ジブリらしい世界観 - ゲド戦記の感想

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ゲド戦記

4.254.25
映像
5.00
ストーリー
4.00
キャラクター
4.00
声優
4.50
音楽
5.00
感想数
2
観た人
2

ジブリらしい世界観

5.05.0
映像
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

独特な世界観が展開

今までのジブリの作品とはまたちょっと違った世界観だなーっていうのがありましたね。きっと監督が息子さんだからっていうのもあったんでしょうけど、宮崎駿作品とはまた少し違う魅力があった作品だと思います。というか最初から最後まで暗めというか明るいようなところがほとんどなかったような気がします。だからなのか全体的に重めなストーリーだなーって思いました。海外の作品もモチーフにしているっていうのもあってなのか日本にはないようなストーリー展開していた気がしますね。

声優陣が豪華

主人公の声がV6の岡田さんっていう時点でなかなか豪華だと思ったんですけど、他の人たちもそうそうたるメンバーでしたね。香川照之さんとか夏川結衣さんとかドラマなどでも大活躍している人たちがたくさん出ていたのでそういうところでも楽しめましたね。なんせ皆さん声だけでも演技力がすごいなと思いましたね。まぁ、岡田さんはちょっとまだ初心者っていう感じで素人感が出てたんですけど、それがアレンのキャラクター性と合っていたような気がします。ちょっと感情があまり出ていない感じが良く表現されていたと思います。テルーの声をやっていた手嶌さんもキャラクターの特徴をよくつかんでいるというか、アレンもテルーも似ている所があるので、そういうところがよく出ていたなと思います。なにより手嶌さんの歌声が好きですね。ちょっとハスキーで優しい儚い感じの声が映画の世界観とマッチしていてすごい良かったですね。テルーの唄は主題歌よりも好きで映画が終わってからもしばらく聞いてましたね。

主人公とは思えない狂気

アレンはジブリ作品の中でも一番狂気を帯びているキャラクターだと思いましたね。でもそれは狂っているというよりかは自分自身と葛藤しているがゆえなんでしょうね。でも今までいろんな作品を見てきましたけど、自分の父親を手にかける主人公は見たことなかったので衝撃は大きかったです。自分の心のバランスが取れなかったから衝動的になってしまったんでしょうけど、それにしてもなかなか考えさせられる場面でしたね。バランスが取れなくなるだけで人はこうもたやすく壊れてしまうのかと思うとしっかりと自分を持つことが大切なんだっていうメッセージ性のあるシーンだったと思います。きっと恨んでいたとかそういうのではなかったと思うので、後悔にさいなまれていくんだろうなと思いましたね。冷静になれば何であんなことをしたんだって自分自身を疑ってしまうと思います。私が同じ立場だったら間違いなくその事実から目をそむけちゃうと思いますね。自分がそんなことをするわけがないと思いたくなると思います。今までの主人公にはなかった闇の部分を多く持った主人公だと思いますね。王道ヒーローっていうよりはちょっとダークヒーローの要素も兼ね備えたキャラクターだと思います。だからこそテルーとの出会いはアレンにとっても自分を変えてくれるきっかけになったんじゃないでしょうか。アレン自身自分の存在自体を軽く見ているというか自分なんか・・・って思っている節があったので、それを嫌うテルーとの出会いは良かったんじゃないかなと思います。これがきっかけでアレンも少しずつ自分を見つめるようになるというか人間らしくなってくるというか成長していく様子が分かりやすく描かれていたなと思いました。真面目すぎるくらい真面目な子だから余計にそういうところでうまく自分をコントロールできなかったんでしょうね。だからテルーみたいに自分にない考え方をする子と関わるのはいい効果を生んでくれるんだと思います。

テルーの強さに感動

テルーは強いなと思いましたね。なんていうか性格も男勝りっていうか育ての親であるテナーさんにそっくりだなと思いました。親から虐待を受けていたっていう心の傷を抱えながらも強く生きようとしているのがすごいなと純粋に尊敬ですね。だからテルーにとってテナーさんはほんとに命の恩人ともいえる存在だと思います。それに誰に対しても臆することなく果敢に挑んでいく強さはアレンにはないものだと思いましたね。テルーからしたらアレンはもうヘタレ中のヘタレで一番嫌いなタイプだったと思います。私もちょっとイラっとしちゃったくらいですからね。あんなにうじうじする男はちょっと嫌ですしね。それにテルーの言葉には思わず私も胸を打たれました。

