさせてくれる、この作品では超能力が覚醒した人物が一人一人違った能力を持ち全く違ったバックストーリーがあるのだ。「ヤッター」で有名なマシオカさんも超能力を使う重要人物の1人だ。友達の安藤君とヒーローズにおいてかなり重要な人物に欧米のドラマでは珍しく日本人が選ばれたのである。ちなみに「ヤッター」のセリフは台本の段階では「ボンサイ」だったらしく意味をわかっていない監督にマシオカが説明して「ヤッター」に変更になったという。(笑)
王道な能力からユニークな能力まで幅広い
特殊能力で王道と言えば「不死」や「マインドコントロール」などが思いつくと思います。もちろんそれらの特殊能力は出てきますがさらにユニークな能力もあります。
例えば「タイムトラベル」これはマシオカの能力ですがいきなり戦国時代なんかにも行けます。それだけではなく世界各地にも一瞬で行けます。なんなら時を止めれます。この様に一つの時間を操るという能力からかなり掘り下げてユニークな解釈をして様々な事が出来る!さすが自由の国アメリカという感じですね。ちなみに相方の安藤君の能力もユニークで超能力を強化する超能力です。
能力をコピーする能力を待つ人物がいます。主人公と言ってもいい「ピーター」です。彼は最初能力に気付いていません。なぜか予知夢を見る様になりその予知夢では兄が空を飛んでいる。そこで兄を問い詰めると知らないふりをされる。市長の兄には特殊能力など厄介なだけでトラブルの元なだけなのである。超能力を隠す兄。試す弟。それを見守る母親。全ての人物が能力を持っており一人一人に秘密があります。
ここでも能力の解釈が色々とユニークです。
なぜ兄は飛べるのか?そしてなぜ自分も飛べるのか?コピーならどうなったらコピーできるのか?なぜ予知夢を見るのか?誰の予知夢をコピーしたのかなど能力に関しての解釈が複雑で面白いです。
中には放射能を操る人物が出てきたり爆発する能力など危険な能力もたくさんあります。それらの能力をどう攻略するかどう対処するかなどが一番の見所ではないでしょうか。
単純な能力バトルではなくチームで工夫して戦う姿勢はまさに「ヒーローズ」ですね。
正義と悪
正義とは何か。それは悪を倒すのが正義。
ヒーローズはその名の通りヒーローなのですがもちろんヒール=悪役も出てきます。
ヒールは特殊能力を悪事に使い世界を脅かします。強大な力を持つ悪に挑む正義。悪には悪なりの正義など様々な人間模様が世界各地を巡ります。正義を貫く為に悪になり悪が一つのキッカケで正義になったりします。
ドラマ史上最悪の悪と言われた「サイラー」。
残虐な行為を繰り返します。彼の能力は言ってみればどんな複雑な物でも理解して改造や修理ができる能力です。初めは時計の修理をする青年でした。能力に目覚めどんな複雑な時計でも修理出来る様になります。
複雑な回路を修理出来る彼は遂には人間のDNA回路まで理解して手を加えれる様になります。しかし人間の脳を見るには殺すしかない、最初はとても辛くても好奇心には勝てず能力者を殺害し脳を見て理解し自分に組み込む。姿形を変える能力を持ったり嘘を見抜ける能力、ましては不死やサイコキネシスと彼は殺人をする事にモンスターへと変わっていきます。
しかし彼ほどのモンスターを操ろうとする人物すら出てきます。この作品では誰1人として信用できないのである、たとえ家族であっても。
アメリカのドラマや映画ではやはり王道の展開が人気で正義は必ず勝つ!といったある意味ありきたりな展開が期待されています。もちろん私も王道アメリカスタイルが大好きなんですがこのヒーローズに至っては誰が正義では本当悪は誰なんだと常に思います。
悪い点をいえばシーズンが長いので途中引き伸ばしというか中身のないシーズンもあります。これはロングヒットの海外ドラマによく見られますがその結果無理やりな誤字つけや矛盾した設定もでてきます。アメリカのドラマは視聴率が悪いとすぐに打ち切りになるので制作側も必死なんですね。
ヒーローズはファイナルシーズンがちゃんとあり途中で打ち切りにはなってませんが最後は無理やり終わられた感が否めないですね。
しかしトータル的に見ると物語、映像、世界観とよくできた作品だと思います。
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