イ401不用論 - 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-の感想

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蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-

4.004.00
映像
5.00
ストーリー
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キャラクター
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声優
3.50
音楽
4.00
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イ401不用論

4.04.0
映像
5.0
ストーリー
3.0
キャラクター
4.0
声優
3.5
音楽
4.0

目次

時代背景に不信感

地球温暖化により地上の版図を大きく失った設定になっています。設定に文句はつけられませんが地球上の陸地は全体の3割くらいです。その陸地の中にはアメリカ大陸やユーラシア大陸がありこれらが無事でないということは主人公のいる日本は海の底ではないでしょうか。大陸は実際には大きく大半を海に沈めるとなると中国なども消えてしまいます。アメリカが存在するようですがアメリカよりユーラシア大陸は大きいのです。ヨーロッパまで海の底なのでしょうか。通信網を失い他の人類の生存圏と連絡できないという設定も疑問です。日本が一部でも残っていますので隣の中国圏内は普通の通信で届くのでは。そもそも現代社会での日本は食料事情を他国に多く頼っています。多くの人口を失ってしまった割に技術の進歩が早すぎるように思えます。エネルギー関係は海水などから得られる技術を実際に開発しているのでそれらが進歩によって可能になったということでしょうか。

霧の艦隊 能力

霧の艦隊は第2次世界大戦にでてくる戦艦等をモデルにしています。最強兵器「超重力砲」に加え浸食弾頭、各種レーザーやビーム兵器を備え各種魚雷をも装備し主力にしています。人類側の通信網を遮断しているということは今現在ある衛星通信網を破壊したのでしょう。候補としてはビーム兵器による射撃でしょうか。ミサイル等の描写もありますが皆誘導兵器のようですので射程は短いでしょう。ビームが衛星軌道上まで到達しそれなりの威力を保っているというのは脅威的だと言わざるおえません。海中へのビーム砲撃シーンもあります。水中でのビームの威力は大幅に減衰するはずですが普通に直進しています。そしていわゆるエネルギーシールド。おそらく核兵器も無力化したのであろう脅威の装備です。実際問題霧の艦隊最大のアドバンテージはこのシールドでしょう。昔の戦艦が駆逐されてしまったのはミサイルの命中率向上と射程距離の大幅な向上、そして搭載弾頭の威力により遠距離から戦闘不能にできるようになったからです。現在ある護衛艦等や空母はそもそもミサイルを迎撃して防御するようにしていて直撃すれば撃沈、至近弾着でもレーダー等を失い戦闘不能に陥るでしょう。装甲での防御は現代ミサイルには通用しないのです。主力兵器であるミサイルを無力化されれば確かに人類側は負けるでしょう。旧式に見える霧の艦船は重力をも操り「宇宙戦艦ヤマト」並みに強力です。