「アレンが怖がっているのは死ぬことではないわ。生きることを怖がっているのよ」

このセリフはこの映画の中で一番と言ってもいいくらい好きなセリフですね。永遠の命がほしいと言っているアレンだけど、テルーはその本心を見抜いていましたね。生きることの何を怖がるのかって普通だったらそんなこと考えたこともないけど、死にたいと思うのってそういう気持ちがあるからなのかなとも思うんですよね。だからこの映画は心が弱っている時に見たい作品だなって思いました。生死についてすごく深く考えさせられる作品だと思いましたね。

クモが怖い

なんてったってクモが怖かったですね。あれはもはやトラウマになっちゃうレベルに怖かったです。私最初クモは女の人だと思ってたんですよ。見た目も女のひとっぽかったし声も夏川さんがやってたのでちょっと怖い魔女だなーって思ってたんです。もうそれを疑わなかったので最後の方に男だって知って驚きましたね。どこにもそんな要素がなかっただけにうまいこと騙されちゃいました(笑)

なにより魔法が解けたあとの一気に老け込んでいく様がなんせ恐ろしい。今まで止めていた分が一気に進んだにしてももう人間とは言えないレベルでしたね。だって黒目すらなくて白目だけになったり、挙句に果てには眼球すらなくなっちゃうし。もうどんどん老いが進んでいくのが恐怖でしかありませんでした。生に執着した結果あーいう末路をたどるのかなと思うとやっぱり素直に命の終わりを受け入れるのが大事なんだなと思いましたね。でもジブリでまさかトラウマシーンが生まれるとは思ってもみませんでした。また夏川さんの演技もうまいからよりリアルな感じでやばかったですね。クモの場合はただ純粋に老いることと自分の命が終わることが怖かったんですね。だから魔法で若さを保ったり永遠の命を手に入れようとしたりしてたんでしょう。最期まで「怖い」って何度も言ってましたからね。死ぬことで自分の存在がなくなってしまうことに恐怖を感じていたんでしょう。アレンと理由は違っても目的は同じだったから彼をは分かり合えると思ったんでしょうね。きっと孤独だったのもあると思うんです。自分は偉大な魔法使いだからと周りに言ってはいたけど、そのせいで彼は孤独を感じていたと思います。だから力で物を言わせるしか手段がなかったんじゃないでしょうか。もっと早くテルーのような子に出会っていればこんなことにはならなかったんじゃないかなって思うとちょっとかわいそうだなって気もするんですよね。敵なんだけど同情しちゃうというか。確かにやったことは許されることじゃないかもしれなかったけど、それだって間違っていると教えてくれる存在がいなかったから突っ走ってしまったんでしょうね。ハイタカのことも憎い感じしてたけどきっとそれは彼の立場とかに嫉妬していただけだと思うんですよ。自分だって偉大な魔法使いなのにみんなハイタカの方にばかり注目するからそれが気に入らなかったんでしょうね。

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有名じゃないジブリ作品

この作品はジブリでありながら、見た事がないジブリ作品ランキングというものに入っていた作品です。ジブリというのはファンタジーであり、大人も子供も楽しめる物語が多いと思いますが、この作品は大人向けかもしれません。はっきり言って、コメディー要素0。笑える所はないです。ですが作画はやはりジブリ。素晴らしいファンタジーではあります。監督は宮崎吾朗監督。宮崎駿さんの息子さんだそうです。主人公アレンは一国の王子でありながら、父親である王様を殺害してしまう。その後王の剣を奪い、国から逃亡してしまうことから物語がはじまります。アレンは旅の途中でハイタカと出会います。ハイタカは大賢人であり魔法使い。昔はゲドと呼ばれていた。アレンはハイタカに助けられながら旅を続け、人狩りにあっている少女テルーと出会うのです。テルーは昔両親に虐待をされていた少女。顔と心に傷があり、なかなか人には心を開かない。命をを粗末にしよ...この感想を読む

3.53.5
  • まいぴんまいぴん
  • 63view
  • 607文字

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