久々にドはまり
ベルトがしゃべる!
物心ついた時から仮面ライダーの作品はすべて見てますが、今までのどの作品の中にもベルトそのものがしゃべるなんてことはなかったですね。しかもベルトを開発した張本人がベルトに意識を移すとかそういう発想が今までなかったです。ちゃんと表情も変わるし、何といっても声がクリス・ぺプラーさん!めっちゃいい声のベルトさんで物腰柔らかい話し方なので、すごいよかったです。あの低音ボイスは朝から癒されますね。ベルトさんのキャラクター性とも合ってて、しかも声だけじゃなくて本人まで出てきちゃったりして結構豪華なキャスティングだったと思いますよ。
それに仮面ライダーって言ってるのに乗り物がバイクじゃなくて車っていうのも斬新でした。しかもあんな派手なレーシングカーを警察が乗っててしかもパトカー感覚で乗ってるのが最高でしたね。なんかいろんな仮面ライダーの歴史をいい意味で覆してくれた作品だと思います。
敵なのに憎めない
敵の中で一番好きなのはブレンですねー。あのキャラはどうしても憎めない。なんていうかブレンていうだけあって、脳をつかさどってるから頭いいはずなのになんかドジっ子っていうか、抜けてるっていうか。最初はものすごく知的な感じで登場してきてそれなりに強かったから、ザ・幹部って感じだったんですけど、途中から大幅に路線変更してきましたね。もはやブレンのキャラがブレブレでしたよ(笑)
まずもってハートのこと大好きすぎですよ。メディックに嫉妬するとかどんだけラブなんですか。でもハートはいい奴ですからね。慕われるのもわかる気がします。敵なんだけど自分の味方のことを何よりも大切に思ってて、仲間がいなくなるたびに寂しそうな顔をするので、敵ながらちょっと感情移入して胸が痛みましたね。そんなハート一筋なブレンがもう可愛くて、敵のはずなのにブレンが出てきたときにはちょっとどんな展開を巻き起こすのか楽しみになっちゃってました。敵でこんなに憎めない子はなかなかいませんでしたよ。なんか敵なのかすらちょっと疑っちゃうほどでしたもん。
あとはメディックですね。彼女もいいキャラでした。ゴスロリ衣装がまた似合ってたから可愛くて。
この子もハート大好きだからブレントのあのやり取りは見ててほんと楽しませてもらいました。ハートだけに見せる忠誠心が敵ながらあっぱれと思いましたね。ただ治した人の負の感情を引き継いじゃうからどんどん黒くなっちゃっていったのがかわいそうでした。治してくれるいい子なのにその代償が大きすぎて切なかったです・・・。ただ治すだけっていうわけにはいかないんですね。それでもハートが悲しむのを見たくないから自分を犠牲にしてまで治したり、改造したりしてたんですよ。健気だと思います。今回出てくる敵が憎めない子ばかりで倒しちゃうのがもったいないと思っちゃいました。
チェイスも最初の仮面ライダーだったのに敵になっちゃうし。でも途中から仮面ライダーとして復活してからの彼は良かったですね。特に剛との絡み。ものすごくがつがついく剛とそれをものすごくローテンションで返す二人の温度差が最高でした。剛も最初なんだかんだチェイスのこと嫌悪してたはずなのに最後の方には友情芽生えてなんだかんだ仲良しだったんですね。チェイスの死に際も剛が看取ってその遺志を継いで、ゴルドドライブを追い詰めたのはまさに友情がなせる業だったと思います。
恋愛要素がちょくちょく出てくる
今回の仮面ライダーは恋愛要素が結構詰まってたと思います。進ノ介と霧子のところなんか後半から怒涛のように盛り込んできてましたもん。最初霧子は自分を助けてくれた仮面ライダーのことを好きなんだと思ってたんですけどね。進ノ介と一緒に行動していくうちに刑事として、仮面ライダーとして信念を持って戦っている進ノ介の姿に心打たれたんですね。それまであまり表情を出さなかった霧子がだんだん自分を出せるようになったのも進ノ介のおかげだと思います。進ノ介も霧子と一緒にいるうちに惹かれていったんでしょうね。
あとはチェイスもなんだかんだ言って霧子のこと好きだったんだと思いますよ。でも人間の感情がちょっと欠落してるから本人も自覚はあまりなかったのではないでしょうか。何より霧子が進ノ介のことを見ているのが分かったからというのもあるのかもしれません。敵で言えばメディックとハートですね。この2人は間違いないです。そういう描写はされていませんでしたが、お互い仲間以上の感情を抱いていた気がします。ハートは仲間としてメディックを見ていましたが、少なくとも好きという感情は入っていたと思います。メディックもただ忠誠を誓っているというわけではなく、ハートの人柄に惹かれていたんではないでしょうか。最後までこの2人が生き残っていたのもきっとそういう伏線があったからなんじゃないかなってちょっと思っちゃいましたね。
まさかの共闘
今回はほんとに新しいところがいっぱいありましたね。敵を倒すどころかお互い同じ敵を倒すってことでまさかの協力して戦っちゃうっていうね。しかも進ノ介もハートもお互いのことを認め合っていたような気がします。敵というよりはライバルみたいな関係だったのかもしれません。だから進ノ介もとどめを刺さなかったし、ハートも傷ついた進ノ介に追撃しなかったんでしょうね。共闘の時もどこかお互いを信頼しているかのような印象さえ受けました。きっと二人とも根本的な部分が似ているんだと思います。考え方というか価値観というかそういう根っこの部分が似ていると感じたからこそそこまでお互いに憎み合うとかいがみ合うとかっていうのがなかったんではないでしょうか。そもそもハートもそこまで好戦的なタイプではないですからね。できることなら争うことなく事を解決したいんでしょうね。進ノ介もその考えには賛同してたからどうにかして和解できないか模索してたんだと思います。結果的になし崩しみたいな形にはなってしまいましたが、最後にお互いのことを理解し合えたんではないかと思います。なんか今までとは違った結末って感じでこれはこれでありだと思いました。
最後が感動
最後はすごい感動しましたね。すべての戦いが終わって進ノ介の仮面ライダーとしての役目が終わった時・・・ベルトさんが・・・ベルトさが・・・まさかのすべてのデータとともに眠りにつくなんて!
確かに役目は終えたし、ベルトさんももういる意味はなくなってしまったかもしれませんがそれでも黙っていなくなろうとするのはずるいと思いますよ。でも最終的にはみんな集まって最後の別れを済ませることができて良かったです。最初のころあんなに相性の悪かった進ノ介とベルトさんが最後には言葉を交わさなくてもお互いの考えていることが分かっちゃうくらい信頼関係を築いていたんだと思うとその絆の深さに胸を打たれました。今までいろんな仮面ライダーを見てきた私としては終わりがこんなに感動する作品はドライブ以外ないと思います。その後のみんなもそれぞれ頑張ってるエンディングで終わったし、何より進ノ介と霧子がいい感じで終わってすっきりしました。バトルだけじゃなくて、人間関係とか価値観の問題とかなんか色々考えさせられる作品だったように思います。
いかんせんストーリー性が高くて子供向けの番組だからって侮れませんよ。意外と大人が見ても十分楽しめちゃうのがドライブのいいところだと思います。
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