人類側は勝てないのでしょうか

人類最強の兵器はいまのところ核兵器でしょう。レーザーやレールガンなど実用化が迫ってはいますがまだまだの技術です。初戦では使っていなくとも極端に不利になり人類存亡の危機では使用して無力化されてしまっているでしょう。作中に振動弾頭という新兵器がでてきていますがこれが切り札なのでしょうか。そもそもなぜ衛星を失ってしまったのでしょうか。通信衛星等は数多く存在しすべてを撃ち落とすのはなかなか困難ではないでしょうか。衛星打ち上げを内陸奥深くで実行し静止衛星として用いればいいのでは。霧の艦隊の主力はビーム状の光線兵器でありホーミングレーザーではないはずです。つまり直線射撃でビーム自体は曲がらないのです。地平線の果て(12km)の目標を攻撃する手段には使えません。現に沿岸部以外の陸上への攻撃シーンはあまり出てきません。国土が沈んだ設定の日本であってもそれなりの規模を持つ海軍が存在していることから艦船の部品生産等に使う工場が内陸地にありその海岸からの距離は100kmはあるはずです。そしてビームの攻撃範囲射程に限界はないのか。宇宙規模で考えれば衛星軌道上に届くこと自体は大したものではありません。月も射程に入っているなどと言わないでしょう。最強兵器である超重力砲の描写にもそのようなものはありません。あったら地球はとっくに終わっているでしょう。アニメのシーンで何発も撃っていますし最後のコンゴウ戦では地上に向けて鋭角に発射しています。ビームというのはエネルギーの収束率により射程や威力が変わります。強力だからと海中目がけて撃っても本来の威力はでないのです。ビーム兵器が最も威力を発揮するのは宇宙空間で空気や不純物による乱反射で大気圏内の威力等は減衰します。光線兵器がなかなか実現しないのには悪天候で使えない、目標が遠くなるとそもそも狙えない、ミサイル迎撃には一発一発に充電が必要で飽和攻撃に耐えられないなどの弱点が満載なのです。これが某アニメのレールガンだと話は別なのですが。人類側の攻撃兵器として使えそうなのの最も有力なものはイ401が積んでる浸食弾頭でしょう。ある程度の技術が必要と思われますがこれ以上の威力を持つ振動弾頭を実用化している時点で問題なく生産できるでしょう。これによりもっとはやく反撃できたはずです。主人公が協力していないのでどうしようもないですが。

より現実的な戦術(振動弾頭なし)

よく圧倒的技術力の差で異星人が攻めてきて苦戦するアメリカ軍の映画がありますが、この場合異星人側の宇宙船が巨大かつシールドありで核攻撃が有効でないという設定です。このアニメと似ていますが実際には技術でアメリカ軍を圧倒して物量(宇宙船自身が巨大な兵器であり補給線)でも圧倒しています。これではインチキしないと勝てません。しかしこのアニメでは小型艦が出てきます。さらに単艦もしくは2隻くらいの艦隊で。敵の装備は自身の艦にも有効であるはずです。イ401が保管されている際ビクともしなかったとされていますが戦艦ハルナ戦でシールドを破られた状態には通常弾頭が効いています。切り札の浸食弾頭は1発も残っていなかったのですから。少し矛盾します。それはともかくシールドを破るにはより強力なエネルギーをぶつけるのが単純な解決策でしょう。相手の船が小型なら必要になるエネルギーも少なくなるのは普通のことです。とにかく1隻を中破でも大破でもいいので拿捕することです。映画の異星人の宇宙船は軒並み巨大で通常では捕獲はおろか相手は空中で死角がありません。奇襲するまえになにもできずに撃退されます。さいわい異星人級の技術はもっていても水上艦でサイズもまちまちなこのアニメの戦闘艦なら奇襲して核攻撃の飽和で対処可能なのではないでしょうか。そもそも霧の艦隊のビームは大型核兵器級の破壊力はないと思います。光線の位相がなんちゃらではないのです。1隻拿捕できればあとはビーム兵器をコピー量産大型化で高性能かつコンパクトな霧の戦艦でも倒せそうです。そもそも艦のサイズが動力で生むエネルギー容量を決定するでしょう。つまり粗末でも巨大化して大規模な発電施設を動員しかつ一発かぎりの量産型を多数投入することは有効な戦術なのです。そうやって次々拿捕を繰り返し最終目標が敵戦艦サイズの兵器になればいいのです。人類存亡の危機にお金の問題はなしです。技術で圧倒的に勝る霧の艦隊ですが一地域の物量では人類側にも勝機があると思うのです。

結論

新兵器振動弾頭は特殊な人類によって設計されています。しかし実際にはこのようなご都合な戦術は不確定すぎます。もっとやることがあるのではないでしょうか。人類の軍事技術は一時期は突出していても実際に使用され効果ありと評価されるとすぐ他の国も追いつき保有します。核兵器も同じでした。時間さえあれば勢力は覆ります。おそらくイ401がいなくても互角にはなったのではと予測し終わらせていただきます。

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