原作とは別物、それが許せるかどうか - ブレイブストーリー[BRAVE STORY]の感想

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ブレイブストーリー[BRAVE STORY]

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キャラクター
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声優
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音楽
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感想数
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原作とは別物、それが許せるかどうか

3.03.0
映像
3.0
ストーリー
2.0
キャラクター
3.0
声優
3.0
音楽
4.0

目次

正統派冒険ストーリー

主人公の亘君が現世とは違う世界、幻界(ヴィジョン)に旅立ち、キ・キーマやミーナなどのさまざまな仲間と協力して旅の目的地である「運命の塔」をめざすという正統派冒険ストーリー。同じく現世から来た美鶴君と半ば競争するかのごとく宝玉を集めていくところは、小さいころに思い描いた冒険談そのもの。宝玉を手にする度に特殊能力が追加され、小さいころにそんな設定で遊んだなぁと、懐かしく思える場面もありました。また、物語の間に挿入される、幻界の仲間たちと絆を深めていく場面は異世界の人なのに仲良くできるってすばらしいなぁとほっこりできました。この描写があったからこそ、物語後半の最後の宝玉を取るか、幻界の平和を取るかの二者択一の選択肢に翻弄される亘君の心情に感情移入しながら見ることができ、エンディングでは「良かったなぁ」と気持ちよく見終わることができました。

原作の設定は・・・!?

本編鑑賞後に原作を全部読み込みました。多少の設定変更は許せるのですが、とても残念だったのが、現世での亘君、美鶴君の苦悩と、「幻界は旅人の心を写した世界」という描写が消えていた点です。特に、ブレイブストーリーの醍醐味は「幻界は旅人の心を写した世界」であるからこそ、亘君と美鶴君が見ている幻界の様子が似ているようで全く違っているところであり、そこから亘君、美鶴君の心のありようが透けて見えるところだと思うんです。特に、美鶴君は人を騙して、たぶらかして、恐喝してと人間社会の悪いところが凝縮された幻界、亘君は苦労はするけど、他人を助け、協力し、持ちつ持たれつな関係が構築された幻界と対照的に書かれていたところが、本編では亘君メインで美鶴君の描写が少なくなっており、残念でした。その設定がなくなっていたため、映画自体がどこか軽い印象になってしまったように思えます。

救いのあるエンディング

原作ではその後がどうなったのか、不明で終わってしまうキャラクターが存在します。特に、美鶴君は原作では亘君が現世に帰ってきてから行方を捜しますが、結局は居た形跡があっただけで本人には会えずじまいで終わってしまいます。しかし、映画では登校した亘君と美鶴君かもしれない少年が登校口で出会う場面で終わり、美鶴君の生死が確認できます。この誰も死なせない救いのあるエンディングがあったからこそ、大人でも子供でも楽しめる正統派冒険ストーリーとなったのではないかと思います。

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