平安時代のイケメンとツンデレの織り成す恋愛ストーリー
平安時代がよくわかる恋愛マンガ
百人一首というとカルタ遊びや、学校で覚えさせられたというくらいしか思い入れがないのですが、私でも読める恋愛短編ストーリーです。31字の中に込められた恋のうたをマンガで表現しています。主人公というよりストーリーテラーのような存在の藤原定家を見ているだけで、思わず不気味な微笑みをかましてしまいます。衣装のきれいさも抜群です。もしこのマンガが現代に完全に置き換えられて、普通に現代の洋服着てたら、こんなに色気のあるロマンチックなイラストにはならないと思います。平安時代のきらびやかな世界観がとても素敵なマンガです。しかし、恋愛といいつつエロ多めな感じがします。
イケメンと駆け落ちしたい欲望と現実
在原業平と藤原高子との恋愛、そしてちはやぶるから始まる歌が最初の話です。けっして成就しない恋。ありきたりな物語だけれど、どうすることもできない時代で受け止めるしかない。この歌にこんな意味があるかと改めて思いました。業平どんだけイケメンだってくらい、遊び人っぽい言動で、高子も強い言葉で自分を守っているけれど、ぽろっと素が出たりとってもきれいでかわいいです。文で喧嘩売ってきたから、夜這い仕掛けるってどんだけ遊び人なのって思ったけど平安時代だから許しましょう。エロさ爆発してますから。十二単って女性の鎧っぽいから、そこ崩せたらコロっていってしまうのかもしれないです。平安時代の間仕切り的なものが、妖艶さが出てて本当に子供は見てはいけません的なものになってます。しかし一応百人一首を扱ったものなので、親には勉強してますっていうことにできますけど。イケメンに好きだって言い寄られて駆け落ちしたいってまじめに思ってしまいました。
ツンデレ男子に神がかった対応
陽成院がキャラクター的には好きな方です。ツンデレというか小学生かっていう感じです。本当に小学生くらいの年齢の子が帝位についたりする時代ではあり、今のように寿命も長くないので仕方がないのですが。好きな子には意地悪をしてしまうなんてのは、私の子供時代にもあったことだし子供だから許せます。しかし、大人になってもツンデレな陽成院に対し、すっかり大人になった綏子の超大人な対応。なにこれかわいすぎです。貞明だからこそかわいくみえる行動と、歌に込められた思いが反比例してるけど、そこは綏子のちょっとずれた母性に任せえて、本の外の現実から暖かく見守ってます。でもカエルや蛇は無理です。
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