続編の難しさ - 非公認戦隊アキバレンジャー シーズン痛の感想

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非公認戦隊アキバレンジャー シーズン痛

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続編の難しさ

3.03.0
映像
3.5
脚本
2.5
キャスト
3.5
音楽
3.5
演出
3.0

目次

アキバレンジャーが帰ってきた!

本作は大好評を博した、「非公認戦隊アキバレンジャー(以下シーズン1)」の続編に当たる作品である。

前作シーズン1はスーパー戦隊シリーズのパロディ作品でありながら、本家スーパー戦隊シリーズのスタッフが制作にあたり、かなり大胆な作風で、深夜帯の放送に関わらず人気を博した。

放送直後に中野サンプラザで行われたイベントがプラチナチケット化する程の人気で、その続編はファン待望の物と言って過言ではない。

そんな続編が本作である。

正直なところ自分自身は、本作をあまり好きになれない。

ネタ自体の濃さや面白さ自体は前作とあまり変化は無いように思うが、イマイチ乗れないのだ。

その理由を色々考えてみたい。

アキバレンジャーの何が良かったのか

結論から言うと、シーズン痛の失敗は、物語の中心に戦隊シリーズを置いてしまった事だ。

本作は、「大人のユーザーに向けて」スーパー戦隊シリーズを活性化する為に制作されたシリーズである。

これは本家スーパー戦隊シリーズで「海賊戦隊ゴーカイジャー」というシリーズ35作記念の番組が放送され、好評を博した事に端を発している。

前作シーズン1の成功により、大人向けファン商品も活性化したようで、さらなる戦隊シリーズの商売拡大を割と主眼に制作されたように思う。

結果、シーズン痛で選択された設定は、何者かによって改変されてしまったスーパー戦隊シリーズを元に戻す話だ。

しかしこれは大きな間違いだった。

スーパー戦隊を元に戻す下りをドラマの中心に据え、主人公達の目的として割合を増やしてしまった事で、シーズン1の魅力だった「オタクである主人公達のドラマ」という部分が消失してしまった。

アキバレンジャーは、赤木達個々人にドラマがあったからこそ、シーズン1はあれだけ愛されていたのではないか。現実世界での赤木の変身に熱くなり、ゆめりあの母のエピソードに涙したのではないか。

シーズン痛では残念ながらその「個人のドラマ部分」がごっそり抜け落ちてしまっている。

よしんば戦隊ヒーローを助けるドラマがもっと面白ければよかったが、ダイレンジャーがチャイナマンになったとか、ジュウレンジャーがパワフルレンジャーになったとか、事件の本筋がイマイチピンと来ない物ばかりだった事もあり、戦隊ファンもイマイチ乗れないというような作りになってしまったのが残念でならない。

また、シーズン1とシーズン痛では、スーパー戦隊シリーズの扱うネタの濃さ自体はそこまで変わらないものの、シーズン1では美少女アニメやオタクカルチャーと言った副菜も用意されていて、その幅が作品自体の深みになっていた。

戦隊一辺倒で行くなら、ツー将軍の繰り出す「僕の考えた怪人ちゃま」路線のように原点の作品から地続きの設定をパロディーとする作りだけにシフトした方がひょっとしたら見やすい作品になったのかもしれない。戦隊ファンとしては、この設定は結構好きでした。

そして、シーズン1と痛ではブルーのみ登場人物が違う事もあり、3人のキャラクターシフトが変化してしまっている。

オタク2人と冷ややかな一般人という「ボケと突っ込み」がしっかりあったものが、新ブルー「ボケ」とレッド・イエロー「突っ込み」というシフトになったのも、上手く描けなかったように思う。

この主人公達の関係性の変化も、シーズン1の見やすさから一段劣ってしまう部分だと思う。

みんなの見たかったアキバレンジャーから色々離れてしまったのが、イマイチ乗れない原因だと思う。

続編を作ることの難しさ

アキバレンジャーシーズン痛は、スーパー戦隊プロモーション番組として、より戦隊押しになった結果、シーズン1で見られたドラマが無くなり、残念な作品となってしまった。

では、どのような続編が良かったかと言われると困ってしまうのも事実だ。

シーズン1は、番組後半で赤木達登場人物が自分たちが「非公認戦隊アキバレンジャー」という番組の中の存在である事に気づき、最終的には番組を終わらせないようにすべく、原作者である八手三郎と対決する所で終わりを迎える話である。

こんなゴリゴリのメタフィクションで閉じた作品の続編は、なかなか難しいと思う。

最終的にメタフィクションまで行ってしまった作品の続編ともなると、次はどんな手で驚かせてくれるのか、というハードルが否応なく上がってしまう。

シーズン痛でも様々なネタで、実際シーズン1よりもキワキワを攻め、円谷プロのゴタゴタを扱ってみたりなどアグレッシブではあったものの、主人公達のドラマ部分の弱さもあり、結果としてハードルを越えられなかったように感じる。

続編を作られることに対して、当時ネット上でも心配する声が上がっていた。

アニメ作品でもそうだが、1期を超える2期を生み出すことは並大抵ではない。ましてや実写作品では、生身の人間がやっている以上、同じように続ける事自体が困難であることは言うまでもない。

制作上の諸々の事情と、アキバレンジャーサイドのドラマの希薄化、戦隊に偏った作りになった為に狭くなった世界観と言ったところがシーズン痛のこの結果である。

とはいえ、完全にアキバレンジャー自体を嫌いになったわけでは勿論無く、今もシーズン散なのかシーズン惨なのか、シーズン3の制作を心待ちにしている次第だ。

いつの日かまた、非公認戦隊の活躍が見られる事を願って、終わります。

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